大手メディアが麻生政権を批判するたびに、ぼくは麻生さんはけっこうまともなことをやってきたんじゃないかと思うことがある。
日本は誰が首相をやっても、その是非はともかく、国が転覆するような大きな変革は起こらない。 首相なんて、なんだか子会社の社長のようだ。 国の舵取りをしているのはもっと上層の人たちである。
麻生さんも例外ではない。
ひとりの首相がこの国を根底から変えることは、まずない。
それでも麻生さんがやったまともなこと。
ぼくが知る限り、2つある。
ひとつは「不正競争防止法の改正」の成立。
はやい話が、産業スパイを摘発することが出来るようになったのだ。 信じられない話だけど、日本は戦後から今日まで、スパイ防止法というものがない。 戦争放棄とともに、スパイを取り締まるという、普通の国家ならあたり前に持つ権利をも放棄してしまっていたのだ。
たとえば中国などのスパイがやってきて、日本からハイテク技術や著作物をコピーしようが、横取りしようが、まともに摘発できなかったのだ。 結局、その技術を駆使したミサイル兵器が日本のほうに向けられていたりするから、笑えない冗談だ。
ともかく、この法案の成立でいちおうの歯止めが出来た。 スパイ防止法の成立ではないから完全とは言えないまでも、日本のハイテク産業を守り、日本を救ったと思う。
もうひとつは「与那国島に自衛隊を配備」したこと。
ただの監視部隊だから戦闘能力にゼロに等しいものの、このことで日本ははっきりと周辺諸国に「日本は固有の領土を守る意思」を示したことになる。 竹島にせよ尖閣諸島にせよ、他国に不法占拠されてもほとんど何も言えなかった外交。 これを支援する形となった。
まともな国のやる外交とは、抑止力としての軍事力に裏打ちされているものだ。 戦後日本の外交が苦戦していたのは、平和憲法に陶酔するあまり抑止力を有効に使えず、カネだけで外交をやっていたからだ。 与那国島の自衛隊配備は小さな一歩であるけれど、まずは前に進めたことに意義があるように思う。
まるで国民の総意のようにマスコミは麻生おろしをあおっていたけれど、そのことは麻生さんが周辺諸国になにか都合の悪いことをしようとした証拠とだと、ぼくはみる。 大手メディアは、行って欲しくない場所に世論を誘導しないからだ。
選挙の結果がいずれにしても、ぼくはこのふたつの置き土産が新政権によって頓挫、または撤回されないかどうか、注意深く見守っていきたいと思う。 そうでなくても鳩山さんは、あまりに頼りない。
でもしょせんは「子会社の社長」なのだ。
頼りないくらいがちょうどいいのかもしれない。
カタイ記事でもうしわけないです。 たいくつだったあなたには、ちびきちが癒してくれるかも?
△ 2009年8月のちびきち(生後26ヶ月)
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