安倍政権になってからというもの、中国と韓国の反日バッシングが凄まじい。あの手この手で日本を貶めている。それだけのっぴきならない事情が噴出しているのだろう。人も国も追い詰められるほど攻撃的になるものだ。裏読みすれば、それだけ安倍さんがやることは正鵠を得ているかもしれない。
日本へ訪れた外国人が年間1000万人を超えた。
初めて大台を突破したと言われるけれど、日本観光の潜在力を思えばまだまだ少なすぎる気がする。とはいえ、これまで800万人台をいったりきたりの状態だったから、いちおうの成果だ。特にタイやベトナム、インドネシアやマレーシアからの観光客が増えたという。ビザが緩和されたこともそうだけど、もともと日本に対して親しみを持つ人たちが多い国々でもある。それはまた中国人や韓国人も同様といえる。
旅行に行き、なんらかの方法でそこで撮った写真や動画、印象をつづった文章をfacebookやブログ、Youtubeやタンブラーなどに投稿する人たちは多い。2010年くらいまでは帰国してから情報をアップしていたのを、最近はスマホとネット環境が良くなったせいもあり、現地から特派員さながら情報をアップしている。実はそのことが、可及的、波状的に旅行者を増やす要因になっているんじゃないかと思う。
ある中国人の女の子が、自身のブログで日本から投稿していた。レコードチャイナから抜粋してみる。
私が特に好きなのが、東京の地下鉄の自動販売機めぐりだ。液晶パネルにタッチして購入するタイプのものまである。驚いたのはアイスだ。1本買ってみると、持ち手の上の部分に受け皿が付いており、暑さで溶けても手まで流れてこないように設計されている。日本人の心遣いを心から尊敬した。どうして私たちはここまで思い至らないのか。【東京への旅行で「中国人と日本人の違い」を実感―中国ネットユーザー】
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旅行先ではよく、自分たちの国となにが違うのか?と考える。そこで優越感を覚えることもあればショックを受けることもある。覚えた印象は誰かに伝えたいと思う。そして発信する。
日本の子どもたちはみなおとなしく、おもちゃを欲しがって駄々をこねる子どもの姿は見られなかった。道端で大小の便をする子どもも、食事のときに汚く食べ散らかす子どもも、大騒ぎをする子どももいなかった。この話は、子を持つ一部の中国人たちに聞かせたい。【東京への旅行で「中国人と日本人の違い」を実感―中国ネットユーザー】
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逆のことをぼくは中国で感じた。子どもはレストランや電車で好き放題駆けまわり親もそれを無視する。至る所で放尿させる(ときには大も)。彼女にとって普通の光景が眩しく見え、ふつうじゃない光景がまた日常でもあるのだ。
政治のことは私たちにはどうしようもない。日本人はみなナイスで礼儀正しく、よく笑う人たちだった。車は歩行者に道を譲り、歩行者はドライバーに頭を下げる。どの店のサービスも世界一流な上、何も買わなくてもお礼を言いお辞儀をする。道行く人はできる限りサポートしようとしてくれる。
一方の私たちはどうか。中国では、中国人が金を払って買った日本車が破壊される。素養とは本当に少しずつ養われるものだ。日本人はこの方面では、私たちの数十年先を行っている。謙虚に、他人の長所や自己の欠点に向き合おう。過激な人々は、きっと旅行が嫌いで、一日中自分の殻に閉じこもっているに違いない。外の世界を見なければ、ネットの掲示板を荒らすことしかできない偏狭な愛国主義者にしかなれないのだ。【東京への旅行で「中国人と日本人の違い」を実感―中国ネットユーザー】
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彼女は多くの中国人のひとりとして、日本での印象を発信する。たぶん友達や家族、あるいは自国民に対して。彼女のブログを読んで腹をたてる中国人もいるかもしれない。いっぽうで、そのとおり!と思う人もいるし、本当かな?と疑う人も。じゃあ自分で確かめてみようかと思う人がいれば、なおよい。双方の政治家がどれほどの応酬をしたところで得られない説得力と共感力を、彼女は持ち合わせている。このことはまた、ぼくたち日本人にも向けられている。このブログを読んだ中国人が日本に観光にやってきたとする。はたしてその観光客にも、ブログの女の子のような体験をさせてあげられるだろうかと。
以下は、東北大学に留学していた中国人のブログである。
おかしな話かもしれないが、私は日本を訪れる前、日本には変態侵略者のキャンプがいたる所にあると思っていた。しかし、実際は我々と同じように静かに暮らす人々がいるだけだった。彼らも私たちと同じように、両親がいるし、子どもがいる。恋愛もするし、失恋もする。喜んだり悲しんだりもする。 【実際の日本人は「嫌いになどなれない」―元中国人留学生】
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いったいどんな教育を仕込んでるんだ中国は?とショックを受けるいっぽうで、この人もまたショックだったのだと思う。江沢民時代の反日教育の影響もあって「日本はトンデモ国」という認識が30代前後以下の世代に多く見られる。同時に彼らはネット世代で、共産党政府の押し付け情報に辟易し、客観的な情報に飢える人たちでもある。
たとえ誰かから批判されても、これだけは言いたい。私が出会った日本人はみな素晴らしかった。日本社会には文明と秩序が根付いている。私はそこで温かい援助を受け、心からの笑顔を見た。私は日本でばかにされたと感じたことはなかった。自分の生活がしっかりしていれば、他人を恨む必要はないのだ。自分が他人を尊重すれば、他人も自分を尊重してくれる。日本に対する“妄想”は日本に行ってなくなった。【実際の日本人は「嫌いになどなれない」―元中国人留学生】
政治的にこじれた日中関係。けれども誰もが政治家である必要はない。どこにでもいるひとりの中国人が、どこにでもありふれた日本のうちのどれかに触れる。このありふれた関係こそがひとつずつ真実になっていくのだ。強くでたり、卑屈になったり、いいところばかり見せようとしたり、悪いところばかり見つけようとしない自然なふるまいを、ただ行えばいいのだなあと思う。
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