先日、福島のいわき市を訪れた。
あの日、大地震が起こり、津波がやってきた。
その時なにが起こったか、相応に知る。
ここに高さ17メートルの海の壁が
立ちはだかったことを、来てみてようやく実感した
あったはずの家は根こそぎなくなり
爪あとは、至るところに
圧倒的な力の跡と共に、残される
やがて丘の灯台にも
夕暮れが訪れ、きょうも終わるのだろうが
夏は賑わう海水浴場のトイレは、終始ひと気なくたたずむ
終わらないものも、
終われないものも、あるのだろう
ふと、八木重吉の詩がうかんでくる
くものある日、くもはかなしい
くものない日、そらはかなしい
雲間からひかりがあたりをさす
まるで聖者の通り道でも、そこにあるかのように
天が癒すことの出来ぬ悲しみは地上になし
トーマス・モアはそういった。
ほんとうだろうか?
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