ポラロイドカメラと聞いてピンとくる人がどれだけいるだろう? 言わずと知れたインスタントカメラ。撮るとジャーという音とともに写真がスライドアウトしてくる。ちょうどあっかんべ~しているようで楽しかった。写真の余白スペースにマジックで書き込めるのもよかった。そんな写真がぺたぺたと貼り付けられた冷蔵庫を映画のシーンにみつけ、かっこいいなあと思ったものである。
1990年代の終わりに登場した富士フィルムのチェキはポラロイド写真のちょうど半分の大きさで、どちらかと言えば若い女の子向けのカメラだったが、さっそく入手し飲み会などで撮りまくった。香港の飲み屋でもチェキが置いてあり、女の子とツーショットして客にプレゼントしていた。それを奥さんに見つけられ、小遣いを減らされた駐在員もいた。
チェキが女子高生にウケたのは、ノリがプリクラだったからだろう。撮り合い交換してコミュニケーションする。夜のオジサンたちも似たようなものだった。
デジカメや写メのあおりをうけ、やがてポラロイド社は倒産したがチェキは生き残った。 彼我の運命を左右したのはプリクラ文化の担い手、女子高生の存在だったかもしれない。大きさを半分にし、フィルム一枚あたりの価格を抑えてみせた戦略も効いた。
スマホの写真は手軽で高性能だけど、チェキのように生写真をその場でプリント出来ないものかと思っていた。自宅のプリンターで印刷すればいいのかもしれないけれど、その場で撮って相手にわたす、という即効性がない。余白にさっとペンを入れることもできない。
などと思っていたら、富士フィルムから「スマホdeチェキ Instax Share SP-1」が登場した。チェキよりひとまわり小さい携帯プリンターである。電池で稼働し、チェキと同じインスタントカラーフィルム(10枚入りカセット)がそのまま使える。
▲ Instax Share SP-1 と iPhone 6+
▲ チェキと共通 Instax mini インスタントカラーフィルム
▲ スマホから無線で印刷. データを受けるとフィルムがジャーと飛び出す
▲ iPhoneに保存されていた写真を印刷してみた(TOP写真は撮りたてを印刷)
やってみるとなかなか面白い。
アプリをダウンロードし、こいつとちょいちょいとWifiでつなげて印刷ボタンをポチ。これだけだ。いくつかテンプレートも用意されているが、なにも装飾されないシンプルなやつが個人的には好きである。フィルムは一枚あたり、だいたい80円くらい。100枚パックだともう少し安くなる。フィルム販売はデジカメ時代で失われた失地回復のためのメーカーのドル箱である。大人なら 飲みもの一杯がまんして、フィルムに予算のつけ替えである。
飲み会があるときは、こいつをカバンに忍ばすのが大人のたしなみだ。
■ 今日のひろいもの iPhone 6 Plus カメラ
高い秋空を飛行する自衛隊機を撮ろうとしてカメラを構えたものの、縁石にかかとをひっかけ尻もち。われながらなさけない。近くにいたおばさまたちに「ひぃー!」とか悲鳴をあげられた。バツ悪く立ち上がり、道端に転がるiPhoneを拾いあげてびっくり。なんとコケる瞬間の自分の足元が写っていた。それもピンとばっちりではないか!というわけで、はからずもこのたび 6 Plus に実装された手ブレ防止機能の実力を知ることになった。落としても壊れなかったことも。
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