ふりかけをかけたご飯が好きだ。
ご飯は「おかず」と食べるのよりも、
ふりかけで食べるほうがおいしい。
おかずは、ご飯と食べなければ塩気も控えめですむ。
素材の旨みを味わうためにも、健康のためにもそのほうがいい。
塩分過多の食事には、放射線なら年間200ミリシーベルトぶんの
発がん性物質が含まれる。生活習慣を甘く見ると痛い目にあう。
ふりかけだって塩分が多いのでは?と思われたあなた。
ちなみに『のりたま』一食分の塩分はたったの0.3g。
いっぽう梅干しはたった一個で2.2gも塩分が含まれる。
健康のことはともかく、ふりかけをかけたご飯が好きだ。
ふりかけをただふりかけるだけで、ご飯に甘みが増す。
アツアツのご飯の甘みが口いっぱいにひろがる。
そんな舌上の不思議な化学反応が、たまらなく好きなのだ。
広島出身のぼくは、ふりかけといえば田中食品である。
いまはどうか知らないけれど、地元では丸美屋よりも有名だ。
定番『旅行の友』は『のりたま』を凌駕していると思う。
はじめて『のりたま』でご飯を食べたとき、正直不味いと思った。
『旅行の友』で育ったぼくの舌は、それなりに肥えていたのだ。
丸美屋の『のりたま』が発売されたのは1960年。
対して田中食品の『旅行の友』は1916年。ずっと老舗だ。
なんと第一次大戦のさなかに世に出たのである。
第二次大戦中では、あの戦艦大和の乗組員たちも
艦内でこれを食べていたという。
大和が建造されたドックも田中食品も、同じく広島の呉市にある。
ごはんにはふりかけ。
トーストにはバター。
ちなみに米語では「ブレッド&バター」の意味には、
定番とか、生活手段という意味が含まれ、たとえば
ブレッド・アンド・バター・レター : 礼状
ブレッド・アンド・バター・アイテム : 生活必需品
ブレッド・アンド・バター・プロダクト : 主力製品
といったふうに使う。
ブレッド・アンド・バターを、日本風に言いかえれば
さしずめ「ごはんにふりかけ」ではないか。
たとえば
わが社の「ご飯にふりかけ商品」は、カローラである。
とか、
あの投手の「ご飯にふりかけ球」はスライダーです。
といった感じで使えればなんだか愉快だと思いませんか?
・・思いませんね。すみませんでした。
ところで「食べるラー油」ってまだあんのかな?
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