海外旅行保険について。
要らないという人もいれば、入らないと不安でしょうがないというひともいる。空港にある海外旅行保険の受付カウンターでは今日もそんな人たちによって、窓口は混み合っている。さてこの海外旅行保険、入るべきか、要らないか?
海外保険、選ぶならどこ?
この保険料、一週間の旅行ならだいたい2千〜8千円の範囲。支払われる保険金によってサービスはまちまちである。わかりやすいよう、有名どころを一覧表にしてみた(料金や商品名は変わっていることがあります)。 *単位:円。
スマホのかたは、横向きでお願いします。
保険会社 | エイチエス損保 | ジェイアイ損害火災 | 三井住友海上 | 損保ジャパン | AIU保険 | 東京海上日動 |
商品名 | スマートネット | たびほ | @とらべる | OFF | 海外旅行保険 | 海外旅行保険 |
保険料 | 2,100 | 3,010 | 3,910 | 3,500 | 8,140 | 7,100 |
傷害死亡 | 1000万 | 3,000万 | 3,000万 | 3,000万 | 3,000万 | 3,000万 |
治癒費用 | 1000万 | なし | なし | 2,000万 | 無制限 | 無制限 |
救援者費用 | 100万 | 5,000万 | なし | 2,000万 | なし | なし |
個人賠償 | 1億 | 1億 | 1億 | 1億 | 1億 | 1億 |
携行品 | 30万 | 30万 | 50万 | 50万 | 30万 | 20万 |
手荷物遅延 | 10万 | 1万 | 10万 | 10万 | 10万 | 5万 |
保険でカバーできるのは、大きくわけて3種類。旅行中のケガや病気を治療したときにかかったコストをカバーするものと、持ち物をなくしたり壊したりした場合に保障してくれるもの。それから誤ってひとやモノに損害を与えてしまった被害額を保障するものとがある。
不幸なことにトラブルが生じたとき、金銭面だけでも全額または一部カバーされるとあれば、それだけ安心して旅行できるというもの。トラブルの大きさを思えば数千円くらい、なんでもないと考えるのもよくわかる。
意外と低い保険発生率
ではいったい旅行保険に入ったひとのうち、どのくらい実際に保険のお世話になったのだろうか? 2013年度の実績を見ると3.84%。つまり「100人のうち4人以下」である。残り96人は被害にも遭わず、めでたく無事に帰国したというわけだ。
内訳は以下のとおり。
1位 治療・救援費用(42.1%)
2位 携行品損害(38.7%)
3位 旅行事故緊急費用(15.7%)
4位 個人賠償責任(1.7%)
5位 旅行変更費用(0.7%)
6位 その他(1.1%)
つまり100人のうち、病気やケガにあったひとが1.6人、携行品を壊したりなくしたりしたひとが1.4人、飛行機のトラブルで出発が遅れたり緊急着陸したケースが、0.6人という割合である。はたして掛け金は妥当かどうか、ビミョーなところである。まあ「お守り代」として考えればいいのだろうけど。
クレジットカードがあれば十分?
ぼくの場合、もっぱらクレジットカードの付帯サービスを使っている。ひんぱんに旅に出ることもあり、いちいち空港で手続きするのも面倒だからだ。標準カードでじゅうぶんだが、携行品への補償額が50万円まであるゴールドかプラチナカードがあればベターである。ぼくにとっての高価な携行品は一眼レフカメラとレンズ類、iPhoneとiPadかMacbook、あわせると約50万円する。
クレジットカードはたいていのひとは持っているのに、なぜ空港の海外旅行保険窓口に並ぶひとがいるのか?
- 理由1 自分のクレジットカードに海外旅行保険がついてることを知らなかった
- 理由2 クレジットカードに付帯する保険は「治癒費用」と「救援者費用」の補償額が低い
クレジットカードのものは100万〜300万程度に対し、任意のものは無制限なんてのもある。だがそれすら付いていない任意保険もあるから(上表を参照)、致命的なデメリットではないと思う。ちなみにこれらの費用は、複数のクレジットカードの補償額で合算できる。カードA:300万 + カードB:300万 + カードC:100万 = 計 700万円
というふうに。
あなたがふだん事故に遭う確率と、海外旅行中に事故に遭う確率は、圧倒的に前者の確率のほうが高い。そりゃそうである。ふだん暮らしている時間のほうが長いのだから。毎日仕事でクルマを運転しているひとのほうが、海外で海を見てぼおっとしているひとより交通事故に遭う確率が高いのはあたりまえである。
渡航先や、そこでなにをするかにも依るが、あなたがもしクレジットカードを持っていて海外旅行保険が付帯しているのなら、あえて加入するまでもないのではないか。上の表は7日なので3000円程度にみえるが、3ヶ月くらい長い旅行になると、保険料だけで5万円くらいする。
またLCCなど格安航空券をネットで購入する際、気づかないうちに海外保険に加入した状態になる。希望しないならチェックを外すこと。このときいろいろ脅しメッセージが表示されるが気にしない。クレジットカードのもので十分と割り切る。せっかくの格安が台無しである。
なお、会社を辞めてからクレジットカードを作るのは、なかなか至難である。ぼくの場合、年会費を節約しようと5枚まで減らし(数えたら12枚もあった)、さらに3枚まで減らそうとしたのだが、やめた。(結果、やめて正解だったのだけど)
経験から学んだクレジットカード保有5箇条
- クレジットカードは作れるうちに作っておく
- 年会費無料のゴールドカードはいつか必ずあなたを救う
- カードの付帯サービスはしっかり把握しておく
- 海外保険付帯サービスが強いカードを持っておく
- 複数カードを所有していても、使うのは1種と決めておく
そろそろ旅行シーズン到来である。海外旅行をするならこの時期は「サーチャージ撤廃 + 円高 + Airbnb対抗によるホテル値下げ」のトリプルチャンスでもある。テロの脅威はいまだ衰えず、空港などの警備も依然厳しい。追い風に向かい風、そこへ背中をひと押しする保険。
上手に活用して、旅を世界をもっと楽しもうじゃありませんか。
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