ネットに流されるひと

何でもすぐに調べられるネットは便利だ。
「いつでも」に加え「どこでも」調べられるようになった。

わからなければ調べればいいし
忘れたら検索すればいい。

人間の脳は基本的にナマケモノなので
できるだけ使わないでいたい習性がある。

便利さの大きさと失うものの大きさは比例し、
だれも「自分の頭で思考」したり「記憶」しなくなる。

以上のようなことを、ぼくは
インターネットが流行り始めた1990年半ばごろに
得意になって周囲に言いふらしていた。

ネットは人類を退化させると。

だけど当時、周囲の誰よりもネットを利用していたのは
他ならぬぼく自身であった。
当時のインターネットは電話回線によるもの。
家計に占める通信費の割合はハンパじゃなかった。

バカになったのはそのせいだ
と、ある日古い友人に話したら
「そんなことはないよ」とやさしく言われた。
オマエがバカなのはネットが流行る前からだったぞ、と。

人が多種多様なのは、今も昔も変わらないが、
同じような意見ばかり耳にしたり、
あたりさわりのない意見ばかりが目につくのは、
それこそネットによる影響ではないかと思う。
世の中が面白くないのは、
だれもが似たような行動パターンだからだ。

検索すればたいていの情報は出てくるから
自分で考える隙間がなくなってしまった。
圧倒的な知識の前に思考の出る幕がなくなった。

知識があれば「頭がイイ」と勘違いしたり、させられたり。
意外とひとは知識にだまされやすいのだ。

ぼくはバカだから少し考えさせてくれないかな。
こういえるひとに、ぼくはなりたい。

■ 午後のウオーミングアップ

そとでもガンガンあそび、いえでもガンガンあそびました.そうやって7ばいのスピードでトキがすぎさっていきます.

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8 件のコメント

  • こんにちは!私は子どもを育てながら何が本当の意味で賢いのか?と考えます。色んなことを知っていることよりも、自分の持っている知識を使って問題や困難にぶちあたったときにそれをスマートに切り抜け、対処出来ることが本当の意味で賢いのではないかと思います。高齢の方が自分の経験を生かし、アイデアをどんどんと出して生活しやすい環境を作りながら長年生きていることが賢いことであって、その高齢者が知らないような難しいことを偉そうに並べ立てながらも自分の食事すら作れない若者は、対して賢いとは言えないのでは?と。私の息子は色んな知識があるのに見ていると本当に賢くないと思ってしまいます。知識を正しく使っていないのです。必要な時に正しい知識を使って、合理的に生きて行けることを私は賢いと言ってるのかも知れません。私は記憶力が悪いので色んなことを覚えておけません。でも必要最低限のことは覚えていてそれを最大限に使うので良いと思います。誰のためにたくさんの情報を入手するのか?それが自分には本当に必要なのか?自分と向き合って自分に質問する時間も必要ですよね。

  • 初めてコメントします。「バカだから」というのに反応してしまいました。最初に就職した職場で「オレ、バカだからさあ」とコトあるたびに言い訳にするオトコがいて、心底腹が立ちました。「バカだと自覚しているんなら、それを恥としてもっと努力しろよ」というのが私の感想でした。誤解のないように言いますが、なおきんさんのは「その続きが「考えさせてくれないかな」なのでずっと正直で、かまえずにこういう言い方ができる人は「ステキだ」と思います。

  • あは。
    これ読んで、お客様との会話がかみ合わなかったときの自分のトークを思い出しました。
     
    「申し訳ありません、分かりが悪くて…」
     
    よくそう申しておりました、はい(笑)

  • こんばんは。

    古来の一説では「馬鹿」とは「真っ直ぐな人」とゆう表現だったらしいですね。

    「馬鹿は風邪引かない」なんて皮肉めいた言葉も実際には「馬鹿は風邪を引いた事にも気付かないくらい真っ直ぐで一生懸命な人」だと教えてもらった記憶が頭の隅にありました。

    「馬鹿でありたい」

    そう思うこの頃です。

    失礼しました。

  • わたしも、1990年ころソニーのワープロでパソコン通信(!)をよくしていました。
    電話回線だったので、毎月の電話代は高かったです。
    まだパソコンを持っている人なんて少なかった時代でした。パソコンといえば、ベージュ色の事務機のようなものしかなくて……。
    インターネットが流行りだす前にパソ通をやめてしまったので、再びネットに戻ったのは七年前くらいでした。
    知識って、わたしは「ひけらかす」ためにあるような気がします。わたしの周りの多くの人がそういう使い方をしています。
    知識よりも、知恵がある方がいいな。
    そして優しさがあればもっとステキだと思います。

  • ネットは、私にとって良い道具です。これのお陰で暇人の私は色々、知ることが出来ます。英語もブラッシュアップ出来たし。情報を咀嚼するのは、今までの知識を会得した頭がやってくれるんですが、パソコンの辞書に頼るあまり、自筆で書くことには疎くなりましたね。

    まー壊れるまでの楽しみとしましよう。

    TPPあっけなく決意表明、予想通りじゃないですか。31日の私のコメントスルー、一応お知らせまで。(笑)

  • ぷうさん、一番ゲット、おめでとさまです!
    とてもいいことをコメントしていただきました。本質的ですね。「手に入れた物は使ってみたくなる」同様に、覚えた知識はひけらかしたくなるのもまた、人間の本性かもしれません。同時にそれは成長するための過程なのかも。そこに経験と思考が加味されて知恵となり、ほんとうに人に役立つものになるんでしょうね。
    ——————————-
    パグさん、
    初コメント、ありがとさまでした!
    ことあるごとに自分を卑下してみせる人がいますね。あとで責められないように予防線をはるように。バカは仕方ないとしても、やっぱり自分の頭でちゃんと考えておくことは大事ですね。ぼくよく「自分を疑う」ことをしますが、思考を深めるのに役立ちますよ。
    ——————————-
    市井みさとさん、
    なんだかステキな対応のように思いました。「分かりが悪くて・・」 ぼくもよく、部下とかに「12歳の子どもに話すように説明してくれないかな」といいます。ものごとは本当に理解していれば、平易なコトバで説明できるものですからね。
    ——————————-
    じさん、
    >「馬鹿」とは「真っ直ぐな人」とゆう表現 <へえ、そうなんですね。「バカまっしぐら」ってわりと褒め言葉で使えちゃうのかもしんないですね。斜に構えて相手を批判するより
    馬鹿だと指をさされる方が利口なのかもしれません。少なくても誠実そうです。
    ——————————-
    ユーリさん、
    あー、パソ通世代ですね!ぼくも、ニフティサーブやアメリカのCompuServeにお世話になっていました。知識があると「頭がいい」と錯覚しそうになりますが、「頭のいい人」かどうかはその思考力の高さが問われるはず。それとやっぱり人間性。これ、ほんとうに大事ですね。
    ——————————-
    たまやんさん、
    そういえば「辞書をひく」ということをしなくなりましたね。あと「地図を開く」ということも。パソコンやケータイのほうが便利ですからね。でも、辞書でひきながら頭の中では、想像したり想定したりとさまざまな思考がめぐっていたようにも思うんです。またペンを持つ指にもそんな記憶が宿っていたというか。ツールを使いこなすのは大事ですが、ツールに使いまわされないようにしたいですね。TPP記事へのスルー、すいませんでした。

  • そういえば、電話番号を覚えなくなりました。
    形態電話を使うようになってから。

    3Dや、バーチャルは、想像力を低下させるでしょうね、間違いなく。

    ちょっと話がとんでしまうかもしれないのですが…

    なにかイベントがないと楽しめない国になりかけてるような気がしてなりません。
    ディズニーランドのように全てお膳立てされたワールドに身体ひとつでポンッ!と入り込める。
    時間がきたら、元の世界に戻って、楽しめるのはお金を払った時間だけ。

    料理もなるべく簡単に、手間をかけない。

    行列のできるイベントに参加して楽しむ。

    これら、全てに共通するものがある気が。
    自分はできるだけ何もしないという共通点が。

    料理って、わざわざ手間をかけるから楽しくてワクワクする♪

    大切な人や大切な友達を幸せな気持にしてあげよう、自分にできることはっ?って行動するから絆が生まれたり、楽しい時間が過ごせたりする♪

    最近、つくづくそう思います。
    いくら便利になっても敢えて自分で調べたりしたいな♪
    せっかく人間が持ってるはずの素晴らしい脳の機能を衰えさせないために!

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    なおきんプロフィール:最初の職場はドイツ。社会人歴の半分を国外で過ごし、日本でサラリーマンを経験。今はフリーの立場でさまざまなビジネスにトライ中。ドイツの永久ビザを持ち、合間を見てはひとり旅にふらっとでるスナフキン的性格を持つ。1995年に初めてホームページを立ち上げ、ブログ歴は10年。時間と場所にとらわれないライフスタイルを めざす。