ぼくはTPP導入に反対の立場だ。
でも、導入されればされたでこの国のガンである「官僚機構」にメスがはいるかも?と期待もしている。
もちろん日本発による日本人のための改革が望ましいのだけれど、既得権益を守ろうとする者たちの力が強すぎて、なかなか前に進まない。そこで世界のナベアツならぬ、世界の外圧を利用させてもらおうというわけだ。
日本の農業は競争力がない。と言われる。
ならば競争力をつけるのが筋だが、すっかり開き直っているのが農協団体だ。「助成金をもっと増やせ」と彼らは言う。それゆえ条件闘争のためにTPP導入に反対していたのなら、ぼくはこれには与しない。
おおよその日本の官僚がそうであるように、農協団体も自分たちの利権を守るのに必死だ。金持ちや企業からもっと税を納めさせ、こっちによこせと言っている。おかげでよくわからない助成金や補助金がやたらと増えた。しかも、いろんな外郭団体が間に入っている。その一方で、企業はほおっておけば金儲けばかり考える悪いヤツラだからたっぷり税金を取ってもいいことになっている。
▼ 各国の法人所得課税の実効税率(OECD平均31%)
【出所】総務省2011年11月(税率は地方税と国税を足したもの)
金持ちなんて自分がよければそれでいいと思っている悪いヤツラだから、財産を奪ってかまわない。これは共産主義者たちの常套句でもある。
だが「自分たちだけがよければそれでいい」と思っているのは、むしろ高級官僚たちだ。自分たちの既得権益は一切放棄しないでおいて、誰か別の懐から奪うことばかりを考えている。増税は必要かもしれないが、その前に官僚たちが使い散らかしている予算をなんとかしろと。かつてのソ連にもノーメンクラツーラ(高級官僚)が大きな顔をしていたが、やがて国ごと滅んでいった。
政府や官僚はなにも生み出さない。
税を集められるだけ集め、いささか公平でないやり方で再配分をしているだけだ。
それゆえ自分たちの取り分はしっかりいただく。平均年収1300万円をいただいた上、天下りを数回行なうのがお約束。退職金は平均3回、あわせて1億円。これが官僚として当然の権利だと思っている。
医療、教育、そして農業。
こうした分野に自由競争を導入しようとすると、きまって大反対が起きるのがこの国だ。「日本の文化が失われる」「国民の安全が脅かされる」と騒ぐ。騒いでいるのはぼくたち国民なのかもしれないが、踊らせているのは別のひとたちだ。
そんなことより、ぼくはこの国の農業のありかたについて暇さえあれば考えている。やたら規制のある土地や耕作に縛られない方法で、たとえば工業製品のように農作物が生産されないものかどうか?
たとえば、工場のように建屋で生産される葉野菜やキノコ類が増えている。つまり水耕栽培で作られる農産物だ。広い土地も土も不要。しかも畑で作られたものより栄養分も高く、美味しい。家庭用にキットが売られていたりする。効率化が一気に進み、食糧問題の一部がこれで解決できればと願う。「水耕栽培」でググれば、いろんな会社があることがわかる。
海産物もだ。
うなぎのように陸上で養殖する技術が近年、ますます進化している。管理が行き届き安全に生育できる養殖魚は、引き続き技術革新が期待される分野で、これからもっと発展、拡大するはずだと思う。規制が多くややこしい、土地問題や国境問題にジャマされることもない。
ともあれ言えるのは、市場に任せるということだろう。
生活に必要なものは企業活動の中で生まれる。企業による実体経済である。実体経済は市場の中で切磋琢磨され、消費者に鍛えられる。おかしなことをすれば、官僚が規制しなくたって消費者にそっぽを向かれ叩かれる。国民は馬鹿じゃない。わざわざ税金を無駄に使っておかしな団体を作って管理させる必要はない。
世界一厳しい消費者のいる日本。
だからラーメンは美味しくなり、服は安く丈夫になる。
まだまだ日本の未来は明るいのだ。
官僚たちがジャマさえしなければ。
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■ アジアンタム
パソコンのような人工的なものをしばらく見ていると、たぶんに気分がささくれたりしませんか?ぼくにはあります。そんなときのために、ぼくは必ず鉢植えをデスクの上に置いておき、目を休めるためにそれを眺めます。そんな鉢植えの植物は大きかったり尖った葉ではなくて、どちらかといえば、まあるい小さな葉がたくさんついているのがいいですね。目にも、それから精神的にもおだやかな気分になります。アジアンタムって、まさにそのイメージ通り。なぜか、ベトナムでみたアオザイ姿の女の子が思い出されます。
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