先日、数人でランチをとっていたとき、
話題はいつしか「風邪」になった。
うちひとりがいう。
太っている人ってよく風邪ひくよね
日本人は年に平均6回も風邪をひくという。
ぼくも一時期、よくひいていた。だが多忙にかまけて休まず、薬ばかり飲んでいた。インフルエンザで死にかけたこともある。2001年、香港に住んでまもない頃だ。季節や場所、仕事や家庭という環境変化は人間の免疫を下げるのだろうか。
風邪の大敵は過食とストレス
いろんな意味で食べ過ぎは身体に良くないが、とくに内蔵に悪い。常に働かされることで疲弊し、回復する間もなければ自律神経が不安定になる。内蔵が本来の仕事をしなくなると、体内に老廃物がたまりやすくなる。実はこの老廃物こそはウイルスの大好物。繁殖を助ける餌になる。
加えて、水不足がのどや気管の粘膜に老廃物を溜めやすくさせ、運動不足がウイルスを体内に溜めやすくさせる。「太った原因」が食べすぎと運動不足にあるなら、前述の意見は正しいのかもしれない。
必要なのは熱
抵抗力が衰えた身体に必要なのは熱。
発熱こそは、免疫力を失った身体をこれ以上ウイルスに感染しにくくさせる調整機能だ。ぼくには「知恵熱」と言われるような現象が大人になったいまでもある。ある日尋常じゃないくらいぐったり疲れると、突然高熱が出て一晩中うなされるのだ。幻想すら見ることもある。その間ひたすら水を飲んで耐えれば、大量の汗と共にやがて熱もひく。濡れた寝具を洗濯機に放りこみ、シャワーを浴びればもうスッキリ。何事もなかったかのように朝はそのまま出勤できる。もう一日かかることもあるが。いずれも風邪とはちょっと違うけど、老廃物をウイルスごと外へだそうとする自動調整機能なんだろうなと思う。
香港で風邪ばかりひいていたころは「解熱剤」を飲んではごまかしていた。そういえばドイツの医者はあまり薬をくれなかった。「たっぷり水を飲んで、たっぷり寝なさい」それだけだ。「頭が痛くて眠れない」と言えば、しぶしぶアスピリンをくれた。それが香港や日本では、言わなくても大量に薬をくれる。
体調を崩したら食べない
風邪に直接効く薬はない。あるのは症状をやわらげる薬だけである。咳止め、解熱剤、鎮痛剤・・・どれもそう。でもよく考えたら風邪の症状は、必要だから出るのだ。これが生きものが本来持つ自動調整機能である。薬で無理に抑えてていいのかとも思う。祖母などは「薬をくれない医者がよい医者だ」などと言っていた。「今の人は昔の人とは違う」と反抗したものだが、祖母は正しかったといまでは思う。
風邪による食欲不振は「食べないほうがいいから」だ。ふだんから栄養失調でない限り、必要な栄養はある程度蓄えられている。それよりただでさえウイルスと戦い他に余力のない内蔵に、余計な仕事をさせないほうがいい。犬や猫などをみても、病気の時はまずエサを食べない。それからウイルスを弱らせるには水分補給が一番。水や白湯を飲みつつ回復を待つ。
風邪はクセになる
風邪は一度ひくとクセになる。
同じ空気で呼吸をしていても、ひく人はいつもひくし、ひかない人はぜんぜんひかない。バカだからひかないというわけでも(たぶん)ない。個人差はあるだろうけど、食べすぎず、老廃物をためすぎない人が、風邪をひきにくい体質を作る。ストレスもまた老廃物を増やすのだ。逆にストレスを上手にリリースできる人は健康だが、傍から見れば脳天気に見えるかもしれない。「バカは風邪をひかない」といわれるゆえんだ。
ぼくの場合、2010年正月に生活を一新した。
まずタバコをやめた。ご飯を半膳に減らした。シャワーだけでなく毎日入浴することにした。4時か5時に起きることにした。バナナ豆乳を朝晩飲むことにした。どれも途中でギブアップするはずだったのに、不思議と続いている。
それ以来、風邪をひいていない。
別に「風邪をひかない身体」を求めていたわけでもない。タバコは喫煙所に行くのがめんどくさくなっただけだし、ご飯を減らしたのは午後眠くならないようにするため、早起きは仕事の効率によるものだし、バナナ豆乳は栄養補完のためである。そうしたら結果的に「風邪の予防」につながっていたというわけだ。副産物で体脂肪率が減った(19%から15%台へ)。
年末年始はとかく暴飲暴食、運動不足のためにあるようなもの。老廃物は増え、免疫は落ちる。乾燥し冷たい空気はウイルス繁殖に好都合。どうか負けないで。
風邪予防はしかしダイエットに効きますね。
どうかみなさま、大事な年の瀬。
風邪なんかで大切な時間を台無しになされないよう ご自愛くださいね。
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