かつて「青いペンを使うと頭が良くなるらしい」という都市伝説があった。青ペンを使って、書きまくっていれば記憶力が向上し、試験にも受かるという。発端は早稲田塾の創業者、相川秀希氏の説という。ぼくの記憶はそれよりずっと昔、クラスにいた秀才たちが青い色鉛筆でノートを取っていた記憶がある。偶然か、それとも・・?
早稲田塾といえば現役合格専門の学習塾。実績もある。その創業者は青ペンを使ってノートに書きまくりながら勉強することを薦め、著書にメソッドを記している。こうして勉強し、みごと志望校に合格した生徒は「試験中文字が浮かび上がって見えた」と感想を漏らしている。その根拠はどこにあるのだろう? 相川氏は4つ理由をあげている。
- 1.副交感神経に作用する
暖色系(赤・黄色など)は交感神経に働き、寒色系(青・紫)は副交感神経を刺激するといわれる。副交感神経は安静にしているときに活発に働き、自然と集中力が高まるという。
- 2.時間が経つのが遅く感じる
寒色系はまた、時間の長さが遅く感じさせる。「え、まだこんな時間?」となり、実際にかかった時間よりたくさん作業ができるというわけだ。
- 3.青はリンクの色と認識される
WEBに慣れていれば「青文字はリンクの色」と認識するクセがついており、文字が目に飛び込んでくる感覚がある。重要である、詳細がハイパーリンクされるだけに重要な単語という潜在意識に働きかける。記憶力が高まる。
- 4.脳内物質セロトニンが分泌される
青色をみると、人はセロトニンが分泌される。心がやすらぎ、心身が安定する。これが海馬(脳の一部:記憶をつかさどる)に刺激を与え、そのことで記憶力や学習効果が高まる。
なんとも青はすごそうである。こうなると勉強部屋やオフィスの壁も青に統一してはどうかと思う。青ペンとは関係ないが、先日訪れたモロッコのシャウエンという街はカスバが壁も道路も真っ青であった。確かにその中をぼんやり歩いていると、気持ちがおちつき、まるで水の中を泳いでいるような安らぎが感じられたものである。そこで勉強すれば少しは賢くなったかもしれない。
ふだんぼくは3色ボールペンを愛用している。ノートにメモをする時は基本的に黒色で書き、ポイントになるキーワードを青色で書く。赤色はアンダーラインをひいたり◯で囲ったりするときのみ使う。青色を使うようになったのは、やっぱりハイパーリンクの影響がある。あとでノートを見返すとき、青色部分のみをざっと目で追えば要点がつかめるから便利である。青色ばかりを使う相川氏のメソッドとは違うけれど、習慣だからしょうがない。
あなたも青色を取り入れてみてはどうでしょうか?
気持ちがブルーになっても責任は取れないけど。