「のぞくな」と言われればのぞきたくなるし、
「あけるな」と言われれば開けたくなる。
たいして欲しくもなかったのに、売り切れたとたんに欲しくなる。
買おうかどうしようか迷っていた商品が品切れになれば、
いますぐにでも欲しくなる。
入手が難しいレア物に人気が集まるのも、同じ心理だろう。
どうやら人間は選択の自由を奪われると、
それを取り戻そうとする生き物であるらしい。
心理学ではこのことを『心理的リアクタンス』という。
好きな仕事も「強制」されたとたんにやる気を失ったり、
欲しい商品でも店員から押し売りされると
急に欲しくなくなったりしたことはないだろうか?
ぼくにはある。 このブログにしたって、他人から強制されれば、
きっと更新する気がなくなってしまう確信がある。
イラストにしてもそう。
だからぼくは好きなことは仕事にしないと、そう決めている。
もっともこんなイラストじゃ食べていけないのだけど
恋人、伴侶、仕事、そして人生・・・
選択したとたん魅力を失い、選ばなかったほうがよくみえる。
選んだ瞬間、他の選択肢を捨てることに未練が残る。
これも『心理的リアクタンス』がなせる仕業だ。
どれかひとつを選ぶのは、他の多くの選択を捨てること。
そのことでストレスを感じやすいのは
『心理的リアクタンス』の強い人。
優柔不断の原因でもある。
「選ばない」という選択も今の世の中なら可能である。
恋人を作らない、結婚しない、就職しない、それも可能で、
そうしない人たちは世界中で確実に増えているのも事実だ。
けれども「選ばないまま」でいることは、
時間が経てばたつほど「選択肢を失う」ことでもある。
結婚しかり、就職しかり。
人生は無常であり、無情でもある。
過剰な『心理的リアクタンス』はその人を不幸にする。
戻らない過去にいつまでも悔やんだり、
他人ばかりうらやんでいる人はこの傾向が強い。
思い当たるひとは、どうかこれに縛られないよう注意ください。
自分の選んだことはすべて正しい。本道である、と信じる。
決断を先延ばしにすることは、選択の自由を奪うだけである。
人生は選択と決断の連続である。
起こったことはすべて正しく、
あなたの選んだものは、それだけで正しいのだ。
過去に縛られ、前に進めないあなた、がんばって!
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