旅に出たいのをこらえてるとカメラが欲しくなる。われながらへんなクセである。たぶん前世は遊牧民だったのかもしれない。でもしょっちゅう旅に出るわけにも、カメラを買うわけにもいかないので、しかたなくちびきちの写真でも撮ってお茶を濁している。ちびきちにとってはなはだ迷惑な話だけど。
ケータイやスマホの普及の影響で、デジカメが売れなくなって久しい。ただのスナップならスマホで十分だし、アプリを使えばそれなりの作品に仕上がる。投稿や共有もカンタンだ。なによりカメラを別に持たなくてすむ。そんなわけでコンパクトデジカメを買う必然性がますます乏しくなってしまった。
消費者のデジカメに向ける目はますますきびしい。財布もきびしい。そんなわけでメーカーはものすごい努力をしている。とくに日本メーカーはすごい。スマホはやめても、デジカメは開発し続けているメーカーがたくさんある。スマホに奪われた市場の残りをさらにライバル会社と切磋琢磨するから、それはそれは素晴らしいデジカメが生まれることになる。
たとえばSONYのサイバーショットWX-300などは、光学20倍ズーム搭載で史上もっとも小さいカメラである。一眼レフなら500ミリなみのどデカいレンズを、カメラごとポケットにはいるサイズにしてみせたのだ。日本の技術ここに極まれり、である。
▲ SONYサイバーショット DSC-WX300 世界最小20倍ズームカメラ
旅のお供はもっぱらサイバーショットRX-100である。これはもう本当にすごいカメラで、カンタンに綺麗な写真が撮れる。だが光学ズームが3.6倍しかなく望遠に弱い。遠くにある建物を画面いっぱいに撮るには近くまで歩かねばならないし、遺跡の頂上などそもそも近寄れない。もう二度と来れないかもしれない場所やシーンで、これまでも「せめて10倍ズームがあれば」と悔やむことしきりであった。かといって、デカくて目立つカメラを持ち歩くのは旅先で大きなハンディになるのだ。それに、人混みの中でファインダーを覗いている観光客などは、スリにとって絶好の餌食になる。「さっと取り出し片手でパシャリ、だのにキレイ」がぼくの考える旅カメラの必須条件である。
サイバーショットWX-300は、しかもRX-100より一回り小さい。CMOSも小さいから画質は落ちるが、これで光学20倍ズームを搭載しているなんて、もう本当にびっくりである。
▲ やや自己主張がでている「20x」のロゴ。”Digital zoom”でなく”Optical zoom”というのがミソだ
ジャイロセンサー式手ぶれ補正」である。さっそくお店で試写してみたら見事、手ブレない。「スゴイですね」とぼくがいうと、店員は「はい、アル中でも大丈夫です」と答えた。つまらないので別の店で買うことにした。せっかくいろいろ説明してくれたのに気の毒である。
とにかく手ぶれ補正あっての望遠である。
気が利く店員あってのお店である。
クリートのシミまで視認。ここまで直線距離約1km、道路伝いで歩いていけば約2kmほど。
旅に出たいのをこらえるために買ったのに、よけいに旅に出たくなってしまった。まだしばらくおあづけである。
Wifiを装備しているので、スマホに画像を転送したり、スマホからリモートでシャッターを押せます。
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