夕方になると甘いものが欲しくなる。
疲労がたまるから? もしくはストレスがたまるから? あるいは両方? 折からのこのご時世、なかなか悠長に構えていられない。 ストレスは増えることはあっても減ることはなさそうだ。同じ職場のジェイに至っては、ストレスを感じるたびに近くのコンビニで在庫処分中のシュークリームを買い込んでくるものだから、お店の人にずいぶんとありがたがられている。
ともあれ、脳が疲れてくると糖分補給が必要である。
だれもがそういうから、つい「甘いものでも」と口にしてしまいがちだ。実際のところ、脳は一日400キロカロリーものエネルギーを消費する大食いの臓器なのだ。 ならば、甘いものの摂取は脳の栄養補給にもってこいのように思える。
てなことから、「疲れた脳にいいから」と言い訳しつつ、ダイエット中なのについチョコレートを食べたりしていないだろうか?
脳に充填されるカロリーの大部分はブドウ糖からなる。 このブドウ糖、食べ物に含まれるデンプンが酵素から切断されて出来ることは周知の通り。
けれども意外に知られていないのは、でんぷんがブドウ糖に変わり血糖値を上げるまでのスピードこそが重要で、これがスローなほうが脳には良いということだ。
このスピードが速いと、血糖値が急激に上がることになり、結果として脳内で炎症を起こし神経細胞を殺してしまうんだそうだ。 神経細胞、である。 これが死んじゃうのだ。 よくわからないけどコワい。 おまけに急激に血糖値が上がると、これを下げようとインスリンが大量に放出されてしまうというからやっかいだ。 インスリンとはご存知糖尿病の治療にもつかわれるホルモン。 これが急激に血糖値を下げる役目を果たす。
血糖値が急激に下がっちゃうと脳への栄養が薄くなり、反動としてアドレナリンが放出されるのである。 アドレナリンが放出されると人間は怒りをもよおし、気分が悪くなる。
これがいわゆる「シュガーブルー」という現象だ。
「シュガーブルー」と聞けば、甘いものを食べ過ぎて後悔するイメージがわいたりすぐけど、実際には血糖値が急激に上下することで気分が悪くなる状態のことをいう。
ちなみに食品が血糖値を上げるスピードは、”GI(グリセミック・インデックス)”で表され、スピードが遅い(GI値が低い)方が脳を快適に維持するのに役立つといわれる。 代表的な食品ではこんな感じだ。
低GI食品 | 中GI食品 | 中GI食品 |
---|---|---|
(55 GI 以下) | (56〜69 GI 以下) | (56〜69 GI 以下) |
玄米ご飯、ライ麦パン、中華そば、豆類、葉野菜、キノコ類、キュウリ、ごぼう、オレンジ、リンゴ、ぶどう、イチゴ・・・ | そば、パスタ類、さつまいも、バナナ、パイナップル・・・ | 白米、白パン、もち、うどん、スイカ、人参、カボチャ、ジャガイモ、トウモロコシ・・・ |
【参考資料:ダイエットナビ】
中華そばが良くてうどんがダメというのも面白いし、ごぼうがよくて人参がダメというのも興味深いですね。
とにかく「脳への栄養補給には糖がよい」からと、チョコやケーキなどをがつがつ食べるのはむしろ逆効果というわけだ。
脳が疲れたらリンゴをかじる
というあたりでガマンしておきましょうか。
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