マンションを買った。しかも2戸。
ばかじゃないの? なおきん。
そんな声が聞こえてきそうである。
頭金なしの30年ローン。完済するころぼくは80歳で、西暦でいう2043年である。はてしなく先は長い。生きているのか自分?そもそもあるのか日本? 大地震は?戦争は? 心配し始めたらきりがない。心配してもしなくても起こることは起こる。起こらないことは起こらない。世の中そういうもんである。それよりよくもまあ半世紀生きてきたものだと、そっちのほうがよっぽど難易度が高かった気もする。
たぶんぼくは80まで生きないと思う。だけどもし生きているとしたら、これはリスクである。そこで不動産収益もありかなと思う。賃貸に出して家賃を得る。これを80まではローンの返済にあて、80からは年金のごとく月々の生活費にあてるという算段。あるいは売ってまとまった現金にする。値下がりを見こめば1軒じゃ心もとない、だから2軒。
日本の不動産なんてこれっぽっちも興味がなかった。でも考えてみれば不動産ローンには生命保険がついている。「つまり不動産を持つことは生命保険に入るのと同じなのだ」ということに気づく。生命保険なら保険料を毎月4万円くらい払わなくちゃならないけど、不動産ローンは家賃と相殺される。ぼくの代わりに借主が保険料と積み立て年金を払ってくれるというわけだ。頭金を払わずローンが組めれば自己資金ゼロ、毎月の支払額ゼロである。もちろん税金がかかるが、戻る税金のほうが多いくらいだ。ぼくが死んだり介護状態(要介護3以上)になれば保険金でローン残が支払われ、マンションはそっくり遺族に残せる。これはなかなか悪くない。死ぬリスクと長生きするリスクが、同時にヘッジできるのだから。
もちろんリスクは他にもある。第一に、少なくない借金をしなくちゃいけないということ。ローンの返済は家賃収入をあてにしてるけど、時には借り手がみつからないということもあるだろう。借り手がつかなければ、家賃を下げるなどの対応が必要だ。ローンの金額より家賃が安くなれば、その分は持ち出しになる。だいいち日本の人口は年々減っている。2040年には日本の人口は1億人ちょっと。今より2千万人も減る。いまでこそ新品のマンションも築30年となる。古くなれば家賃も下げなくてはならないし、30年後売ったとしてもせいぜい買った時の半値が相場だ。
想定リスクについてはまず、月次の収支マイナスが出たとしても生命保険料代だと思えば安いと考える。物件はどちらも交通の便のいい都心の駅近。流動性はある。日本の人口そのものは減るが、都市部のひとり暮らし世帯数はむしろ増えるから、こぶりなマンションの需要は見込める。加えて頭金などの元手がかかっていないから、半値でも売れればプラスである。日本はこれからゆるやかなインフレに向かうとすれば、現物資産は現金より価値が見込めやすい。
ところでマレーシアの物件はどうするの?
過去の記事を読んでいるあなたなら、そう訊くかもしれない。もとよりこっちが本命である。マレーシアのそれにはロマンがある。日本とは真逆の人口構成。若い人ほど人口が多く、高齢になるほど少ない。毎年6%ずつ増える人口、4人で一世帯としても毎年10万戸もの住居が必要だ。資源国であり、絶妙なインフレ率で伸びる経済成長。治安もまずまず。世界で最も富裕層が集まる隣国、シンガポールとの相互依存関係。だから、買うならクアラルンプールよりジョホールバールかもしれないと思うようになった。これについてはまた記事をあらためたい。のんびり暮らせないたちである。すきな場所を好きなだけ移り住み、死ぬ直前まで働きたい。つきることのないぼくの夢、これを実現させるための手段になりえるのだ。
柄にもなく資産のことについて書いた。
だけど実のところ、もっとも大事な資産はなんといっても身体である。それから時間。この2つこそは、失えば二度と取り戻せない。ぼくは過去大きな借金をしたが、お金はやがて取り戻せるものだということを経験から実感している。そもそもお金やモノはただの手段であり代用品にすぎないのではないか。
どうか身体と時間を大事にしてください。
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