目の前に空の水槽がある。
この中に、大きな石、小さな砂利、砂、すべてを入れたい。では、どの順番で石を水槽に入れていくか?
空の水槽に砂からはじめ、さいごに大きな石を入れると失敗する。大きな石が水槽から飛び出してしまうからだ。逆に大きな石を入れ、次に小さな砂利、さいごに砂を入れれば、空いてるすき間を埋め尽くすように収まっていく。これはスティーブン・コヴィーが「大きな石から始めなさい」という有名な話だ。
空の水槽はあなたの時間を表し、石の大きさはやるべきことを表す。大きな石は重要で、小さな石は中ぐらい、砂はしなくてもいいこと。朝会社に行って席につき、さてやるかなというときに砂で水槽が埋まり始めていないだろうか? 本来、とりかかるべきは空のバケツにまず大きな石を入れることなのに。どうでも良いメールの返信だったり、緊急性の低い会議だったり、自分でなくても出来る頼まれごとだったり・・。
他人の会社で働く、つまりサラリーマンでは、こうした優先順位を自分で決めれないことも多い。上司は気まぐれで、社長は気が短い。おまけに部下は自分勝手だったり、気が弱く大事なことを先に言わないからだ。
ひとはだれしもそれなりに問題を抱えている。個人差もあるし、状況や環境にもよる。共通する問題は、「あなたがするべきことをやっていないときに、やっていること」であると、大投資家ウォーレン・バフェットはいう。古今東西、仕事のデキる人は毎日、目標の達成に集中している。今日やるべきことがわかっているからだ。
やるべきことがわかっていないと、自分という水槽に「砂」がどんどん入り込んでくる。そして本来やるべき「大きな石」が入らないか、はみ出てあなたのキャパを超えてしまう。そのようにして今日も一日が終わろうとするとき、なによりもストレスを感じるのではないだろうか。
Rich Habit(お金持ちの習慣)の著者、トーマス・コリーはお金持ち(年収2000万円、流動資産3億円以上)と貧乏な人(年収400万円、流動資産50万円以下、日本では平均か?)それぞれにおこなったアンケート調査によれば
Q1 : 毎日、目標の達成に集中しているか?
はい:お金持ち 62% 貧乏なひと 6%Q2 : 毎日やることリストを作ってるか?
はい : お金持ち 81% 貧乏なひと 19%
しかも目標はしっかり紙に書き出しているのが調査の結果でわかっている。これはとてもいいことだ。ふと集中力が緩むとき、目に焼き付けられる。意識することで「機会喪失」を減らすことが出来る。
サラリーマンを卒業すれば自由になれる、とだれもが思う。ぼくはそのことで一日にやるべき目標が明確になった。自由に使える時間に、つい甘えたくなることもあるけれど、紙に(大きめのノートに大きな文字で書いてある)目標を前の晩に書いておき、目が覚めたら、ペットボトルの水を飲みつつそれを頭がはっきりするまで眺めるのが日課である。
人生を貧しくするのは、わりとカンタンだ。
やるべきことをやっていないときにしていることを、続ければいい。
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