iPadがわが家にもやってきた。
アップル製品の何が好きかといって、この「箱から製品をとりだす」というイベントだ。 そう、これは立派なイベントなんである。 ちょっとドキドキする。 女の子の服を脱がすにも似た、いや、それとはちょっとちがうけど、まあ興奮するのだ。
スティーブ・ジョブズ(いったいイラ写に何度登場しただろう?)は製品そのものだけでなく、そのパッケージボックスにも同じだけ気を配るという。 箱から製品をとりだすという行為はユーザー体験の重要な一画を占めるのだとして、決して手を抜かない。
客のハートをどうつかめばいいのか、わかっているのだ。
箱から取り出すiPad は、おくるみのような透明なプラスティックシートに包まれている。 意外と存在感のある重さ。 ひんやりとしたアルミニウムの高級感あふれる質感。 つるんとソリッドなガラスのディスプレイ。 この感触はユニボディのMac book のものと同じである。 2年前の秋にこれを手にしたとき、思わず添い寝したくなったことが思い出される。
2008年の夏にiPhone 3Gを使いはじめたことをきっかけに、自宅のパソコンはすべてMacに買い替えた。 Mac Book, iMac, Mac book Air, そしてこのiPad。 夢中で開梱しているうちに、わが家のアルミニウム度は増すばかりである。
▲ いつのまにかApple製品に囲まれる生活に・・
ちなみにこれら製品のすべてはジョナサン・アイブという英国人が率いるチームがデザインしている。アップルサイトの製品紹介ビデオでもすっかりおなじみの人物だ。 控えめで物静かだが、彼の仕事は超一流である。 世界一要求の高いスティーブ・ジョブズを満足させるのは並大抵ではないのだ。
アップル社がつくるものは製品というよりは作品である。 細かな目配りはふつう手工芸品の世界さながらだ。 ボディの直線、平面、曲線、それぞれに味わいがある。 アイブは製品にゴムを使用したり、シールを貼ることが大嫌いだ。だから文字や数字はすべてボディにレーザー刻印される。
シンプルであろうとするほど、そこに至る何千もの試行と工夫はより精度が求められるものだ。 それをアップル製品は忠実にクリアしているように思える。 細部のこだわりも尋常ではない。
箱から取り出したiPadをひとしきりなで、さっそくアプリをアップルストアからダウンロードしまくる。 お気に入りは”ArtStudio”というペイントソフトと”i文庫HD”という電子ブックソフト。 あらかじめ無料で読める小説がなんと180冊ほど登録されている。
▲ AitStudioというお絵描きソフト。115円と安いが機能はじゅうぶん!これで旅先のイラ写更新もiPadだけで済むかも?
メールのやり取りもスムース。 写真の閲覧もいい感じ。 どちらもiPhoneでは小さすぎて入力しづらかったり、表示する写真が小さすぎたりしたのだ。
気がつけば3時間、夢中で戯れる。
自分がどこで何をしているのか忘れてしまうほど。
つくづく思うのは、iPadはとんでもないぜいたく品だということだ。 ぜいたく品というのは、いわゆる「なくても生活に困らない」モノということだ。 本なら紙で読めばいいし、ネットや表計算ならパソコンでやればいい。 音楽が聴きたければiPodがある。 写真を見たければフォトフレームで、ビデオを見たければテレビで、ゲームをやりたければDSかPSPで、メモや落書きをしたければ紙に、それぞれすればいい。 なにもわざわざiPadでやる必要はないのだ。
iPodでやる必要はないが、iPodならこれら全部できる。
しかも便利だ。 別なことをしたいとき、
ソファから離れて道具を取りに行かなくて済む。
そのうち、すごいのはiPadじゃなく、
この「指先」なんじゃないかと思えてくる。
いたずらな人さし指が、世界を変える。
よくiPadを「パソコンとiPhoneのあいだ」といいますが、「パソコンと紙のあいだ」でもありますね。
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