この20年ものあいだ、世界の人口は57億人から73億人まで増えた。1.28倍である。それ以上に増えたのがコーヒーの消費量。20年前のそれより1.5倍増えた。総じて飲む人も増えたが、ひとりあたりの飲む量も増えたというわけだ。
こんなことならコーヒー農園でも始めていればよかったと思うが、量以上に向上したのは質である。80年代にロンドンで飲んだコーヒーは色の濃い紅茶のようだったし、モスクワの高級ホテルでだされたコーヒーは溶けカスの残ったネスカフェだった。バンコクや香港でコーヒーと呼ばれていたのは、たっぷり砂糖の入ったミルクコーヒーであり、街角ではストローつきのビニール袋で売られていた。
コクのある深煎りロースト豆が普及したのは1990年代の終わり。シアトル発のスターバックスの世界展開の貢献もそうだ。フィンランドやイタリア、フランスやオランダ、ドイツなどはもともとコーヒー消費大国で、味もいい。「いまさらスターバックスなんて・・」という感じだった。2000年にドイツを離れるときは1件もなかったそれも、いまではそうでもない。進出していないのはイタリアくらいのものかもしれない。いっぽう、アジア各国は広く進出していき、地元の人たちの舌を苦くてもだいじょうぶにしていった。甘いミルクコーヒーではもの足りないほどに。こうしてスターバックス・コーヒーは世界規模でコーヒー人口を増やし、消費者の舌を肥やしていった。追従するお店も増えた。
▲ アルジェリアで飲んだコーヒーはどれも美味しかった!(写真はルームサービスの朝食)
世界規模でコーヒー人口が増えていくにつれ、その効用についてもしだいに明らかになった。コーヒーはタバコ同様、嗜好品だから身体にはあまり良くないというのが子どものころから聞かされていたことだけど、いまじゃ健康食扱い。まったく隔世の感がある。
- 頭をよくする
- 脂肪を燃焼させ、糖尿病を防ぐ
- 認知力を高めアルツハイマー病を防ぐ
程度はあるにせよ、そんな効果が認められているそうだ。とくに野菜や果物が不足がちな現代人は、抗酸化物質の多くをコーヒーから摂っているというデータもある。ただし、煮詰まったものやクズ豆、焙煎不良や酸腐した豆から淹れたコーヒーは効用が薄いばかりか、むしろ害になるので注意。
ともあれ、
「良薬口に苦し」と言うのは本当らしい。
今日のひろいもの
豆挽きからドリップ全自動! Panasonic NC-A55P
「やっぱりコーヒーは豆から淹れたい」と思うけど、豆をひくのはめんどうだし手入れもタイヘン。とめんどくさがりのぼくの敷居を下げてくれたのが「全自動」コーヒーメーカー。中でもPanasonicのマシンは、沸騰浄水でミルの洗浄まで自動でやってくれるスグレモノ(あ、禁句)。カルキを90%カットしてくれるので、水道水で淹れてもすごく美味しいコーヒーが出来上がる。水を入れ、フィルターをセットし、豆をバラバラっといれてボタンをポン。あとは待つだけ。全自動洗濯機と同じ、ピー、ピーっとアラームで出来上がりを知らせてくれます。部屋中いい香りに満ちて、もうそれだけで幸せな気分になります。値段も1万円ちょっと。今まで高くて手が出なかったけど、ここまで下がったのですね。味はもう老舗の喫茶店並み。もちろん豆にもよるけどスターバックス・コーヒーより美味しいと思いました。豆のおすすめは「コーヒーばか」のマンデリン。なにこのコク!ピスタチオのような香りもスバラシイ。豆から淹れる新鮮なコーヒーは身体にもいいです。
最近のコメント