赤ワインを飲むと必ず下痢をする。
そんなおかしな体質のため「たまに下剤代わりに飲むことはある」と冗談をいったら、赤ワインに失礼じゃないかあやまれと周囲の赤ワインファンに叱られた。なるほど赤ワインには熱心な信者が多い。白のほうがずっと美味しいのにと個人的には思うのだけど。
赤ワインにはポリフェノールがたっぷり含まれていて、信者の多くは「健康にもいい」ことを強調する。フランス人は心筋梗塞で死ぬ人が少ないのはこの効能のおかげだというが、その前にワインの飲み過ぎで肝疾患で死んじゃうからだという説が有名である。事実、フランスの死亡原因に肝疾患は多い。
ひとことでポリフェノールといっても、さまざまある。
大きく「フラボノイド系」と「非フラボノイド系」とに分けられ、前者がカテキンやアントシアニン、クルクミンやクロロゲン酸など、後者にルチンやイソフラボンらが含まれる。概して血管や血をきれいにし、がんや肥満を予防する。有害な活性酸素を抑え、動脈硬化を減らすから、心疾患や脳疾患になりにくいカラダを作る。ストレス耐性も強くなる。なかなかイイトコずくめである。日本人の3大死因(一位がん、二位心疾患、三位脳疾患)を予防してくれるのだから。
かといって、まいど赤ワインで摂取してたら身がもたない。お腹だってピーピーだ。そんなあなたに(いやぼくのことだが)おすすめなのがココアである。ココアにはカカオマスポリフェノールがたっぷり含まれていて、一杯のココアに含まれるポリフェノールは同じ量のワインよりも多い。
また、ココアをホットチョコレートと訳す人がいるが、これは誤解のもとである。ホットチョコレートは、単にチョコレートを火にかけ溶かした飲みもので糖分や油脂などのカロリーも膨大だが、カカオは豆からカカオバターを取り除いて粉末状にしたもの。低カロリー商品である。嗅げば鼻血が出そうなくらいスゴイ カカオ臭だが、ポリフェノールの含有量もまたスゴイのである。
ココアは子供の飲みもの
などとつい思いがちだが、生活習慣病のリスクが高い大人こそ飲むべきではないかと思う。赤ワインもいいが、甘さを抑えたココアもりっぱな大人の飲みものである。肝疾患の心配もないし、たぶん下痢の心配もない。なまじワインのウンチクを傾けすぎて女の子に引かれることも、たぶんない。
うんちくを傾けすぎて引かれたのは、なにを隠そうかつてのぼくである。おまけにトイレに立ちすぎて、ワインバーで女の子に先に帰られたこともあった。
教訓は「話すよりも傾聴する」であった。
ほろ苦い経験は、バカをひとつ大人に変える。
ココアもそうかもしれない。
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