誰かがあくびをすると、つられてあくびがでる。
そんな連鎖反応を経験した人は多いと思う。
バナナもそう。傷んだバナナのそばにあるバナナは、つられてなのか早く痛む。何房も大量に買うぼくにとって及ぼす影響は大である。傷みに追いつけず、食べずに捨てることもあるからだ。
バナナやりんごなどが茶色に変色することを酵素的褐変(かっぺん)という。原因はエチレンガス。成長を促し周囲の果物を早く傷ませる。エチレンガス放出元はバナナなら房の部分。よってここをラップでくるんでおけば、傷みが抑えられ、長持ちさせられる。お試しを。
人間にもいる。すぐに腐るし周りも腐らす。反応がいちいちネガティブである。ネガティブは伝播しやすい。不機嫌な人がいると、みんなが不機嫌になる。人間だとバナナのようにラップでくるむわけにもいかないし、なかなか困ったものである。
話は変わるけど、ドイツのアパートの地下部分にはたいてい世帯ごとに物置がある。夏は涼しく冬は温かいので、食料の保存にも便利だ。湿度も低いから害虫も湧きにくい。住んでいたころは、ぼくもそこに玉ねぎやジャガイモなどを保管していた。ある日、お隣さんの物置のジャガイモ袋にリンゴがひとつ入っているのを見つけ(物置内部は格子で囲われおり外から丸見え)、さっそく問うと、「こうするとジャガイモの持ちが良くなるのさ」と答えが返ってきた。理由はリンゴの放つエチレンガス。果物や他の野菜とは逆に、ジャガイモに対しては成長を眠らせ芽が出るのを遅らす働きがある。あれ、毒性物資だし。
相手に応じて成長を止めたり
成熟を促したりするのがエチレンガス。
まるで悪女のようである。
あとがき
きょうのテーマは最後の一行にある「悪女」です。おわかりだったでしょうか? 悪女の定義は人それぞれあると思いますが、ぼくの場合「相手によって、無邪気な子供にもするし、成熟したオトナにもすることのできる女性」だと決めつけています。そういう女性ってちょっと憧れますよね。これまでであった記憶はないけど、もしかしたらすでに出会っていたのかもしれません。気づかないうちに、子供にされたりオトナにされたりしていたのかも?
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