このごろまた韓国の動きが心配である。
2011年末にソウルの日本大使館前に従軍慰安婦像を設置したかと思えば、こんどは李明博韓国大統領の竹島上陸(2012年8月10日)。さらに、竹島防衛のための軍事演習までやろうとしている。仮想敵国は日本、攻めて来るのは自衛隊という想定だ。
こんなふうに韓国は、ここんところ日本人の感情を逆なでするようなことばかりしている。ロンドンオリンピックの男子サッカー3位決定戦のあとで「竹島は我が領土」というメッセージを上げる選手がいたり、「ユニフォームが旭日旗そっくり」だからと、日本の体操選手から金メダルを取り消せとオリンピック協会に訴えてみたり・・・
▲ 試合終了後「独島(竹島)、我が領土」というメッセージを掲げる韓国選手
いつものことながら、やはり目に余るものがある。李明博になって日韓関係はだいぶ良くなった印象があっただけに、とても残念である。
いったい韓国に何があったのか?
善悪論にまかせて相手を非難するより、イラ写的にはこっちが気になる。
韓国から見て、北朝鮮と日本はまるでシーソーの両端である。つまり反比例の関係性だ。親北傾向が強まるほど反日傾向も強まり、親日傾向のときは北と反目する。李明博は出身がビジネス畑ということもあり、利のある対米協調路線をとってきた。そのおこぼれで、日本との関係も良好であった。世論が竹島問題で日本敵視を強めても、しばらく韓国政府はそれに乗らないよう努めてきた。
それがなぜ路線変更されたのか?
▲ 韓国にとって北朝鮮と日本はシーソーの関係、相入れない
もともと韓国国民は政府批判が大好きである。
これはもう伝統行事のようなもの。だから韓国政府は、批判をかわす術として常にどこかに「はけ口」を作る必要がある。もっとも安全なのは「反日」である。反対する敵が少ないし、後腐れもない。日本の反日マスコミの支援もある(どうかと思うが)。韓国人同士が争っていても、どちらかが「それにしてもイルボン(日本)はひどい奴らだ」と言えば、怒りの矛先をそらすことができる。
折しも韓国は大統領選挙が控え、対米と対北、どちらの路線でいくのか、テーブルの下で脚のけとばしあいをする時期だ。北朝鮮に埋もれた資源をめぐり、中国と米国の動きも気になるところである。統一すれば自国領土でもある場所の資源である。なのに、中国は北朝鮮に大いに借りがあるから利権には食い込んでいるだろうし、意外と北朝鮮は米国に片思い中。この点では米国もまんざらでもなさそうである。このまま北朝鮮を敵視していては分が悪い、韓国にはそんな焦燥感もある。
となれば話は早い。
次の政権を取るのは北朝鮮と協調路線が取れる党であり、大統領に選ばれるのはその党首である。与党が引き続き政権を取るためにも、李明博には親北協調路線をアピールしてもらう必要がある。そこでまず、6月に締結するはずだった日韓防衛協定を棚上げした。そして8月には竹島に上陸してみせた。日本側が怒るのは百も承知である。たとえ気心知れた民主党であってもだ。むしろどんどん怒ればいいと思っているふしもある。いっそ、有名な政治家が靖国参拝してくれればなおいい。反日デモで思い切り盛り上がれるからだ。
竹島については(あつかましくも)、北朝鮮までその領有権を主張している。なのでホンネでは韓国の竹島実効支配は苦々しい。 けれども、次の韓国政権は自分たちに都合がいいはずという空気を察して、さっそく「日本は独島(竹島)を乗っ取り、朝鮮半島再占領の足がかりにしようとしている」と国営マスコミに発表させた。自分たち共通の敵は日本、ということを強調してみせたのだ。
国内問題から目をそらすために「反日」を利用するのは、韓国も中国も同じ。意外なところで日本は国際貢献をしているのである。
うれしくないけど。
最近のコメント