ブログ開設から今日でまる9年になった。
明日から10年目を迎えることを機に、ふだん読み返すことはない開設当時(2005年)の記事をおそるおそる覗いてみる。ひっ!とても正視に耐えない。耐えられないところをじっとこらえ、当時のアクセス解析をみると、それでも一日数十アクセスあった記録がある。それが3月終わりから4月にかけて、3ケタにのびる。アクセスはその後も増えつづけ、4ケタに届いたのが5月。この頃になってようやく「他人が見てもだいじょうぶ」なレベルに到達したのだろう。お店は賑わいはじめ、更新は毎日おこなった。仕事も佳境で、過去もっとも寝なかった時期である。
生活の場が香港から東京に移るタイミングで「東京イラスト写真日誌」を開設。いまのイラストと文章スタイルになったのは、2007年以降である。このころはまだスマホなんてものはなく、9割がPC、1割がケータイでアクセスされていた。画像もヨコ300ピクセルの小さなもの。いま見るとさすがに小さい(現在は500ピクセル)。更新は2〜3日に一度のペースで数年間。こうなると通勤や朝晩の歯磨きにも似てくる。力まず、さりとて手を抜かず・・・更新が習慣となるまで3年は必要な気がする。さらに10年経てば、無意識でそれを行えるようになるのかもしれないが、それはまだ先の話である。
ブログの更新は孤独な作業である。
ゆえにコメントやメール、いいね、ツィート、ブックマーク・・という読者の反応はブログのライフラインである。これらなくしてはイラ写は息途絶える。どの記事もコメント欄のためにある、というのがぼくの考えだ。このことは毎年、今日を迎えるたびに強く認識する。
イラスト写真日誌の「日誌」について。
ごくたまに「なぜ日記でなく日誌なのだ?」と質問をもらう。あまり深い意味はない。しいていえば「日記」は個人の思いやプライベートな記録がメインであるのに対し、「日誌」はそれより客観的で公的な要素が含まれる。みなそれぞれ解釈があるだろうが、ぼくは「他人に見られることが前提なんだから日記じゃダメだろう」と思った。
イラスト写真日誌の「イラスト写真」について。
このブログの看板である。開設当初は前述のとおり「イラストのような写真」を一枚。ただそれだけだったが、途中ペンタブレットを用いて、手描きイラストをレイヤーに追加するスタイルに進化させた。一枚生成するのに平均4枚のレイヤーを重ねている。「それがどうした?」みたいなイラストだが、ムダに手間がかかっている。たかがイラスト、されど看板というわけだ。
それにしてもソフトウエアの進化はすさまじい。写真をイラストのように加工するソフトはずっと昔からあったが、ソフトウエアが何十万円もしたし、手間もかかれば技術も要した。それがいまじゃ、スマホで撮って片手でちょいといじればカンタンに、かつまともな作品をこしらえることができる。
そこで、二つほどアプリを紹介する。
これまでイラ写でアプリを紹介することはめったになかった。でも「写真のようなイラスト」をだれでもカンタンに作れるおすすめアプリとあっては、しないわけにはいかない。300円。スタバのコーヒーを一杯を我慢すれば、めくるめく写真描画の世界にひたれることうけあいである。
■ 撮った写真を水彩画に「ウオーターローグ」 “Waterlogue“
日本人なら小学生以後だれもが経験している水彩画。苦手な人もいたかもしれない。ぼくもそのひとりだった。おとなになってから嗜んだりもしたが、ずいぶんと奥が深いことに気づく。だけど道具がいるし、汚れもする。このアプリはだれでもカンタンに水彩画が描ける。いや、写真を水彩画風に加工することができる。かつてあらゆる画像ソフトを使ってきたけれど、このアプリほど使えた記憶はない。操作も直感的でわかりやすい。おすすめです。ぼくだけじゃない。多くの利用者がおすすめしてます。
▼たとえばこういう写真が
【ウクライナホテルから見おろした独立広場:キエフ、ウクライナ】
▼水彩画ではこうなります!(加工時間約20秒)
*脚注:2014年2月18日現在、まさにこの場所でデモ隊と治安部隊のはげしい衝突があり、何十人も死亡する事態とのニュースがはいってきました。昨夏訪問したときはとても平和な市民や観光客の憩いの広場だったのに・・。バリケードを張り火炎瓶が投げられ、銃撃される治安部隊。広場は炎と煙に包まれ内戦のような景色の写真も見ました。一日も早く治安が回復しますよう祈ります。
▼こんな風景は
【市庁舎:リヴィヴ、ウクライナ】
カンタンだから、どんどん加工してみる。
【リヴィヴ、ウクライナ】
【クタイシ、グルジア】
【リヴィヴ、ウクライナ】
【安ホテルの階段:リヴィヴ、ウクライナ】
【歴史博物館:エレヴァン、アルメニア】
【市庁舎広場で:リヴィヴ、ウクライナ】
■ 合成写真がカンタンに「クローンカメラプロ」“Clone Camera Pro”
同じ人が二人、いや三人いる!そんな写真におどろいた。そんな話も今は昔。かつて特撮とまで言われた合成写真はプロでないと作れなかったが、いまや個人レベルでカンタンに作れる。それでもPCやMacの画像処理ソフトで行うには、少々助走が必要だ。そこでアプリ。その場で撮って、その場で加工。その場でアップ。タイマーを使って撮影し、最高6枚までの合成写真がサクッとできる。
さらにクローンカメラプロで合成した写真を、ウオータローグで水彩画加工してみた。ここまで作るのにかかった時間は2分だけ。さらに手を加えてプロ並みにもできるのだろうが、ぼくはまず、たったの2分でこれだけできることにこそアプリの醍醐味がある気がする。スマホ一台で完結するところもいい。
こうなるともうすっかりアートである。
見ようによっては、写真よりリアルですらある。
悪ノリして、もう一枚!
というわけで、イラストと写真の掛け算は今後ますます面白くなりそう。本家イラ写も負けず、これからも精進していきます。変わらぬご愛好をどうぞよろしくお願いします。
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