成田空港を午前中に発ったJAL 723便は、定刻通りクアラルンプール空港に到着したが、ぼくは待ち合わせ場所に30分も遅れてしまった。イミグレーションが異様に混んでいたからだ。
友人とジュリエットさんは根気強くぼくを待っていてくれ、部屋にチェックインするのを手伝ってくれた。その部屋こそは、この度買うことにした物件である。ジュリエットさんは不動産エージェント。相変わらず早口で、しかも早足である。ついていくのがやっとだ。おまけに彼女のベストが裏表なのが気になってしょうがない。
▲ 三菱電機製の高速エレベーターで40階までひとっとび
▲ 部屋からの夜景。ペトロナスツインタワーもみえる
所有権はぼくに移っても、部屋はそのまま短期滞在者用の宿泊施設として使われる。管理会社が掃除やシーツやタオルの取り換えなどの客室サービスをしてくれる。寝心地のよいダブルベッドのほかに広めの居間と小さなキッチンがつく。バスタブとシャワールームは別に備え付けられ、トイレもなぜかビデ付きで広め。それからなんといっても40階のたかさから壁一面の窓からKLが一望できるのが気に入った。たぶん、泊まる人も気に入るんじゃないかと思う。ただ、調度品は少々安っぽいのが気になるけれど。
わざとカーテンを開けっ放しにして眠る。
夜明けは7時前。東向きの窓から朝日が上るのが見える。ベッドから飛び起きると、ビルの窓がキラキラ光って、夜景とはまた違った豊かな気分になる。力が全身にみなぎるという感じだ。こんな気持ちになったのはいつぶりだろうか?
それにしてもここは、ぼくのような庶民にはもったいない部屋。だから自分で住まずに人に貸す。世界中のあちこちからいろんな人が、いろんな目的でKLへやってきてここへ泊まるのだ。なんて思うとなんだかワクワクする。出来ればぼくも、年に一度くらいここへ泊まりに来たい。そうしてこの街を見下ろすなどしてみたいと思う。あっちのビルが完成したな、あの古いビルが建て替えられたな、とか・・・
▲ 居間の部分。地上200m近くの高さに、ほぼ視界をさえぎるものはない
マレーシア政府は2020年にいまの国民所得を倍にすると約束し、それに向かってバクシン中である。こどももたくさんいて元気いっぱいである。そんな元気をお土産に、ぼくも負けるもんかと日本で頑張るのだ。その価値は掃いて捨てるほどある。
▲ ホテルの外観。14階までは商業施設が入っている。映画館、ボウリング場、ショッピングモール、屋内遊園地まである。迷子になってしまった。2003年、マハティール元首相によって建てられた。
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