売り手よし、買い手よし、世間よし
近江商人の三方よしの精神。いわば日本人の商法である。片方が儲けただけもう片方が損をすることを、当人たちも、その周辺にいるひとたちもよしと思わない。長年培われてきたそんな感覚が、いまも日本人にはある。「世間よし」という部分は環境にもあてはまるかもしれない。これだけ科学技術が発達しそこそこ人口密度もある国で、これほどまで水が空気がきれいで自然が残る国はそうざらにない。中東諸国や中国のことを思えば、さらに際立つ。
いつだったかユニクロの社長である柳井さんが「グローバル化で世界同一賃金になり、将来は年収一億円か100万円に分かれていく」なんてことを言っていた。これにぼくはすごく違和感を覚えたもんである。ユニクロの服を買っている消費者たちはそのどちらでもない。将来は自分たちの市場がなくなると言っているようなもので、経営トップが堂々ということじゃない。柳井さんこそは近江商人を地で行く人物だと評価していたのにガッカリである。
日本に戻リあっという間に7年が過ぎた。
いろいろあるが、あらためて日本のスゴイところに気付かされる毎日である。日本は資源がないといわれるけれど、良質な資源ならたっぷりある。「日本人そのもの」である。特別な人達がスゴイというのではなく、普通の人たちがスゴイ。しかも高いモラルと知識レベルを維持している中間層がとても厚いのである。
先日「国際成人力調査(PIACC)」の結果が発表された。日本では「大人の学力」と呼ばれたりするが、本来なら「大人の能力に関する国際評価」とでも称すべきかもしれない。対象国はOECD諸国の24カ国、いわゆる先進国と言われる国々である。その結果、日本は全3分野でいずれもトップの成績であった。
読解力(Literacy)
1位 日本
2位 フィンランド
3位 オランダ
4位 オーストラリア
5位 スウェーデン
12位 韓国
15位 ドイツ
16位 アメリカ
数学的思考力(Numeracy)
1位 日本
2位 フィンランド
3位 ベルギー
4位 オランダ
5位 スウェーデン
12位 ドイツ
16位 韓国
21位 アメリカ
ITを活用した問題解決能力
(Problem solving in technology-rich environments)
平均点の分布(16〜65歳)
【引用:文部科学省 PIAAC】
分野のうちどれかひとつが1位でも大したものだが、3分野すべてにおいて1位というのが世界を驚かしている。この調査では同じ科目を年齢別、学歴別、職業別ごとに比較しているが、日本はどの切り口で見ても常にトップクラス。ふつうの人が偏らずまんべんなく知識レベルが高いといえる。特に平均より上位にある国がだいたい人口数百万人クラス(例えばフィンランドは541万人)なのに対し、日本は1.27億人もいる。それなりの数のふつうの人のレベルが高いのが日本の高いポテンシャルを裏づけている。
戦後、GHQなどが「日本人が二度と立ち上がらないよう自信をつけさせてはならない」という政策を行なったもわかる気がする。だけどいささかやり過ぎではないのかとも思う。そのGHQやその威を借った中韓に毒された反日的日本人は、いまなお元気に内鍵を開け続け、おかげで国力国益ダダ漏れ状態である。
そんなふつうの国なら捕まって国賊扱いされるような人たちも、この国では平和に暮らしていける。これもまた「三方良しの精神」という日本の特徴なのだろう。
あと、台風や地震などこんなにも天災が多いのに、粛々とこれを受け入れ、対策しているところも外国人から見れば凄みを感じるようである。
「台風、また来襲(来週)」みたいな。
■ 本の紹介
- 作者: 小林敬幸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/10/18
- メディア: 新書
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友人であり仕事を共にする「らくちんさん」の本が出版されました。いつもセンスいい仕事をするなあと思ってたけどこうして読むと、なるほどうなづけますね。できるだけ多くの人に読んでもらいたいです。おすすめ。
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