納豆は100回以上混ぜること。
強制的に寮にぶち込まれていた中学時代、そこの寮母からそういわれた。味もよくなるし、栄養も増えるからと。まだローティーンズだったぼくは「栄養」という言葉に弱かった。1万回混ぜるとカニ味噌の味がする、と言ったのは先輩だが、そもそもカニ味噌の味なんて知りようもなかった。いまなら、だったら最初からカニ味噌を投入したほうがいい気がする。味はどうかと思うが。
気づけばそこに iPad mini があった。
封をあけ、電源を入れたとき、なぜか前述の「100回混ぜた納豆」を思い出す。iPad mini のどこが納豆なのか?なぜ100回なのか? つくづく人間の脳の仕組みがわからない。「混ぜると栄養価が上がるというのは本当か?」なんてことを考えながらWi-Fiにつなげ、iTunesの音楽や写真データをリストアする。相変わらず気持ちいいほどカンタンにセットアップできる。電子機器でここまでマニュアルが要らない商品もめずらしいのではないか。など感じながら、いっぽうで「椎茸だって干すことで栄養価が高まるじゃないか」などと考えている。
▲ ロゴは黒からシルバーへ、スピーカーはモノラルからステレオへ変わった
アルミニウムとガラスのボティが相変わらずセクシーだ。いつのまにか手にしたくなるのも、そんなボディの質感にあるとつくづく思う。スペックとか、そういうのはあまり気にならない。びっくりするほど薄く、つるんと軽い。それだけでもう十分である。「愛人を持つ」というのはこんな感覚なんだろうか? 妄想のシルバー・ボディ。アップルのロゴはシルバーになった。”iPad“の文字も同じくシルバー。”mini” とは付さず、iPad とだけ。
▲ カメラは前後ひとつずつ装備。後カメラの画素数は500万
カメラのレンズまでが官能的に思えてくる。薄くなったiPhone5よりも薄いボディに、レンズが5枚組み込まれている。明るい写真が撮れるのもこれのおかげ。
あまりにすべすべで薄いので、きっと手から滑り落としてしまうに違いない。そう思ってジャケットを装着した。色はオレンジ、このごろ沈みがちな気分も明るくなればと思う。
▲ iPhoneと大きさを比べてみたところ
▲ オプションのSDカードリーダーから画像を読みこんでいるところ
ネットで調べてみると、どんなにかき混ぜても納豆の栄養価は上がらないとある。味は良くなるんだそうな。旨味成分であるグルタミン酸がにじみ出るからと。かき混ぜると旨くなる・・・なんだか人生を示唆しているようではないか。
▲ 「目にやさしい」といわれるブルーライトをカットする保護フィルムを貼りました
納豆買うのに迷わない人も、iPad mini なら迷うはず。こっち100円、あっち3万円。高くつく。だが迷ったら最後、買うべきでないとぼくは思う。それから現物に触れずに買うのもおすすめしない。手にふれて、ビビっときたら買う。「あとで後悔するかも?」と思いつつ買う。
それが「愛人」たるmini にふさわしい。
▲ その場をiPad mini で撮影
夕暮れのススキが晩秋の趣です。【iPad miniで撮影】
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