わりとどうでもいいことを、一生懸命考えたりする。
たとえば電車の中。
この車両の中でいちばんの美人は? イケメンは? 最も年収が高そうな人は? 失恋したばかりの人は? 幸せな人は? などと、人間観察にしばし意識を絡みとられる。 最後にはその人の家族構成や幼少時代にまでさかのぼったりと、妄想はときに暴走しかけたりもする。
とにかくまあ「この中でいちばんはダレ?」的な自問自答は、けっこう病みつきになるものだ。 飲みの席や教室で、仲間うちで盛り上がる話題のひとつだ。
ソロになったとたん売れなくなった芸能人は少なくない。 例えば「モーニング娘。」の後藤真希(旧メンバーですみません)。 大勢のメンバーの中にいれば、本来スポットライトがあたりにくい。 ソロになれば、それを独占できる。 メンバーの中でもっとも人気のあった彼女なら、当然売れまくるに違いないと思われがちだ。
ところがそうではないのである。
ぼくはある種の確信を持って思うのだけど、ファンというものは、ひいては人の心理というものは、自分の嗜好を常に表現していたいものである。 モーニング娘。なら、メンバー全員のなかからひとりを選び、「ぼくは矢口ちゃんが好き」「おいらは名護ちゃんが好き」(合ってたっけ?)などと言ってみたいのである。
一定の枠の中からあなたの「いちばん」を選ぶのは、すなわち個性の表現による発露である。 自己表現欲である。 「自分はこういう人間である」ことを他人にわかってもらいたいとする欲求であると、ぼくは思う。
たとえばAppleのiPod nanoや、Softbankのケータイ。 あれほどの色をそろえたのはほかでもない。
△ 新型iPod nano のカラーバリエーション
「あなたのベストな色」を選択させることで、消費者の自己表現欲を満たそうとしているのだ。 「私の好きな色はコレ!」といい、周りの人に自分がなぜその色を選んだかまくしたてるひともいる。 しかし選ばれる色というのは偏るものだ、だから当然「捨て色」というのがある。 結局のところ売れる色はオーソドックスなものである。 でも、売れないとわかっている色もあえて出す。 本屋では売れない本の書だなが用意され、ブティックにもちゃんと売れない商品のコーナーがある。 売れない商品をあえて陳列することで、売れ線商品がさらに売れるという案配である。
△ Softbank802SHモデルのカラーバリエーション
イケメンがひとりで歩いているより、個性豊かな他のメンバーと4人、5人で歩いているほうがカッコ良く見えたことはないだろうか。 ひとりだとブサメンなのに、他のイケメンと一緒にいると「引き立て役」どころか、なんかちょっとカッコ良く見えたりしないだろうか。
それは錯覚ではない。
「補完の関係性」がもたらす成果である。
キムタクだってSMAPでなければあそこまで売れてなかったはず? 深いですね、自己表現欲
△ 「女性のアゴを軽く指で持ち上げるシーン」の画像を上記のように修正しました。どうみたってケンカをうっている感じを払拭したかったんだけど、修正後もたいしてかわんないや。う〜ん、むつかしいもんですね。プロの漫画家さんはやっぱすごいや!
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