うらやましい

自分より豊かなひとを、うらやましいと思う。
格差是正という声のウラにはそんな心理がある。ゆえに平等へのエネルギーは妬みという薪で燃やされているのかもしれない。

お金を持っている人よりも、ぼくは、才能を持つ人のほうをうらやましいと思う。足の早い人、計算の早い人、立ち直りの早い人、話しの上手い人、などなど・・・。加えてブログを定期的に更新するようになってからは、絵の上手い人、文章の上手い人をうらやましく思うようになった。

絵の上手い人や文章の上手い人は、表現方法が上手いだけでなく、自分の思い描くことを相手にどう伝えるか、どう楽しませるか、というセンスがとてもいい。「伝わる文章」の書き手が共通しているのは、書く「目的」と読む「相手」をはっきりさせていることだ。

好きな文章や本は、まるで肌に軟膏をすり込むようになんども繰り返し読む。その代わり、最初の1ページから好きになれない本は、途中でも読むのをやめ、捨てるかブックオフに売る。ずっと保有したくなる本など10冊買って一冊あるかどうかだ。だからぼくの本棚にある本の9倍は、そのようにしてぼくの元を離れていった。なんといっても本は、その値段よりも読む時間やスペースのほうがコストが高くつく。

あなたやぼくがそうであるように、他人の書いた文章は何でもかんでも読みまくる、というひとはいない。見ず知らずの他人に自分の文章を読んでもらうのは、カンタンなことじゃない。ましてや読み続けてもらうなんて、もう至難の技である。だから文章にまったく自信のなかったぼくは、イラストを手書きしてそれを文章の前に置くという方法をとった。文章だけで勝負するというゲームを放棄したのだ。同時にイラストだけの勝負も捨てているのだけど。

中途半端な x (イラスト + 写真 + 文章)= イラ写
というわけだ。

ぼくにとってブログとは、やっぱりお店だ。
創業者がひとりでやっている小さなお店。開設当時、まさか7年も続くとは夢にも思わなかったけれど、いまもこうして存在していられるのは今日もこうして来店してくれるあなたがいるおかげです。

コンビニで買ったビールと、お店で出されたビールの味が少し違うように、「このブログは一味違う」と言っていただけるよう、うまい文章やイラストを見つけては、これからもうらやましがろうと思う。

うらやましいことって、目標みたいなもんだ。
これからもどんどん、うらやましがりたい。

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9 件のコメント

  • なるほど。うらやましいという感覚にそういう解釈もあるんですね。
    あたしは「東京イラスト写真日誌」っていうお店、好きです。
    マスターが出してくれる他とはちょっと違った着眼点のメニューが新鮮で美味しくて…(笑)
    いろんな苦労を感じさせない、いや、苦労してるからこそか、それを表面に出さず、自由闊達な雰囲気を醸し出すなおきんさんの力量が「うらやましい」です♪

  • 私にも、いろんな「うらやましい」があります。
    それこそ、山のように。
    「いいなぁ、うらやましい」と言ってもらえるところは、ひとつかふたつしかないけれども。

    この差があまりにもありすぎて、落ち込んじゃう原因になるので、普段、あまり考えないようにしています。

    でも、頑張るベクトルにすれば「うらやましい」って、悪くないのかぁ。
    ちょっと思考を変えてみようかな。
    今日もありがと。
    いつもありがとう、なおきんさん。

    文章も絵も視点も、他にはない魅力を感じます。
    「イラ写」の大ファンですもん、私。

  • なおきんさん、こんにちは〜
    私は何かに熱中できるものを持っている人がうらやましいです。
    それは誰かのファンとかでも収集癖でもなんでもいいんです。人は好きなことに没頭しているときが一番幸せな気がします。

  • 僕も文章力はありませんし、要点をまとめる能力もありません。絵を描くのは好きですが、下手の横好きというやつですね。
    それでも絵を描いて、ブログを更新するのは自分の気持ちを整理する・確認するという気持ちからなのかも知れません。当然、僕のブログに訪問していただいている人が、読みやすい文章を考えて書くようにはしているのですけどね・・・そろそろ文章力も画力も上達したいものです。

    『イラ写』は僕にとって色々な情報収集、発想の転換の場です。今後も通わせていただきますし、つたない文章ながらもコメントを書かせていただきますね。

  • なおきんさんのイラスト・写真・文章ともに全て好きです。だから長年こうやって遊びに来られるのかなぁ〜と改めて思いました。久しぶりに飲みに行きたいですね(笑)

  • 市井みさとさん、一番ゲットおめでとさまです!
    いつもご来店ありがとさまです。まいど、カウンター席のお客さんのためについ、はりきっておかしなカクテルを作っちゃうバーテンダーの気分です。「美味しい」といわれたらそれだけで疲れが吹っ飛びます。
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    はてなさん、
    ひとつでも「うらやましい」と思わせるものがあれば、もうじゅうぶんだと思います。「なりたい自分」は、なってしまってからよりも「なりたい」とうらやましがっているときのほうが、楽しいもんです。いつも自分で1からやる必要もありません。「ひとを模倣」することもOK。好きな画家の絵をなぞったり、好きな文章を書き写したり。まさに「写経」のようなもんです。
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    IBAさん、ごぶさた!お元気ですか?
    だいじょうぶ。IBAさんもずっと表現し続けていらっしゃるのでは?ぼくはたまたま「イラ写」があるから、そこに記しているだけです。
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    gioさん、
    そうそう、「何かに熱中している」ときっていいもんですね。脳の血行にもいいみたいです。脳が元気だと変な病気にもかかりにくいですしね。「いい大人が・・」などと言われるようなことを、ばかみたいに熱中するのが個人的には好きです。
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    ニモさん、
    ぼくの写真!?それはどうもありがとうございます。次回の旅行記は来月になると思いますが、がんばって現地から写真やイラストをアップしていく予定です。たのしみにしててくださいね。
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    mu_ne_2さん、
    「下手の横好き」と謙遜されてますが、ぼくはmu_neさんのイラストと文章に、いつもほっとさせられます。「いろいろあるけど、今日もいい日だったね」みたいな気になれます。写実力みたいなテクは、とにかく好きな作家の本を読みまくるといいですね。
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    siusiumaoさん、
    ホント、長くおつきあいただきありがとさま。「すべて好き」といわれるとドキドキしてしまいます。あんまり自信はないけど、自分をその気にさせては書いてます。いつかまた飲みに行きたいですね。
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    __さん、こんにちは。
    感想を伝えてくれてありがとうございます。これからもイラっ写っていただくとうれしいです。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    なおきんプロフィール:最初の職場はドイツ。社会人歴の半分を国外で過ごし、日本でサラリーマンを経験。今はフリーの立場でさまざまなビジネスにトライ中。ドイツの永久ビザを持ち、合間を見てはひとり旅にふらっとでるスナフキン的性格を持つ。1995年に初めてホームページを立ち上げ、ブログ歴は10年。時間と場所にとらわれないライフスタイルを めざす。