東京スカイツリー
建設中の現在までの高さ470m。
この時点で、いま日本でいちばん高い建造物だ。
何もかも下降気味の景況感に押しつぶされそうな世の中、ぐんぐん空へ向かって高く伸びていくスカイツリーに、ぼくたちはつい、なにかを重ねてみたくなる。
映画『三丁目の夕日』のシーンでみた建設中の東京タワー。 あの時日本はまさに高度成長のまっただ中であった。 人々はまだまだ貧しかったけれど、日本中が今日よりも明日、今年よりも来年というふうに、より豊かに幸せになれる気分に包まれていたかもしれない。 給料だって、何もしなくてもどんどん上がった。 いい時代である。
さて、朝の通勤ラッシュで人で本を開くこともできず所在なくみわたす車内で目に付くのは不動産関連。 「東京スカイツリーが見える」ことを売り物にした物件の広告もちらちら目にする。 そのロマンチックな付加価値には、いまの東京タワーの姿を思い浮かばずとも、じゅうぶん注目が集まりやすいのかもしれない。 完成する前からせっせと足を運ぶ人たちも多い。 ネット上にはそんな写真があちこちに氾濫する。
でもなぜ東京スカイツリーが必要なのか?
「TV電波の発信アンテナとして重要」「高層ビルが増えたから東京タワーでは電波が届かなくなったから」「地デジに使用するUHFは高い直進性があるので(電波を届かせるには)高さが必要」などなど、訊けばいろいろでてくる。 そのどれもがもっともらしいが、もしほんとうに地デジ化が理由ならば、他の道府県はどうなっちゃうんだろう。 スカイツリーから発信される電波は北海道や沖縄に届くんだろうか?(そんなわけはない) 超高層ビルがジャマ? ならば超高層ビルのてっぺんに地デジ塔をたてる発想はなかったんだろうか? なんてことを思う。 そもそも衛星放送とケーブル放送の技術がこれだけ進化しているのだ。 テレビを高画質で見るためだけなら、地上波なんてのは不要だと考えるのはぼくがシロウトだからだろうか?
結局のところ本音は「経済対策」であるはずだ。
土木工事業者、鉄道会社、不動産業者らのフトコロをあたため、東京新名所ということで地域活性化が図られるということだ。 なら始めからそういえばいいじゃないかって思う。 なぜなら・・・
なぜなら、そこから発するはずの電磁波が気になるからだ
東京タワー周辺で電磁波による影響でコンピューターで事故が多発していることはあんがい有名である。 でも知らない人が多くても不思議じゃない。 マスコミはこの事実を報じることができないからだ。 理由はもちろんテレビ放送がそんな電波によるものだから。 電波業界がこれを否定しては、わざわざ自分たちで首を絞めるようなもんである。 スポンサーにだって怒られる。
たとえば昨今の自動車はICチップのかたまりだ。
アクセル、ブレーキ、油圧調整、カーナビ、エアバッグ、どれもがコンピュータ制御されている。 だから国内の自動車メーカーは新車を発売する前に、かならず東京タワーの下で車載コンピューターのテストをおこなうといわれる。 万が一のために。 実際うごかしてみないと車載コンピュータにどんな異変が起こるかわからない。 この対策をしていない並行輸入車がこの付近で事故を起こしやすいのは、偶然ではないのだ。
それにしても鉄の塊のコンピューターにしてこのありさまである。
生身の人体の影響はだいじょうぶだろうか?
ケータイや電波塔の電磁波の悪影響。
かつてはマスコミでもずいぶん騒がれたものだけど、ある瞬間からピタリと騒がれなくなった。
ヘンじゃないか?
電磁波による人体への影響は必ずあると思う。
飛行機の離陸と着陸時に、ぼくたちはケータイ電話の電源を切ることを要求される。 ケータイ電話機はとても小さいものだけど、その電磁波は数十メートル先の操縦席の計器にさえ影響を与えるのだ。 こんなものを頭のすぐそばにくっつけて平気なわけがない。 アメリカなどでケータイを直接耳につけず、ヘッドセットなどで代用しているのは「ハンズフリー」の利便性のみが目的ではないはずだ。 先日取り上げたうつ病患者の増大は、記事どおり酸素不足もそうだけど、こうした電磁波による脳への影響も無視できないのだ。
ご存じの通り電磁波の強さは距離の二乗である。
つまり、東京タワーのさらに2倍の高さを誇る東京スカイツリーが及ぼす影響は4倍であるということだ。 影響範囲は拡大し、その中心地の電磁波の強さは想像を絶する。 これについては、ごまかさず誰かがきちんと説明すべきだろう。 でないと「窓からスカイツリー」マンションを購入し住みはじめる若夫婦の、お腹の赤ちゃんがかわいそうである。
時代はやはり変わったのだろう。
東京スカイツリーは、東京タワーがもたらしたであろう幸福感を、そうやすやすと再現してはくれないのだ。
テレビを消し、ケータイをきる。
おたのしみは、それからだ。(なおきん)
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