古い東洋医学書のひとつに『黄帝内経』というのがある。
「何もなければ人間は120歳まで生きられる」 とし、
病気、ケガ、ストレスなどがこれをジャマすると説いた。
そのような長い人生を歩むためにはどうすればいいか、
どのような生活をして、どのような食物を摂るのか、
悪くなったらどう対処するかがこの本には記されている。
ぼくがまず驚いたのは、
これらのことが2000年前に書かれていたということだ。
医学と科学技術の進歩を経てようやく人類は100歳を超える
寿命を得られるようになったのだと、ぼくたちは信じている。
16世紀の日本人の平均寿命は40歳に至らなかったというし、
戦後である1950年ですら58歳である。
そんな当時、「何もなかったら120まで生きられる」と聞いて
いったい誰が信じたことだろう?
昔はよかった。最近は社会が発達したり、宮仕(みやづか)いなどが多くなった。そのためストレスが増え、寿命が短くなってしまった。【黄帝内経より】
2000年前でも「昔はよかった」とか言ってたのである。
いつの時代でも今を「ストレス社会」と揶揄し、
昔を恋しがっているさまが、なんだか愉快でもある。
まあ、当たり前なのかもしんないけど・・。 とにかく
ハイテクや交通渋滞だけがストレスの元凶ではない。
2000年前だって、ちゃんと社会は発達していったし、
「宮仕い」だってじゅうぶんストレスだったようなのだ。
そんなふうに考えれば、2000年前も今も
人々の暮しは、根本的には変わっていないのだろう。
ウィキペディアでは『黄帝内経』をこんなふうに説明している。
病気だけを問題にするのではなく、その人の習慣や感情の傾向、食事、またはその人の住んでいる土地、季節などとの関わりから、総合的に診ていた。人が健康で寿命をまっとうするためには、どのようにあるべきか、哲学の観点から病気を考えていた。
いまでいう生活習慣病そのものではないか。
いまでこそ、
65歳を超える高齢者の割合が20%を超え、
日本は世界最速で高齢化社会になったといわれるけど、
2000年前よりもっと前の時代、
人類はもしかしたらいまと同じくらい長生きだったんじゃないか
という想像が、ふと頭をよぎるのだ。
本日でまたひとつ、歳を重ねてしまいました。 そこで次回のイラ写では「生と死」について記事をアップする予定です
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