朝注文するとその日に届くアマゾン。
配送料も無料なので、よく使う。
本はもちろん、カメラや掃除機、電池、パンツ、ミネラルウオーター、入浴剤、歯磨き粉、ちびきち用のフリスビー・・。生活に必要なものはバナナ以外、ほとんどアマゾンで注文している。友人に話すと「ばかじゃないの!ポイントもつかないのに!」といわれる。こないだ、購入履歴をチェックしてみるとけっこうな額であった。たしかに ばかかもしれない。
届けてくれるのはヤマト運輸のお兄さん。
すっかり顔なじみである。いない時が多いのでたいてい不在通知がポストに入っている。それを見ながら電話をする「もしもし」。「あー、なおきんさんですね」住所どころか名前をいうまでもない。もはや声だけでぼくだとわかるのだ。どんだけなじみなのかと。届けに来るたびちびきちには、あいかわらず吠えられてるけど。
米アマゾンがAmazon Prime Airなるサービスを発表した。
なんと無人ヘリをつかい、配送センターから30分以内で荷物を届けるという。5ポンド(2.3kg)までの荷物なら搭載可能で、アマゾンが出荷する86%はこれ以内でカバーできるという。2015年の実用化をめざすということである。
実現の可否はともかくとして、想像するとなかなか楽しい。
南の上空、黒い点。きっとあれがそうだ。注文したぼくのパンツを運ぶアマゾン無人ヘリである。黒い点はだんだん大きくなり、こちらへと近寄ってくる。おそらくGPSであらかじめ位置情報がインプットされているのだろう。住宅地を超え、迷わずまっすぐこちらへやってくる。頼もしい。だが問題は風だ。途中、だんだん向かい風でひどくなり近づけないでいる。ゆらゆらと煽られては体制を整え、それでも賢明にこちらへ向かってこようとする。その姿はとっても健気である。ついにはあと30mほどまで近づいた。
だが突風にあおあられ数十メートル離される。「がんばれ!」と声が出る。パンツのはいった箱が前後左右に揺れている。パンツも一生懸命なのだ。風なんかに負けるんじゃない。そのうちポツリ、ポツリと雨まで降ってきた。しまった!「雨天の場合、お届けは翌日にさせてもらいます」と規約に書いてあったのを思い出す。無人ヘリは雨を感知するとくるりと方向を変える。無人だけにここは無慈悲である。それからこんどは追い風に乗ってすいーっともと来た方角へ飛んでいってしまう。来るときと比べ、この逃げ足の速さはいかがなものか。ああ、入魂の勝負パンツ。決戦は今夜だったのだが。
アイデアはおもしろいが、日本での実現は難しい気がする。電柱や電線が張り巡らされているし、集合住宅には不向きである。不在だった場合の対応や、どうやってドアベルを鳴らすのか。本人確認をどうするのだろう。ヘリごと盗まれる可能性については・・・
などなど、できない理由をあげればキリがない。そんなこと、米アマゾンにだってとっくに想定しているはずである。その上でこの発表。不可能を可能にするのがアマゾンの、そもそも企業の役目。イノヴェーションなき企業は、遅かれ早かれ消える運命にあるのだ。
たまに河川敷でA.R.Drone ヘリを飛ばす。
飛ばしながら、これはいろいろ使えそうだなと思う。監視カメラの役目をしたり、広い駐車場の車を誘導したりなど、いささか貧相な想像力ではあるけれど、考え出すと止まらない。だからこれをペリカンか伝書鳩の役目をさせられないか?というのは自然な発想かもしれない。
ちなみにちびきちの体重は5ポンドである。
Amazon Prime Air 動画
最近のコメント