日本人が韓国人にハングルを教えた

イラ写にはときに、外国人の読者がつく。
ほとんど日本語を理解する人たちであるが、Googleで翻訳して読む人たちもいるようだ。イラストを見て、内容を知りたいと思ったのかもしれない。いただくメールの中には、いかにもシステムで翻訳したんだろうなと思わせるおかしな日本語のものがある。それらにもぼくは返信をする。日韓関係をテーマにした記事も多いので、韓国人の読者からもメールが来る。こんなかんじのメールだ。

先進国の日本があれだけ言うから、なぜなのか根拠が知りたい。写真は本物ですか?私は真実を知りたいです。私達が学んだ国史教育が間違っているのではと思うから、私は真実が知りたいのです。【韓国読者】

わざわざ翻訳までして(chromeなら簡単に翻訳できます)イラ写を読んでるだけあって、「真実が知りたいのです」という部分にひしひしとその思いが伝わってくる。反日インフレが過熱し、何がなんでも日本が悪いと世間が騒ぐ。だけどそのいっぽうで冷静に真実を見極めようとするひとたちも存在する。安倍政権が誕生し、対抗意識もあってより反日色が強くなったことで、こうした「真実が知りたい」と歴史教科書を疑う韓国人もまた増えてきているのかもしれない。やましい人ほど声がデカくなることを、人は直感で知っている。

韓国に有名な「イルベ・ドットコム」という掲示板サイトがある。そこに「日帝時代の小学校の教科書(参考書)を認証する」というスレッドがたち、教科書の写真がアップされていた。そこには植民地時代、宗主国の日本によって禁止されていたはずのハングル文字で書かれたページの写真があり「家の中を整理していたら出てきた。日本語がわからないから内容は分からないが、意外だったのが途中でハングルのレッスンがあり、嬉しくておどろいた」とコメントがついていた。

日帝時代(日本による朝鮮植民地時代)、名前を奪われ(創氏改名)、母国語(ハングル文字)も奪われた。と韓国では教えられている。日本の小学校でもそう教えている。だのにひょんなことから家を掃除しているときに祖父が使っていただろう教科書を見つける。古く色あせた紙面には、なんとハングル文字で朝鮮語を教えるページまである。スレ主はハングル文字があることに嬉しくなってアップし、それを目の当たりにしたネットユーザーは戸惑いながらも、さまざまなスレを書き残す。実に1200以上も。これがとても面白い。一部を紹介する。


▲ これがその教科書

4. 韓国人
出版年度を教えて
一番後ろのページ見れば載ってる
大正+数字、昭和+数字
こんなのが書いてあるはずだ

5. 韓国人(スレ主)
>>4
昭和14年3月15日発行
こう書いてある
調べてみたら1939年だな

6. 韓国人
>>7
1939年だね
朝鮮語科目あるとは何とも不思議だ…
朝鮮の歴史をざっと読んでみたけど、
新羅王が天皇に降参しながら
日本天皇を賞賛した内容が出てくるよ

10. 韓国人
日帝時代には、韓国語を書けないようにしてたん
じゃないの 何か笑える

11. 韓国人(スレ主)
>>10
俺も少し驚いた
確か朝鮮語書くとムチで叩かれとか教えられたけど…
今見ると、必ずしもそうではなかったのかもしれないね

16. 韓国人
しかしどうして日帝時代の教科書にハングルがあるんだ?
高校の時、国史の時間で、日帝が民族の精気を抹殺する
ためにハングルを使えなくしたと学んだが
何が正しいのか…

34. 韓国人
>>33
祖父は生きてるのか?
もし生きてたら、一度聞いてみてくれないか
当時がどんな雰囲気だったのかを

36. 韓国人
>>35
明日電話で聞いてみてよ
当時本当に日帝朝鮮語を使えなくしようと弾圧する
雰囲気だったのか そうでなければ、日本人が主張する通り、
文盲率を下げるために人間的な待遇をして教育させていたのか

48. 韓国人
すごいね
光化門にある大韓民国歴史博物館に寄贈してはどうか

54. 韓国人
朝鮮末期の文盲率98%を40%前後まで下げたのは
日本による教育革命だ

58. 韓国人
こんなものを見れば、我々が学んだ国史教育が間違っていた
のではと思ってしまう
歴史歪曲は我々がしているのかもしれない
俺はただ事実だけが知りたい
客観的な資料を見つけるためには、
日本に行かなければならないのだろうか?

68. 韓国人
ところでチョッパリはどうして植民地朝鮮人たちに
教育をさせたのだろうか
俺だったら教育させないて、
そのまま未開の状態のままにしていたが…

*翻訳されたものがこちらに一部あります

こんなかんじでたくさんのスレでやりとりされている。ぼくに送られてくるメールもそうだが、このように事実を見極めようとしている韓国人がちゃんといる。彼らは必ずしも親日というわけでもないのだろう。だが日本に対しての関心は高い。もっともよくないのは「無関心」。たとえ「嫌い」であっても、関心があるほうが救いがあるというものだ。

日本と韓国、それぞれに「大衆と知識人」がいる。
興味深いのは両者がそれぞれ、相手国に対する見方が対照的なことである。日本は大衆が反韓で知識人は親韓であるのに対し、韓国では大衆が親日で知識人は反日であった。知識人は新聞などのメディアや教師が該当する。面白いことに知識人であるメディアや教師は、日本と韓国どちらも「反日」で共通する。「過去を忘れてはなならない。日本の右傾化は警戒すべき」とやる。

考えてみればほんとうに韓国大衆が反日ばかりなら、あえてメディアは煽らずともすむはずである。くり返さずとも、自然発生的に反日意識は醸成され、拡散し、深く浸透していく。ある意味そうなっていると思うこともあるが、反日が風化していくのを恐れ、強弁になっている気もする。オリンピックで韓国の選手が「独島、我が領土」と書いたプラカードを持って走ったり、「歴史を忘れた民族に未来はない」と試合前に垂れ幕をかけるが、どれもハングル文字で書かれていた。日本人や世界に訴えたいのなら、日本語か英語でかくはずではないか。つまりこうした反日アピールは、どちらかといえば韓国内に向けられている。バラバラの同胞たちと反日でひとつになりたい。高揚感を共有したいという思いがあるのかもしれない。こうなるともう、反日はある種のスポーツなのかもしれないと思う。みんなでスカッと汗を流すための反日

そんな韓国の反日暴走につきあう必要はない。冷静に行き過ぎるところを制しておくだけだ。クレームを入れ、その事実を残す。怒っているのをなだめようと、波風を立てまいと事実を曲げて媚びてしまえば、真実や史実を見極めようとしている韓国人のジャマになるだけである。民主党がそうだったし、いろんな市民団体、日教組なんかもそうだ。

相手から蔑まれるのは、相手のためと言いながら実は自分かわいさにおかしな媚を売るからでもある。

3 件のコメント

  • 『面白いことに知識人であるメディアや教師は、日本と韓国どちらも「反日」で共通する。』
    なるほどなぁ・・・と納得してしまいました。
    韓国の方で真剣に歴史認識について考えている人、日本の歴史教育だけではなく、韓国の歴史教育にも疑問を抱いている人がいるというのは嬉しいものですね。
    歴史はそれぞれの立場、時代背景等で捉え方が変わるもの。とはいえ当時の日本の取り組み、韓国の受け入れ態度など真実である部分を、それぞれが客観的に考え取り組んでほしいと思っています。僕自身、ネットや資料などを見て行くなかで、今までの常識が覆ったことがしばしば。しかも日本の文献でも著者の考えによって捉え方が違う部分もありますし、何が真実なのか混乱したこともありますけどね・・・。
    とはいえ反日姿勢を静観するわけいにはいかないので、行きすぎるところはしっかりと制し、日韓ともに大衆社会の暴走にならないように気をつけなければいけません。
    大衆迎合したばかりに情報が錯綜したり、戦争を回避できなかったりしたことこそ、歴史から学び、対策を行わなければいけないことなんだろうと思ったりします。
    それにしても総理。なかなか思い切った発言を行いますね。トップセールスといえば聞こえはいいですが、鳩元首相のように言うだけ首相になってほしくないものです。
    自由経済主義を否定はしませんし、競争社会を完全否定はしませんが、『アメリカ式』をそのまま導入しようとすることだけは避けて欲しいものです。

  • 一度韓国の教育内容を見てみたいですね。
    日韓基本条約は韓国においてどのように伝わっているのでしょうか?インターネット全盛の時代に、いろいろ検索はできないのでしょうか?色々と不思議です。

  • mu_ne_2さん、一番ゲットおめでとさまです!
    歴史についての考察が、相変わらずさえてますね。ほんとそう思います。米スタンフォード大学が行った各国歴史教科書の調査では、日本:ヒストリー、中国:プロパガンダ、韓国:ファンタジー、と評しています。なるほどですね。
    ———————-
    おととさん、
    日韓基本条約のことを韓国政府は国民に伏せていました。さすがに最近知られるようになると、韓国の最高裁判所が「日韓基本条約は無効」という判決を下しました。国際条約は国内法より優先されるという、司法官ならだれでも知っていることをルールを無視してまで。困りましたね。

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    なおきんプロフィール:最初の職場はドイツ。社会人歴の半分を国外で過ごし、日本でサラリーマンを経験。今はフリーの立場でさまざまなビジネスにトライ中。ドイツの永久ビザを持ち、合間を見てはひとり旅にふらっとでるスナフキン的性格を持つ。1995年に初めてホームページを立ち上げ、ブログ歴は10年。時間と場所にとらわれないライフスタイルを めざす。