7〜8年前のこと。
当時、香港で経営していた会社がうまくいかなくなり
進退の見極めを含めて、それなりに悩んだ時期があった。
まだぼくがイラ写を開設するよりいくぶん前の話である。
あまりほめられたことじゃないけど、どちらかといえば
ぼくはあまり周囲に相談するほうじゃない。
誰にも打ち明けず、人知れずなんとかしようとする。
そのことが望ましくない結果を招くこともあれば、
幸いすることもある。
まあ、後者のほうが少ないんだけど。
そんなふうに苦悶していたある日、
香港そごうにある書店で、ふと手に取った
松下幸之助の『道をひらく』という本。
冒頭にあった一節に、なにか
目の前がぱぁっと明るくなった気がした。
それがなぜかは気がつかなかったんだけど
本を買って自宅に戻り、くり返し読んでいるうちに
じわじわと心にしみ込んでくるものがあった。
『道をひらく』
自分には自分に与えられた道がある。
天与の尊い道がある。
どんな道かは知らないが、
ほかの人には歩めない。
自分だけしか歩めない、
二度と歩めぬかけがいのないこの道。
広い時もある。
せまい時もある。
のぼりもあればくだりもある。
坦々とした時もあれば、
かきわけかきわけ汗する時もある。
この道が果たしてよいのか悪いのか、
思案ににあまる時もあろう。
しかし所詮はこの道しかないのではないか。
あきらめろと言うのではない。
いま立っているこの道、
今歩んでいるこの道、
ともかくもこの道を休まず歩むことである。
自分だけしか歩めない大事な道ではないか。
自分だけに与えられている
かけがいのないこの道ではないか。
他人の道に心をうばわれ、
思案にくれて立ちすくんでいても、
道はすこしもひらけない。
道をひらくためには、
まず歩まねばならぬ。
心を定め、
懸命に歩まねばならぬ。
それがたとえ遠い道のように思えても、
休まず歩む姿からは
必ず新たな道がひらけてくる。
深い喜びも生まれてくる。
【出典:道はひらく(松下幸之助著)】
悩みがあることはちっとも悪いことじゃない。
少なくともムダじゃない。
ふだんなかなか気付かないなにかが見えることもある。
たとえば上記のような一節は、
平常では心に響かないかもしんないけど
悩んでいるときにはジーンとしみてくるものだ。
人のぬくもりやありがたみがわかるのもそんなときである。
「自分だけに与えられているかけがいのない道」
それがみえるのも、
悩んでいればこそだろうと思う。
■ ちびきちの格言
悩んでいるときはアタマは止まっちゃうもんだけど、カラダはとめちゃダメだよ。手をうごかし足をまえにすすめるんだ。それにしても暑いね。そんなわけで、ヒマワリをくびわにつけてみたよ。
みんな悩んで大きくなった
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