こんにちは、なおきんです。
きょうもイラ写にきてくれてありがとうございます。
2012年もいよいよ大詰め。きっと怒涛の日々を送っていらっしゃることでしょうね。ヨーロッパでは1月中頃まで飾られるクリスマスツリーも、日本ではツリーがあった場所には門松が、と余韻に浸る間もありません。クリスマスなんて子供の遊び、大人の火遊び。日本ではお正月こそ大事なイベント、ということなのでしょう。
人は誰しも例外なく毎年ひとつずつ年をとります。「齢(よわい)を重ねる」ともいいますね。身体的なピークを超えれば、あとは下り坂。モノや時代と同じ、古くなっていきます。熟すとか深みが増すなど、いろんな言われかたがあるけど、古くなることに違いありません。新しい年を迎え、またひとつ古くなる人間。もののあわれですね。
老いる。それ自体は悪くないのだけど、「衰える」というのはしみじみ悲しいものです。かつて出来たことが出来なくなる、冴えがなくなる、感覚が鈍くなる、見栄えがしなくなる・・ じわじわくるから普段はそういった自覚がなくても、ある日とつぜんそれを実感し愕然とすることも、まああります。若い人よりむしろ中高年がキレやすいのは、そんな五感の衰えからくる焦りなんじゃないかと思います。
目で見る、耳で聞く、鼻で匂う、口で味わう、肌で感じる。あらためて五感の持つ意味を、今年はとくに考えた一年でした。ネットが生活インフラとしてなくてはならないものになるにつれ、目と耳だけの二感情報だけでおなかいっぱいになっていないか。それで体験したつもりになってしまっていないか。そう戒めてきました。
ネットのおかげでぼくたちは、ずいぶん回り道をしなくてすむようになりました。店選びも服選びも、職探し、あるいはパートナー探しも。ぼくも道に迷わなくなったし、口コミ情報のおかげで失敗も減った気がします。買い物も安くできるようにもなりました。ありがたいですね。でもふと「こんなにラクしてちゃ五感が鈍っちゃうな」と思ったりもします。ていうか、いつか使い物にならなくなるんじゃないか、という危惧すら感じます。
直感の自信回復
ネットで楽に情報を得られるようになると、副作用として自分の直感より、他人の意見のほうを信じるクセが生じます。相対的に自分の直感を信じなくなり、ろくに考えもせず、すぐに答えを確認するクセがつく。直感には、自ら体験した多くの経験則が含まれています。ネットの検索にも引っかからないとてもパーソナルなもので、自分軸を支えてくれるものが直感だとぼくは考えます。ネット情報には、他人の目が気になり評判が気になる人を増殖させる場や機会がうんざりするほどあります。切れ間なくそれは繰り返され、ものごとの判断材料を他人に委ねることがごく普通であるかのようにインプットされます。
おかげでいちいち失敗をすることもなくなったのかもしれません。このことが失敗に対して臆病になり、学べる機会を奪っているという見方もできます。回復力があるうちなら、むしろどんどん失敗し恥をかいていいんじゃないか。それが直感を育て、自信を紡いでいく源泉になるんじゃないかと思います。便利なものが出たとき、それがなにを代替しようとするものなのかちゃんと認識しておく。その上で楽をするならすればいいと思います。
ぼくは意識してモノに触るようにしています。
手にとり、それを嗅ぎ、味わう。めんどくさがらずに自分でそこへ行き、可能なら直接触れ、そのぜんたいを体験として得ようとします。「気になったら、手を伸ばして触ること」あたたかいもの、つめたいもの、やわらかいもの、かたいもの。ひとつずつていねいに触る。なでる。つまむ。匂いをかぐ。五感から得られる情報はほんとうに大事。良いものを近づけ、悪いものから遠ざける機能は目と耳だけでは不十分ですからね。なぜ犬や猫が肉球をとてもていねいに舐めるのか、そんな理由がわかる気がします。直感の自信回復は、まず触れることからということでしょうか。
犬と暮らすようになったタイミングで、朝が早くなりました。誰に強制されたわけでも教えられたわけでもなく、朝の時間をたっぷりとる。それをここ数年かけて習慣にしてきました。効果はたくさんありますが、そのひとつに身体に毒素がたまりにくくなった。というのがあります。あれほどひいていた風邪と無縁になり、体脂肪が減りました。イライラすることも減り、してもとても短い時間だけ。あとにひかなくなりました。イライラは毒素となって体内に残り、じわじわと蝕んでいきますからね。
今年の更新も残り1〜2本といったところ。ひとまずここでイラ写に来てくれたあなたにお礼を申し上げます。今年も1年、ありがとうございました。今年最後のメッセージは「朝と五感を大事にしてください」です。
いつもよりずっと寒い冬になりそうですが、ぽかぽかとあたたかい心で毎日過ごしていただきたいと思います。
それではまた お会いしましょう。
なおきんでした。
■ 六本木ヒルズに出現したドイツのバイナハツマルクト(クリスマス市)。グリューワインの香りが漂い、焼いたソーセージの香ばしい匂いにやられ、めったに並ばない列についてしまいました。とても懐かしくまた味わい深いものでした。第二の故郷であるドイツはぼくにとって遠くなってしまったけれど、火ダネはいつも心のなかで薪をくべられるのを待っているのかもしれないなあ、とふと思う今日この頃です。
最近のコメント