「原爆は神の懲罰である」という論説で物議をかもした韓国大手新聞、中央日報。日本からの猛抗議を受け、「あれはキム・ジン論説委員個人の主張で、うちの公式見解じゃない」とつけ足し、本人からも陳謝されたようだ。
中央日報はサムスン財閥のひとつ。
それゆえ韓国では「サムスンの機関紙」とも揶揄される。保守系で、日本の日本経済新聞と連携している(ちなみに朝日新聞は東亜日報と連携)。サムスン電子をはじめとする韓国の大企業は輸出基幹産業、そんな韓国の貿易依存度は112%と世界でも群を抜いている(日本は29%)。そのように外需に頼る韓国経済にとって2012年末から続く円安ウォン高は、とっても悩ましい。原因を作ったアベノミクスが怨めしく、復活しつつある日本が妬ましい。妬みが高じて前述のような記事が載るのだろう。
そんな世論の後押しを受け、朴(パク)政権は周辺諸国に呼びかけ、日本を仲間はずれにしようと懸命だ。続けて非難できる材料を探すが、現在の日本に責める非は見つからない。だから100〜70年も前の歴史問題をことあるごとにひっぱりだしては、「おーい、また日本がひどいことをしてたぞー」と繰り返す。軍国主義が復活したと嘆いてみせる。世界はそんな韓国にうんざりするが、対日ではウマが合う中国とはお友達度がアップした。韓国はこれからますます中国に近づくのだろう。
だが韓国が日本をどんな卑しい言葉でののしろうと、世界から悪く思わせようとも、世界で売られる韓国製品の基幹部品は日本製である。韓国経済は輸出依存であり、韓国製品は日本依存なのだ。そのわりには外貨が足りない韓国。「足りなくなったら日本が外貨の保証をしてあげましょう」というのが日韓通貨スワップ協定だったはずだが、契約の延長を韓国のほうから断ってきた。貶めたい相手に援助してもらうのが恥ずかしくなったのかもしれない。
なぜ韓国製品の基幹部品は日本製なのか?
韓国の大卒新入社員の平均年齢は28歳(男子)と25歳(女子)。男性に限れば日本と5年も違う。理由のひとつは兵役で、これが2年。最も成長できる多感な時期を軍務につかねばならないのだ。なにより軍事活動を優先させることを軍国主義と呼ぶなら、韓国はりっぱな軍事国家である。日本の軍国主義復活ぶりを嘆いているヒマがあったら、自国をまずなんとかしろと思う。北朝鮮の脅威が理由というのもわかる。ならば中国・北朝鮮の脅威により、日本が武装せざるを得ない理由と同じ。だが日本国民に兵役の義務はない。韓国にはある。どっちが軍国主義国家だろうか?
▲ ピカソ作『Masacre en Corea(朝鮮の虐殺) 1951年』あのピカソも朝鮮戦争で韓国人兵士が市民(妊婦?)を虐殺しているシーンを描いていました
話をもどす。
日本より割高な授業料を払いながら苦労して大学を卒業し、兵役を2年、さらに就職浪人を3年してからやっと就業。大卒の就職率はわずか50%台。これが韓国の典型的な就職戦線である。だのに、せっかく苦労して入社しても3年以内にやめてしまう新人は7割もいる。会社でのいじめも多く、いまも体罰が残る韓国。差別意識が強く、大卒社員などは肉体労働などの汚れ仕事を嫌う。汗や油にまみれるのは奴婢の仕事だと拒否する。こうした気質や風潮が、熟練工がなかなか育たない原因になっている。ましてや匠など望めない。これは李氏朝鮮の両班(ヤンバン)の名残りで韓国の伝統でもある。さしずめ大卒資格者は科挙の及第者とでも思っているのだろう。
後に製品の多大な付加価値につながる高度な技術も、もとより日々コツコツとおこなわれる地道な作業があっての産物である。匠の技こそは、ある日天才的にひらめくものではなく、毎日飽きることなく繰り返され、気の遠くなるような細かい工程によって醸成されるのだ。試行錯誤が繰り返され、その集大成がようやくひとつのちいさな部品となる。日本ではトップ自ら汗をかくことを美徳とし、差別意識の強い韓国ではそれができない。手を汚す作業は奴婢のやることで大卒者ではないと。ちなみに韓国企業はどんな小さな会社でも社長室は別でスペースもたっぷりとる。
いまやソニーやパナソニックを抜いたといわれる世界的ブランド、サムスン電子ですら基幹部品は日本などから調達している。理由は同じ性能を同じコストで自社開発できない。加えて、独自開発よりも、他者の技術を特許料を払って生産しているほうが多い。たまにごまかしそれがバレて、高い制裁金を払わされている。米国では制裁金払いのトップ企業10のうち、韓国企業が4社もある。サムスンのギャラクシー初期モデルなんて、iPhoneのモノマネでしかない。高度技術製品は日本などに追いつけないが、人件費と生産効率性、ウォン安、法人税の免除(国策)などで優位に立っているにすぎない。
相応に地味で手間のかかる研究開発や隠れた小さな部品より、見てくれの最終製品と広告宣伝に持てる力を注ぎ込む韓国製品は、いささか製品価値がうすっぺらい。加えて、売上の8割を海外市場でまかなう収益基盤も、ウォン高に影響を受けやすくもろい。
近くて遠い国、韓国。
一時「韓国に見習え」という論調が闊歩し、やがて言われなくなった。おそらく見習うべきことが言うほどなかったのだろう。そんな韓国にだって学ぶべきことはある。かの国を見れば、日本がわかるからだ。なにがあって、なにが無いのかが。なにが必要で、なにが必要でないのかが。相手をよく見るためにも、距離は少し空けておいたほうがいいのだけど。
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