気になるニュースが目白押しである。
ギリシャ暴動、バンコク暴動、メキシコ湾原油流出、それから「中国海軍ヘリによる自衛隊護衛艦の接近」事件である。
防衛省は22日、キロ級潜水艦2隻など中国海軍の艦艇10隻が同日午後0時半ごろ、沖縄本島と宮古島の間の公海を北西へ通過したと発表した。今月10日にほぼ同じ場所を南下、太平洋上で訓練を展開していた中国艦隊が、訓練を終えて戻る途中とみられる。一連の活動中には、中国海軍のヘリが2度にわたり、監視中の海上自衛隊の護衛艦に至近距離まで接近する事態も発生。中国側の意図は−−。【毎日新聞】
一度ではない、二度もである。 最初は8日、護衛艦「すずなみ」に対して。 二度目は21日「あさゆき」に対して。 しかもヘリの乗員はカメラを構え、その横で別の乗員はビデオ撮影をしていた。 おまけに哨戒にあたっていた海上自衛隊所属のP3C哨戒機を狙って、中国護衛艦の速射砲照準を合わせていたという。
これはもう、威嚇行為である。
中国海軍はこんなところでいったい何をしていたのか?
待てど暮せどその答えはテレビや新聞ではまったく報道されない。 疑問を呈する人間もいない。 ひどいもんである。 芸能人の誰とダレがつきあっていようと別れようがぼくたちの生活になんの影響もないが、今回の事件はちがう。 放任していれば日本の国力が、ぼくたち日本人の利権が、大きく損なわれるほどの大事件である。
一般紙で書かれないからあえて書く。
近年の中国の軍事力増大はすさまじいものがある。 日本にとって驚異なのは、日本本土に向けられた核ミサイルと、なんといってもその海軍力だ。 中国政府は2010年までに「第一列島線」までの制海権をかため、続いて2020年までに「第二列島線」まで進出すると公言している。 【下図参照】
上の図にもあるように「第一次列島線」とは沖縄や台湾がすっぽり収まる海域である。 中国の野望を達成するには沖縄の在日米軍がジャマである。 海上自衛隊は日本政府が弱腰だからまともにはむかってこないとしても、沖縄にある在日米軍はそうはいかない。 普天間にある米海兵隊は敵にしたくない。 できればそこからいなくなって欲しい。もともと沖縄には反日勢力が強いが、これは偶然ではない。 中国の影響がちゃんとあるのだ。 「普天間基地」ばかりが取り上げられ、日米関係が揺れているだの、沖縄の人たちがかわいそうだのと、一方的な報道ばかりがされているけど、はたしてそれによって漁夫の利を得るのはどこか?
ずばり、中国である。
今回の事件が起こったのは沖ノ鳥島(おきのとりしま)周辺だ。 同島は日本本土から1700kmも離れた無人島だけど、ちゃんと郵便番号もあるれっきとした東京都である。 この島が重要なのは、そこに海洋発電にふさわしい環境が整っていることだけではない。 そこが日本領土であることを利用して、周囲半径200カイリものEEZ(排他的経済水域)が設定できるからである。 【下図参照】
中国からすればこれがジャマである。
この島さえなければ、あたりは公海として堂々と海洋調査ができる。 中国海軍も自由に行動できるし、調査の上詳細な海図が作られれば潜水艦の行動は飛躍的に拡大する。 つまり「第二次列島線」完成への目標に近づくということだ。
2004年になって中国は「沖ノ鳥島は島ではなく岩だ」といいはじめた。 あれが岩なら「領土」と呼べるか微妙である。 国際的にもEEZが認められなくなるだろうからだ。
「ひとの国の島を、かってに『岩』とかいうな!」
とちゃぶ台のひとつもひっくり返したくなるところである。 けれどもたしかにこの沖ノ鳥島は、長年の風化によって上部が削られ、満潮時には海面下に没してしまいそうだ。 これを防ごうと1988年以降、東京都は島の周辺に消波ブロックやコンクリートで護岸工事を行っているが、それにも限界がある。 そこで2009年11日は、ここに湾岸設備を建設することが決定された。 あまりにも知られてないけど。
▲ かろうじて陸地のある沖ノ鳥島
中国はそれに焦りを感じているのだ。
むかし調べたことがあるのだけど、中国はもともと沖ノ鳥島を爆破する計画をもっているらしいのだ。 とはいっても、さすがに中国もそんな乱暴なことはしないと思っていたのだけど、湾岸設備建設を発表した翌年に、いきなりのこの軍事行動である。
「日本なら威嚇しても抵抗してこない」
のは韓国の竹島の軍事占領でみてのとおりだ。 中国のこの度の行動は、このことをあらためて確認したといったところだろう。
切歯扼腕である。
日本政府はこれまで外国船がEZZ領海に入ってきても「お願いですから入らないでくださいね」と哀願するだけなのだ。 他の国なら拿捕や攻撃などの断固とした処置をとるだろう。 それが国家というものだ。 だから下手な冒険主義を抑え、戦争を未然に防いでいるのである。
「知らないうちに勝手に島が岩になっていた」
てなことにならないよう、ぼくたち国民こそがこの問題に関心を持たなければならないと思い、記事にしてみました。
しかも相手は中国、同盟国である韓国とはわけが違うのだ。(指摘を受けましたので修正します。日本と韓国は2010年5月現在同盟関係にありません)
今回の中国艦隊の活動がなぜ潜水艦部隊が中心だったのか?もしかすると衛星写真を撮られず、この島を爆破するための施策を考案しているからなのかも?
人気ブログランキングへ
外交は一筋縄では行かないもの。したたかに付き合うしかないのでしょうね。「大人は汚い!」なんていってられないのです。今回の記事はちょっとおカタイ内容だったけど、お付き合いくださってありがとうございます。できればポチッと応援クリックまでしてもらえるとさらにうれしいのですが
最近のコメント