「どんなタイプの女の子が好き?」
など聞かれることはもはやない。
そういうものである。
恋愛適齢期なんかもうとうに過ぎた。
それでも、いつか聞かれた時に答えようと考えてみる。だが、この年くらいになると、ルックスとか性格すらもどうでも良くなる。「だれでもいいです」というのが関の山。
あらためて思う。聞かれなくなったというよりは、もう答えられなくなったのだ。タイプとかそういうのより、「いまの喋り方」とか「しぐさ」とか「視線」などといった切り取られた瞬間にグッと来る。その繰り返しや積み重ねがあって、ある日誰かを好きになったりするのだろう、そんな気がする。
刹那という言葉が好きだ。
人の生きざまの儚さが愛しい。
さいきん自分は肉筆に萌えることに気づいた。
パソコン文字の反動なのかもしれないけれど、人の手によって書かれた文字には意味以上のものが詰まっている気がする。そこにはちゃんと脳や心の震えのようなものもある。
手紙のようにかしこまって書かれたものより、あまり意識されないまま書かれた文字がいい。
変態だろうか?と自分で思う。
まあ変態なのかもしれない。
パソコンに向かってキーを叩く姿にはなにも感じないが、ノートにペンを走らせるしぐさはセクシーだ。とすら思う。インテリジェンスを感じさせる。いつのころからか、そんなふうに思うようになった。
てなわけで
ぼくのタイプの女の子は「ペンで文字を書くひと」ということにしました。だれが書いても「MSゴシック」な文章ばかりでは不感症になってしまいそうなので。
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