実はこの記事、キーボードではなく声で入力している。
iPhoneでこの画面を開き、マイクボタンを押し、画面に向かって話す。それでしゃべる言葉が次々に日本語変換されて入力されていく。気持ちいいほど声は正確に画面で文字になる。入力に夢中になるその姿は、はたからすればちょっと気がふれた人に見えるかもしれない。
以前は使いものにならなかった音声認識は、2014年秋にiOS 8.1にアップグレードされたことでようやく実用に耐えられるようになった。いまなお音声入力中に加筆修正したり、漢字をを再変換するといった作業は不得意なままだけど、ざあっとベタ打ちをするのが目的なら問題ない。それでもキーボードで入力するより圧倒的に速いので、あとで修正する時間を加えてもメリットがある。
よく使われる記号については、以下のとおり。
。 ・・・まる
、 ・・・てん
( ・・・かっこ
) ・・・かっことじ
「 ・・・かぎかっこ
」 ・・・かぎかっことじ
? ・・・くえすちょんまーく
! ・・・びっくりまーく
@ ・・・あっとまーく
・ ・・・なかぐろ
¥ ・・・えんきごう
/ ・・・すらっしゅ*改行したい場合は「かいぎょう」でね
12年前に頚椎を痛めて以来、マウスクリックするたびにひじから手の甲にかけて激痛が走るようになった。
さらに悪化し、こんどは長くキーボードを叩くことができなくなった。かつて英文タイプライター検定(古い!)の有資格者であり、キーの早打ちでならした自分もいまは見る影もない。
マウスをタブレットに変えたことがイラ写誕生のきっかけになったように、声がキーボードに取って代わればまた何かが始まるかもしれない。このままじゃ左手だけでキー入力か?と絶望していただけに、音声認識技術の進化に救われた思いがする。
声による入力のもうひとつのメリットは「歩きながら書ける」ことである。知り合いのエクゼクティブなどは、朝のジョギング中に声でメール本文を入力しているという(Siriを使ってメール送信も音声で)。たしかに歩きながらだとアイデアや文章が浮かびやすい。つくづく足の裏は脳につながっているのだなあと思う。音声認識は、そのように歩きながら次々に思いつくアイデアをメモするのにも大いに役立つ。
手が使えないとき、あるいは手が使いものにならなくなっても、文章が作れるのはほんとうにすばらしい。朝の散歩中はもちろん、車の運転中、また入浴中でも文章が書ける。リラックスしているときこそ、アイデアがひらめいたり、忘れていたことを思い出すことが多い。もともと音楽を聴くためにiPhoneを風呂場に持ち込んでいたが、最近は入力のためにそうするようになった。(実はいまも)
旅をしているあいだも音声認識は使える。
見たものを写真に撮ることはできても、感じたり浮かんだことばを残すにはメモが必要だ。これまでは声を録音していたが、あとで再生したり文字にするのがめんどうだった。音声認識でテキスト保存できるのならそれに越したことはない。やおらメモ帳を取り出すより、心に感じたものをすばやく書き残すことだって出来る。
また、音声認識を自動翻訳してくれるアプリを利用すれば、言葉が通じない相手と会話することが出来る。マイクに向かって話せば、自動翻訳しスピーカーから発声してくれる。なんて便利な世の中になったんだろう。しかも100カ国語(!)対応である。
無料アプリ「日本語でしゃべると外国語で発音」
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いろんなアプリを試してみたけれど、これはなかなか実用的。英語やフランス語などのメジャー言語はもちろん、タイ語や韓国語、ロシア語やアラビア語など42か国語からの音声認識ができ、さらにズールー語やヨルバ語(!)など100言語へテキスト翻訳をしてくれる。
これならアフリカの奥地だって会話ができるというものである。もちろん政治論争を交わすような会話は難しいだろうけど、おおよその意志の交換はできるはずだ。(あんがいバッテリーを消費するから注意してね)
音声認識はいちど、試してみてください。
その精度におどろくはず。
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