土曜日の起床は普段より遅めの5時半。
バスタブにお湯をはり、本を読むために入浴をする。柑橘系のバスソルトで脳の毛細血管が緩むせいか、文字がよく頭に入ってくる。たっぷり2時間。集中力も続きなんとか一冊読み終わった。
軽くストレッチをしてから犬の散歩。
ちびきちは嬉しいのか跳ねるように歩く。空を仰げば、ぼんやりと空けきれないオレンジ色の雲がひろがっている。昼から雨が降るでしょうとSiriが機械の声で言う。
家に戻り、ちびきちに餌を与え、ぼくは暖めたミルクに濃いコーヒーを垂らして飲む。そのようにして休日の朝を過ごしながら、北朝鮮のことを考えてみた。
なぜこのタイミングにミサイルを!?
メディアはどこもけたたましい。やつらに追加制裁を!というが、もともと日米欧、北朝鮮とはほとんど取引はない。貿易を止めてもなにも変わらない。北朝鮮からすれば中国がいればじゅうぶんである。加えて中東やアフリカだって取引がある。
発射台に設置してあったロケットを解体し、別のロケットを米国衛星からの監視に発見されず設置しなおしてみせた北朝鮮の技術は、ミサイル発射成功そのものより恐ろしい。日本にとってはこれこそが脅威だ。衛星打ち上げ失敗ばかりしている韓国は、さぞ焦ったことだろう。
このタイミングで発射してみせた理由は2つある。
16日の韓国大統領選挙と17日の金正日の命日に間に合わせたいからだ。前者は韓国新政権への牽制で、後者は国内経済改革に不満を持つ軍への牽制だ。いちかばちかだったが、成功したから金正恩体制は俄然有利になった。たとえ軌道を回りはじめた物体がホンモノの人工衛星であろうと、なかろうと。このつぎ北朝鮮がやるのは核実験とみていい。
同じころ、中国はプロペラ機を尖閣上空に侵犯してみせた。こちらの理由も16日の日本の総選挙に合わせてやったはずだ。政権を奪還するだろう安倍政権への牽制である。これに対しF15を8機も飛ばした航空自衛隊は、後につづくかもしれない中国戦闘機を警戒した。だからE2C早期警戒機も上げた。
中国戦闘機は今回は来なかったが、近いうちに侵犯してくる。海上と2層でくるかもしれない。だが、性能でまさる自衛隊機は中国機をただの1機も撃ち落とせないし、1艘も沈められない。世界でもめずらしい「交戦権を持たない」国だからだ。中国はそのことを十分理解している。彼らは1戦交える気まんまんである。先手必勝は彼らの手の内にある。政府には向かう人民の敵意をそらすことができるから、日本との交戦は中国にとって悪いことばかりじゃない。そうなると今の憲法のままでは、日本側に大勢死人が出るのは避けられないだろう。「憲法第9条」は日本を敵にした側に有利に働くからだ。
コーヒーカップを流しに戻し、
韓国の通貨スワップについて頭を巡らす。
慢性的に外貨が不足している韓国は、足りなくなった時に助けてもらうために日本と通貨スワップを組んでいた。米国に断られ「日本にしてもらえ」と言われてやっていたが、9月の李明博の竹島訪問と「日王は謝罪したらいい」発言で、契約延長無しとなった。日本に頭を下げることを拒み、中国にお願いした韓国。さっそく12月終わりから中韓で通貨スワップが始まるという。
これが何を意味するか?
韓国の「離米従中」である。
好むと好まざるとにかかわらず、韓国は中国に弱みを握られたまま、かつての李氏朝鮮時代のように小中国に一歩近づく。中国主導のもと北朝鮮との和解が強まり、北に向けていた砲をくるりと南に反転させるかもしれない。
北朝鮮、中国、韓国。
変わりつつある東アジアの地政学。
そこそこ幸せならそれでいいじゃないかと思う。だが「このままでは割が合わない」と考える人々が、そこそこな人々を超えているかもしれない。
旧iPhoneに接続したスピーカーでFM放送をかけながら、これを書き終えると同時に乾燥機も止まった。アイロン台を出し、ラジオを消す。シャツにアイロンをかけながら、iPadで古い映画を一本観るのがいつしか習慣になった。モノクロのヒッチコック、あるいはヌーベルバーグ。
やがてこんな生活もできなくなるかも?と覚悟をどこかで決め、アイロン台に意識を集める。ちびきちはクッションの上で丸い。
時計の針は10時半。
あとでもう一度散歩に出かけようと思う。
できれば雨が降り出す前に。
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