品川と横浜の間に鉄道が開通したのが1872年。
このとき日本の人口は3480万人。いまのカナダの人口と同じくらい。この倍の7000万人になったのが1940年。3倍の1億人に達したのが1966年、ちょうど東京オリンピックが開催した頃である。日本人は100年足らずで3倍になったのである。ピークは2010年の1.28億人。「この瞬間が日本民族がもっとも繁栄した年である」と後世語られるに違いない。試算によれば、これから100年かけて3分の1に減っていく。はじめはゆっくりと、やがて加速度を増しながら。
▲ 日本の人口推移(1880-2100)【2010総務省統計局】単位:百万人
世界の人口はどうなるか?
現在70億人の人口は20年後の2030年に80億人を超え、つぎの10年で90億人に達する。30年間で20億人増し。どこで増えるかといえば、アジアで10億人、アフリカで10億人ということだ。つまり白人の割合はどんどん減り、日本人に至ってはどんどん珍しい存在になる。30年後といえば、あなたの子供はもちろん、あなた自身もまだ生きている可能性が高い。そのときぼくたちはどんな風景を見ているのだろう?
2040年の日本人が30年前に思いを馳せるとき「あのころはよかった」となるのか?それとも「あのころはひどかった」だろうか? このごろ、ひまさえあればそんなことを考えている。明日をも知れぬ我が身、というほどではないにせよ、来年だってどうなっているかわからないのに、と思わなくもないが、そのようにして30年後をつらつらと想像するのはなかなか楽しいものがある。
30年後ぼくがもし生きていたとしても、高い確率で日本には住んでいないと思う。日本社会はいま、1年で約50万人もの労働人口が減っている。言いかえれば、稼ぐひとが毎年50万人も減り、代わりに養われるひとが増えている。はじめはゆっくりと、やがて加速度増しながら。
100年後に3分の1に減る日本人口は、100年前の3分の1の人口デモグラフィとはわけが違う。人口こそ同じ3〜4千万人でも、稼ぐ人と養われるひととの人口比が真逆なのである。
これだけを考えれば日本は衰退の一途をたどり、やがて滅んでいくように思える。だとすればたいへんである。そうならないようにするためにはひとりあたりの労働生産性を上げ、高付加価値なものを生み出し続けていくしかない。という話をよく耳にする。たしかに日本は世界中にお金を貸している世界一の債権大国で、利子だけで毎年膨大な利益がある。また特許使用権でいくばくかの収入がある著作権保有大国でもある。だけどそんな利回り政策ではとても追いつかないほどの衰退ぶりがこの先にある。
打開策はひとつしかない。
それが移民受け入れ政策である。
人口が減少しているのはなにも日本だけじゃない。先進国のほとんどがそうだし、そうやってしのいできた。シンガポールやオーストラリアなど比較的新しい国では、外国生まれの人口比率は30%前後。つまり3分の1は外国からの移民である。アメリカやドイツなどの先進国では13%が、外国生まれ自国育ちの移民だ。これに対し日本はわずか1%。だいぶ差がある。移民というとぼくたちはネガティブなイメージが強い。犯罪率の増加は外国人、または彼らと組む日本人によるものという認識がある。中国などは総動員法まて制定し、戦争が起これば外国の中国人に破壊活動をさせようとする。日本は隣人に恵まれないように思うが、それはどの国もお互いさまである。
だから政策がいる。
移民受け入れの条件はきっちり決めておく。優秀な頭脳や資格を持ちながら自国ではチャンスがないような人々を受け入れる。アメリカのようなグリーンカード制はよい参考になるだろう。つまり「安い労働力」としての受け入れではなく、日本人とまったく同じ条件で働けるような人を移民の対象とするのだ。シンガポールやドイツがそうしているように「どういった人材が必要か」というのを世界にむけ発信する。2年ほど教育し、6年後、優秀な人には日本の市民権が選択できる。というのが望ましい。 毎年50万人ずつ減る生産人口(納税者)の3分の1をカバーできれば、30年間で500万人とその家族、あわせて2千万人もの移住者が日本におり、そのうち1.5千万人は日本国籍を持つ。というバランスだ。
このままいけば日本に住む人口は1億700万人。2千万人(16%)もの人口が減る計算である。だが以上のような移民があればいまと同じ水準である1億2千7百万人を維持できる。それでも労働人口そのものは減るが、生産性向上と高付加価値な技術、メタン・ハイドレートなどの資源開発に成功しエネルギー輸出国になっているだろうことを想定すれば、いまより豊かになっている可能性は十分にある。このためにもスパイ防止法とマイナンバー制度はしっかり法制化し浸透していて欲しい。理由は省くがこのふたつがないまま移民政策を行えば、これはもう自殺行為である。
30年後、日本は存在感を増している。
今の子供達がおとなになるころには、日本はもっと世界から必要とされ、誇りを持って生きているんじゃないかと、わりと本気で思っている。死んでなければぼくも、そんな日本を外から応援していたい。日本の良さは中にいてはよくわからないのは、30年後もいまも同じである。
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