誰から聞いたのか読んだのか忘れたのだけど
「四十になればすこしはまともなものが書けるさ」
というフレーズがずっと頭のどこかにある
むかしから本を読むのは好きだったけれど
国語は科目の中でもっとも不得意だったし
作文とか読者感想文の類が大嫌いだった
どうせ将来書く仕事をするわけじゃないし
などとあきらめ、書けなくても不便しないさ
などとひらきなおっていた
それをいつしか
書くのもまんざら悪くはないな
と思えるようになったのは、
どこかで冒頭のセリフを
読んだか聞いてからのことである
人間どうせいつか死ぬ
生きている間の何処かで、
寿命ならまんなかあたりで
すこしはまともなものが書ける
というのはまだ十代のぼくにとって
とても大きな励みになったのだ
もちろん、「まとも」のレベルは
普通の人が考えているより
ずっと低いのだろうけれど、それでも
書くことがいくぶん楽になったのも事実
それがブログやメールなど
毎日こんなに書くようになるとは
とても想像もしていなかった
していたら、きっとおじけづいて
書き始めるなんてできなかったと思う
そんな「四十」も、いまはむかし
書くことはどこか苦手のまま、とってある
たったこれだけのことを書くだけでも
ひとよりたぶん、エネルギーを使うから
そこで
八十になればもう少しまともなものが書けるさ
に上書きし、すこし肩の力を抜いてみたい
まあ、八十まで生きてないと思うけど
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