ここしばらく、100年前のことに思いをはせている。
なぜだろう? もしかしたら先月たまたま見ていたニュースがきっかけかもしれない。 ニュースとは日韓併合のことを、菅さんが韓国政府に謝罪し村山談義を踏襲したというものだ。
日韓併合、ちょうど100年前の1910年8月23日のことだ。
そして謝罪。 そう、おきまりの謝罪。
まだぼくがドイツで暮らしはじめてまもないころ、当時つきあっていた韓国人のガールフレンドはケンカをするたびに日本人としてぼくをなじったものだ。 そう、“日本人として”。
彼女は何かとぼくの悪いところを見つけては「それはあなたが日本人だからよ」と言い、ケンカをすれば必ず「あれだけひどいことをしておいて、まだ足りないの?」と続けた。 彼女とのつきあいはほんの1〜2ヶ月のことだった。 『あれだけひどいこと』とはもちろんぼくではない、当時の(たぶん)日本人のことだ。 彼女は頭に血が上ると、とてもとても気性が荒くなった。
ある日、びりびりに裂いたTシャツをぼくの部屋のソファに残し、新しいボーイフレンドと一緒にサンフランシスコへ行ってしまった。 Tシャツは、ぼくが誕生日にあげたものだった。
ぼくは裂かれたTシャツと彼女の残した手紙を、落ち葉と一緒にアパートの中庭で燃やし、その火でつけたタバコを吸った。 異国の地で過ごす初めての秋はそんなふうにやってきた。 かつての日本のせいでとんだとばっちりを受けたような気もしたが、原因はもちろんそれだけではないことも知っていた。
いつだって『歴史問題』は日本人の喉元に突きつける。
個人的にはそれが恋愛問題にすら発展したといえなくもないけど、とにかくそのことでいちいち揚げ足を取られている実情には、まいどながら嫌気がさしてくる。 事実がどうあれ「仲直りする前に謝れ、賠償金を払え」というのはいささかヤクザが過ぎないだろうか?
20世紀の前半、いったい日本はアジアで何をしたのか? なぜ戦後65年も過ぎてもなおここまで言われ続けなくてはならないのか? 北朝鮮などは拉致した日本人を返さないどころか、「それより日本人は植民地時代は我が国の同胞を750万人も強制連行したではないか。130億ドル賠償金を払え」などといっている。 韓国は韓国で、竹島を日本から奪い、日本海のことを東海と勝手に改名し「かつて日帝(大日本帝国のこと)から奪われたものを取り返したまでだ」と開き直る。
「日本に何もかも奪われた」といまの朝鮮半島の人は言う。
「いったいどんなひどいことを半島の人たちにしたんだろう?」と思い、自分なりに調べてみたことがある。 いまのようにインターネットがない時代、情報は当時の新聞記事や関連書物しかなく、しかも海外にいたからずいぶん苦労もしたしお金もかかった。 いろんな人に会っていろんな話を聞いた。 ドイツ人やイギリス人、中国人やトルコ人と議論をした。 70年代にドイツへ移民してきた韓国人に一晩じゅう、話を聞いたこともある。
インターネットが使えるようになってからはさらに、広く意見を募った。 生まれて初めて作った個人HPは『歴史を問う・南京大虐殺』というものであった。 もうほんとに色気もへったくれもないなあと思う。 でもそれをきっかけにメディアリテラシーに関心が生まれ、マスコミの世論誘導や政府のプロパガンダが何に起因しどう展開していったかを学ぶことができた。 資料のあたり方など、ずいぶん勉強になったと思う。
このブログも、たぶんこうした経験が活かされていると思う。
功を奏しているとは言い難いけど。
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