報道しにくい特定秘密保護法案の賛成意見

テレビをつければ国会前で大騒ぎしている人たちが大写し。民主主義を守るための使者として怒鳴り声を上げるが、品位はひとまずおいた形だ。そのうち道に座り込み、そろって寝転がりはじめる。日頃の運動不足で疲れたのだろうか。いやワザとのようだ。これはさすがに邪魔で迷惑である。石破さんのように「テロ」と呼びたくもなる。韓国や中国の反日運で大騒ぎしている人たちの顔がこれに重なる。耐えられずテレビを消した。山本太郎などは「採決させないよう国会前にピケをはれ」などとツイッターなどで扇動していた。彼が参議院議員だということが今でも信じられない。

法案が可決した12月6日を「民主主義が死んだ日」として、うやうやしく『民主主義』と書かれた遺影をもつパフォーマンスがみられる。多数決で決めるのはりっぱな民主主義だと思うが、「あれは強行採決だから無効だ、撤回しろ」という。


特定秘密保護法案に反対する人たちの座り込み(寝込み)


▲ 典型的な韓国の抗議デモの座り込み。スタイルがそっくりである

法案に反対する朝日新聞がネットアンケートを実施している。これによれば、今日現在で「法案に賛成する」が「法案に反対」の5.7倍もある。庶民の感覚は、新聞が報道しているのとずいぶん違う。


朝日新聞デジタルで公開しているリアルタイムアンケート(画面は2013.12.09)

世論誘導しづらい世の中になった。その点は新聞社に同情する。だが、庶民の感覚をナメてはならないという教訓にすればいい。だが朝日新聞がしたことは学者を集めて反対声明をだすことであった。一部を紹介する。

特定秘密保護法は、指定される「特定秘密」の範囲が政府の裁量で際限なく広がる危険性を残しており、指定された秘密情報を提供した者にも取得した者にも過度の重罰を科すことを規定しています。この法律によって、市民の知る権利は大幅に制限され、国会の国政調査権が制約され、取材・報道の自由、表現・出版の自由、学問の自由など、基本的人権が著しく侵害される危険があります。

さすがはプロというべきだろう。
だが根拠とする前提がむりやりな感じだ。そもそも今回通ったのは「特定秘密を漏らした者を処罰する(22条)」というもので、百歩譲って「知る権利」つまり特定秘密を聞いたり知った時点では処罰されない。いまも「特別管理秘密」は42万件ほどあるが、これを特定するルールもなければ公開ルールもない。だから関係者内で勝手に決め、見せたり見せなかったりした。民主党政権時代、尖閣領海内で中国漁船の激突するところのビデオを公開しなかったのもこの欠陥をついたものだ。そのうえ軍事秘密を中国に漏らした者を罰する正式なルールもなかった。問題があるとしたらこっちだろう。

法案に反対し、国家秘密を漏らすことまで言論の自由とするなら、そのことで得をするのはいったい誰だろう? あんがい「スパイ」なんかがそうかもしれない。ただでさえ「日本はスパイ天国」と言われる。拉致事件もそうした中で起こった。つくづくこの国が不思議なのは、スパイ活動にじゃまになるような法案が出るたびに激しく反対する勢力がでるということだ。住基ネット通信傍受法案などもそうだった。おかげでいまだに国民ID制が強制でない。本人確認がしづらく、納税確認も直ちにできない。だから生活保護を受給しなくていい人がしていたり、受給する必要がある人ができなかったりする。こんなの主要国の中では日本だけである。

政権発足前から「安倍は日本を暴走させ戦争へと突き進む」として、ネガティブキャンペーンをしていたのは大マスコミや野党、市民運動家たちであった。だのに発足以来、日本経済は持ち直しつつあるし、安全保障施策、外交施策も戦略通り進んでいる。経済政策や安全保障についての海外からの評価もまずまず。これに比べ野党のダメっぷりはどうだろう。そこにもってきて特定秘密法案の可決。必要な法案なのはわかるがいささか拙速に決めすぎたのでは?という批判もある。ぼくもこれには同感だ。政府としては、さっそく1月7日から国家安全保障会議NSC)が各国間で行なわれるので、「日本は秘密漏洩防止策がある」という担保を得ておきたいという焦りがあるのかもしれない。

もとより安倍政権を快く思っていないのは中国、韓国、北朝鮮。これまで比較的自分たちに従順だった日本が変わりつつあることに、苛立ちを隠せないでいる。そんな彼らといわゆる法案反対派との利害が一致しているようにみえるのはおそらく気のせいだろうが、もしかしたら気のせいじゃないかもしれない。

だとすれば秘密保護法案どころか国民に真実を隠し言論統制を行なったうえに、秘密を漏らしたものは国家反逆罪で処刑している国と利害が一致することになる。笑えない冗談だ。

6 件のコメント

  • 私は選挙では自民党に投票しました(民主党がクソだったので)が、今回の特定秘密保護法案には反対(に近い)立場です。
    だからこの多数決と民意は=ではないので、きちんとした線引きも見えないまま、まともな審議もせず強引に強行採決する姿には不信感を持ちました。
    を持ちました。
    何故こんなにも強引に急いで決めたいんだろ〜?と裏を勘ぐりたくなります。
    例えばこれが「電力は全て原発にしよ〜」とか「明日から消費税100%〜」みたいなヒドイ内容の法案でも、
    選挙で選ばれた人達の中で多数派ならばそれを対話無く強引に強行採決し、それを民意で民主主義なんてちゃんちゃらおかしいです。
    反対っぽい意見で申し訳ないです。

  • 多数の日本の上場企業の情報管理に関わっていた者として、この法案には賛成です。とにかく日本的感覚は 「脇が甘い」 ので、ある一線を引くのは良いことだと思うのです。ただ、日本人は 「大人子供」 なとこ多分にあります(自分も含めて・苦笑)ので、大人子供ってバランス感覚に欠ける、というか 「大人の緊張」 を維持できないレベルでもあるので、子供に銃を与えるような心配が残ります。いずれにしても、何事にも大上段に構えないと事が進まないのは 「後を追う者の宿命」 なのかもですが ...

  • 私もこの法案(もう法になってしまいましたが…)には反対でした。
    ただ、こういう悪法がこうも短期で成立してしまうような社会だということが分かったのは、とても示唆に富んだ経験だったと思っています。

    この法の一番の問題は、外部のちゃんとしたチェック機関がないところで、政府側の一部の人間だけで「特定秘密」が指定できてしまうことそのものだと思うのですが…。
    公約で一切触れることもなかった法案を、政府が恣意的に運用することが可能なままの状態で、最大派閥だからというだけで短期に採決するのは、どう考えても民主主義とは思えないです…(私も反対意見のようで申し訳ないのですが…)。

  • 私はこの法案に対してやや賛成という意見です。ややというのは、まだ不勉強の部分もありきちんと把握していないからです。
    国として秘密があるのは当然でしょう。個人にもあります。同盟国に対してならまだしも、非同盟国に対しても国のすべてを見せてしまうのはいかがなものでしょうか?

    朝日新聞に関しては、慰安婦問題もそうですが、過去にはサンゴ礁に傷をつけて記事をねつ造したこともあり、信用していないので気にもしてませんが・・・

    最近の中韓の言動を見ていると、いままで日本はなめられていたんだなと思う。これから、いわれ無き中傷がなくなるように少し強くなる必要があるんじゃないでしょうか?

  • 初めましてこんばんは!
    いつも楽しみにしています。(コメント…緊張するぅ..)

    このエントリーのお陰で反対デモを見たときに感じた奥の方からくるような気持ち悪さ、納得できました。
    外国の方(ぽい方)だったんですね。
    外国の光景だと思うと気持ち悪くないので、
    日本らしくないために違和感を感じていたようです。

    しかしマスコミが民意を法案反対へリードして行きたかったのだとすれば
    あれの反対デモ放送しない方が良かったです(´・ω・`)

    政治に興味のない層はマスコミの意図とは逆に、反対派へ嫌悪感を持つと思います。
    十中八九、女性はドン引き。
    高速で視聴者の心が離れてく音が聞こえるようでした。
    マスコミは下手ですね。

    先日の安倍総理の記者会見もこの法案の件になると民放各社一斉にCMに切り替えたそうで、マスコミへの不信はつのる一方です。

    「強行採決」という言葉にも違和感がありまして、「多数決」は「強行」と言えるのかな?
    むしろ反対派が行った時間稼ぎや座り込みやその扇動や罵倒したりする様こそが「強行」でした。
    マスコミのみなさん、日本語不自由なんでしょうか?

    ちなみに私は賛成です。
    デモが気持ち悪かったからではなく、犯罪者以外にはなんら影響のない法案だと思ってます。
    竹島を不法占拠されている、尖閣を狙われている、捏造された歴史を吹聴されている、この状況で、今のまま赤ん坊のように無防備であること自体、正気の沙汰ではないと思っています。
    あと、このマスコミの日本ぽくないところが「このままじゃいけない」っていう気にさせるのです。

    (なおきさん、いつも興味深い記事、ありがとうございます。では。^^ノ)

  • こんにちは、なおきんです。
    今回のコメント返しはちょっと長め。すみません。昨夜記事をアップした後、書きました。結果、記事に1時間、コメント返しに2時間かけるという結果に!まあかつてのイラ写はこんな感じでしたけど。
    ——————————-
    ミルクさん、一番ゲットおめでとさまです!
    反対意見、ありがとうございます。意見が相違するのはとても自然なことですからね。新聞紙上でもよくみられる「まともな審議もせず強引に」「対話なく強引に」部分は、ちょっとひっかかりますが、まあ解釈によってはそういう側面もあるかもしれませんね。急いだのは東アジアの状況が急変していること。それによって各国が安全保障上重要な機密事項をやり取りせねばならないことが挙げられると思います。新聞(特に朝日、毎日)が書いているのはあたかもこの法案を「国民を監視する」ために作ったような言いぶり。あくまでも安全保障上で国民の命と財産を守るため、であることをどうしても認めようとしないところに、ぼくは強い違和感を持っています。これからもご意見お待ちします。
    ―――――――――――――――
    昔の同僚さん、
    先日、米EMCが世界16ヶ国の企業を対象に情報セキュリティ対策の事故評価を発表しましたね。結果はなんと日本がビリ!「脇が甘い」というのは国も民間も、というか日本人の性善説に基づくものなのかもしれませんね。まあ「天真爛漫」「大人子供」という良いんだか悪いんだかな、同僚さんの特性を見る想いがしますが、いえいえどうしてなかなか堅牢な考えをも持ち合わせていた記憶も、ちょっと(笑)あります。
    ―――――――――――――――
    tanakaさん、
    反対意見ありがとうございます。持たれている不安要素はとても理解できます。おっしゃるとおりチェック機関の不備については、これからしっかり作ることが肝要だと思いますし属人的に承認したり却下できないよう、客観的かつ合理的な照査も必要ですね。でも「特定秘密」の定義は第一条にしっかりうたってあります。「第一条 この法律は、我が国の安全保障(国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家及び国民の安全を保障することをいう。)に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、その漏えいの防止を図り、もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的とする」まあ、基本的には軍事事項や安全保障に関する範囲です。これを文化人や学者は「表現の自由を奪う」などといいますが、ぼくにはなにをどうすれば表現の自由を奪うのかわかりません。また罰則の定義は「第二十四条 外国の利益若しくは自己の不正の利益を図り、又は我が国の安全若しくは国民の生命若しくは身体を害すべき用途に供する目的で、人を欺き、人に暴行を加え、若しくは人を脅迫する行為により、又は財物の窃取若しくは損壊、施設への侵入、有線電気通信の傍受、不正アクセス行為その他の特定秘密を保有する者の管理を害する行為により、特定秘密を取得した者は、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する」とのこと。ようするにスパイ防止法を代用するものです。ある日ブロガーが不当に逮捕され、罰則を受けるなどと評論する文化人がいましたが、これもよくわかりません。もちろんこのブロガーがスパイ活動をしていたのなら別ですが。長い引用ですみませんでした。寝る時間を惜しんで全条文を読んでみましたが、反対している団体の一部にはなにかこう、論点をずらして批判しているのが気になるところです。長くてごめんなさい。
    ―――――――――――――――
    おととさん、
    とても素直な考え方だと思います。まさに「日本はなめられていた」に尽きるかもしれません。GHQの占領政策からこっち、日本を弱くしておくために独自の諜報機関を持たせなかったり、平和主義を堅持するという名目で普通の国にはあたり前に持つ危機管理機能を怠らし、必要あれば米国がこれを受け持つからお前らは考えなくてよろしい。というものでした。しだいに米国はこれらの機能を日本に戻し、そのための情報共有をするさいに「秘密を漏らさないよう」法整備をすすめさせたという背景もあります。中国や北朝鮮はこれを逆手に取り、工作員を盛んに送り込んでコミンテルンを醸成しました。マスコミに一部そういった分子が存在するのは否めません。韓国は自分とこの国政の欠陥の端を常に日本に求め、応じさせてきました。民主党時代はだいぶ計画が進んでいたようですが。民主党は、人権救済機関設置法案(人権擁護法案)というどんでもない法案を、通そうとしてましたからね。通っていたら相当な禍根を残し他に違いありません。だのに日本のマスコミは産経以外、すべて無視してましたから。なめられてます。コワイほどに。
    ―――――――――――――――
    ちかさん、
    どうかコメントするのに緊張しないでくださいね。そもそも「お気楽ブログ」なので。ちかさんが感じていらっしゃるように、反対デモの様相は韓国で見られるものとそっくりです。沖縄米軍基地移設やオスプレイ配備反対デモなども。古くは「つくる会」の教科書採用反対デモなどもそうでした。プロ市民運動家たちは、ある種の興業団体のようにデモをして資金稼ぎをしています。似てくるわけですね。マスコミは自分の都合のいいことばかりを報じ、それこそ事実をねじ曲げてでも報じますが、意に反するものはたとえどんなに国民が知る必要があることもカットしてきます。ぼくたち国民が監視すべき対象は国家でなく、こうしたマスコミなどのメディアなのだと強く思うところですね。

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    なおきんプロフィール:最初の職場はドイツ。社会人歴の半分を国外で過ごし、日本でサラリーマンを経験。今はフリーの立場でさまざまなビジネスにトライ中。ドイツの永久ビザを持ち、合間を見てはひとり旅にふらっとでるスナフキン的性格を持つ。1995年に初めてホームページを立ち上げ、ブログ歴は10年。時間と場所にとらわれないライフスタイルを めざす。