この歳で、まだ寿司屋のカウンターが怖い。
この歳で、まだ歌舞伎に行ったことがない。
以前ならまったく気にもならなかったことが、気になるようになった。人並みに周囲を気にするようになったのか、日本の常識を学んできるというべきか、自分でもよくわからない。そろそろぼくもゴルフを始めたりするんだろうか?
いわゆる「ふつう」というのが、ぼくにはとてもハードルが高い。
いまでも「そんなことも知らないんですか!」と年下の人から言われたりする。ぼくが知らなかったり、まだ行ったことがなかったりする場所に、いちいち周囲の人たちを驚かしているようだ。
申し訳ないけど、ほんとうに関心がないのだ。寿司屋も歌舞伎もゴルフも。もう40後半の日本のサラリーマンなら、3つのうち「どれかひとつ以上関わって当然でしょう」といった雰囲気がある。
30代の若い(あくまでぼくから見てということだけど)女性社員から、「女性が年上の男性に惹かれるのはですね、大人の文化を感じさせてくれるからなんですよ」なんてことを言っていた。その場にいたほかのひとたちも「なるほど〜」なんて納得している様子。
そうか、モテる正体は「大人の文化」だったのか。
それは図星でもあった。ぼくにはそういった大人たちが親しむ文化的な趣味というか、習慣がない。そのことがさいきん、気になり始めていたのだ。そのことで、なにかぼくにとんでもない欠陥が潜んでいるんじゃないか、と思えてくる。
どうしよう?
といったところで、どうしようもない。
せいぜい旅先ではよく行く美術館とか、そういう場所に足を運んでみるくらいしかできない。
その美術館だけど、昨今はどこも混んでいると聞く。
あんがい、みんなぼくと同じような悩みを持っているのかなあ、と思うのだった。そもそも美術館に行ったくらいで身につく文化なんて、たかが知れているのだけど。
きょうのイラストは、ちょっと「ヘタウマ風」にしてみました。ていうか、どうやろうと「ヘタヘタ」なんだけど。
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