沖縄はゆすりの名人

思えばさいきん、米国の悪口ばかり書いている。

そのせいか「あなたは反米主義者ですか?」
的な質問がメールで多い。
だけどぼくは○○主義者というのが好きではない。
できれば一方に凝り固まらず、柔軟でいたいと思う。
ついでにいうなら、主義主張を唱えて
ご飯を食べているひと達があまり好きでない。
例えば、プロの市民運動家と呼ばれる人のことだ。

大震災の6日前、
「沖縄はゆすりの名人」という報道がされた。
発言者は米国務省日本部長(当時)ケビン・メア氏。
メア氏は、この報道で叩かれたことを理由に辞任した。
マスコミは鬼の首をとったかのようにはやし立てた。

メア氏といえば、足掛け25年日本に在住し
知日家として知られた人物(奥さんは日本人)だ。
在沖縄米総領事として3年間、勤務経験もある。
長年にわたり、日本の立場を本国に伝える
日米の橋渡し役でもあった。

だからニュースで発言を知ったとき「まさか!」と思った。

しかし、やはりデマだったようだ。
共同通信記者のやらせ記事であった。

「沖縄はごまかしとゆすりの名人」というのは、
共同通信の記者が、メア氏とインタビューした米学生を
取材して書いた伝聞記事。しかもこの米学生は
沖縄基地反対運動家であることがあとでわかり、
この記者は彼らを自宅に泊まらせたりと
懇意にしていたこともバレた。
メディアの公平さに欠ける行為だ。
この記者も運動のシンパなのかもしれない。

マスコミの異常な騒ぎように米国務省はビビり、
日本世論との摩擦を避け日本部長だった同氏に異動を命じた。
濡れ衣を着せられたメア氏はこれに、
抗議の辞表を叩きつけたというわけである。

メア氏は日米安保を重視しており、
中国の脅威をとても警戒していた。
このことで米軍基地反対を唱える
運動家から敵視されていたのかもしれない。

さて、沖縄から在日米軍がいなくなって誰が一番喜ぶか?
住民ではない。実は中国である。

ぼくは普天間基地異動をめぐる一連の動きや、
思いやり予算については不服がある。
官僚の対米従属主義は、日本を亡国に追い込むとすら思う。

だが自衛隊の戦力だけで沖縄を護れない限り、
米軍のサポートは必要だ。
でなきゃ抑止力が失なわれ、
中国は軍事行動を起こしやすくなる。

中国にとってありがたいのは、日米安保の亀裂だ。
米軍は怖いが、自衛隊は日本政府を脅しておけば
手を出してこないことを知っている。

攻撃はまずは台湾、それから沖縄だ。

胡錦濤政府は軍部を完全に掌握していない。
軍主導で暴走する可能性は、残念ながらあるのだ。

ただでさえ「沖縄はもともと中国の領土だ」と
中国側メディアは、以前は控えめに、
いまではどうどうと言うようになってきた。
沖縄に中国領事館を設置し、
スパイ&破壊活動を行おうとしたこともある。
中国人による沖縄の土地買いが目立つ。

それと、沖縄はなぜか左翼運動家が多い。
去年行った沖縄で雇ったガイドにもその傾向があった。
さんざん旧日本軍の悪事についてしゃべり、
まるで日本軍が沖縄を攻めたかのようだった。
ぼくが「旧日本海軍跡に連れていってほしい」と頼めば、
「そんなとこガイドできません」と断られ、
タクシー内で口論になったりもした。

反日教育で育てられたのはお互いさまだが、
かといってそれを広めなくたっていいだろうにと思う。
人物的には、人間味のあるとても良い人だったのだけど。

こういう土地柄だ。
たとえ在日米軍が去り、代わりに自衛隊が守るようになっとしても、
市民運動家はあいかわらず
「基地反対!」「自衛隊は本土にもどれ!」
などと騒ぐのだろう。

そう考えるとなんだかとても悲しくなる。
いったいどこでボタンの掛け違いがあったのだろうと。

中国が日本に対していつも強気なのは、
少々乱暴なことをしても『歴史カード』をつきつければ、
たいてい黙るからだ。他の国はそうは行かない。
そろそろ日本も「そうはいかない」ふうになんないだろうか。

不思議なことにこの国の首相は
「正しい歴史認識」を持つとたいてい辞めさせられる。
どじょう野田さんも、安倍さんのようにならなければいいのだが。

6 件のコメント

  • 今日は。
    沖縄を中国人に買い取られてしまった!!なんて、情けない事になるでしょうか?そうなると国籍を変えたい気持ちになりそうだ。それに中国の「歴史カード」の十八番、しがみ付き度が最近、笑える様になってきた。「またか…」海外で育ち、暮らしていると視点が遠ざかってアホらしく観えてくるのかな?中国にボロクソ言われながら日本の政治家はヘコヘコしては商売は普通に成り立っている変なアジア。

  • なるほどぉ〜そうだったんですね。メアさん。
    コロリとだまされる世論、やらせだの、言葉狩りだの、庶民が真実を見極める事は、本当に難しいんですねぇ。。。

  • こんばんは。

    最近のメディアの在り方には「?」な感じで発信された情報を単純に受け入れられなくなりました。

    某匿名掲示板だったりネットニュースでのコメントを拝見してから情報を解釈しています。

    前からわりとそんな感じだったのですが一方的なソースは受け入れられないようになってしまったのが善くも悲しい現実です。

    そんな国内大衆メディアに存在価値を見いだせなくなってしまったのは僕だけではないはずです。

    重要なソースはたいていYouTube等にUPされていますからね。

    今回の内閣の動向を情報分析力を駆使して見守りたいと思います。

    大衆放送に躍らされないように産経以外はしばらく封印します(笑)

    失礼いたしました。

  • 沖縄も中国に?
    北海道だけではないんですね!
    四季の素晴らしい日本を他国に奪われたくありません。

    目先の現金に惑わされて土地が売られて、気付いたら中国人ばかり…なんてことにはならないでしょうか?

    中国語を話さなきゃならなくなる日がきませんように!
    まさか、だから第二ヶ国語で大会社でも中国語を勉強するような風潮が広まってるんじゃないでしょうね?
    日本に住んだ者勝ちなの?

    昔は戦争で植民地にしたりしたけれど、いまはまず文化や芸能が入りこんだり会社の吸収合併や、ブランド商品を買う形で、国民がその国に親しみを覚える形で自然に知らぬ間にじわじわ…だったりするのかな?なんて時々思ったりしちゃいます。

    もしそうなら、あの国やあの国も日本を狙ってるの?
    私の考え過ぎ?

    昨日は東北大震災から半年。
    9.11事件から10年。

    9.11は11便だったのね。
    「11」が多いけれど偶然?
    そういえば、阪神大震災は1.17…。

    ただの偶然?

  • 「マスコミの異常な騒ぎように米国務省はビビり」の箇所にキズを感じます。アメリカの諜報調査能力があれば、共同通信の記者の「やらせ」を読むくらいお茶の子さいさいではないでしょうか。一記者のやらせに乗って、長年対日関係に尽くした虎の子のようなアメリカ外交官の人財を切るには、切らねばならぬ理由があったのでは。
    これまでにアメリカ国務省が「日本のマスコミの異常な騒ぎ用ように」反応したことって一体あるんでしょうか?

  • 寿司屋のセガレさん、一番ゲットおめでとさまです!
    日本の政局それぞれに媚中派(中国に媚びる派)媚米派、そして愛国派なる族が存在しまるで三国志の様相です。ただしマスコミは共同通信社をはじめ総じて左派。日本が普通の国に見えないのはこのことと、そんな国内事情に味をしめ対日政策を講じる共産中国と、これにリークし世界中で反日ロビー活動をしている華僑も原因のひとつですね。これは1930年代から脈々と受け継がれているようです。コワイですね。
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    jamさん、
    世論誘導をするものが誰であれ、同時にぼくたち庶民は着々とかしこく対応しているような気もします。それは日本人が世界でも知的好奇心が高い民族であることと、知的行動を束縛する権力がほとんどない民主国家だということだと思います。よかったですね。
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    じさん、
    ぼくがまだ中学生くらいの頃、オトンが「新聞は嘘が書かれているからホドホドに読め」と言っていたのを思い出しました。「ホドホドに」というのは疑いながら情勢をつかめということらしいですが、なかなかイイ線言ってたんだなあ、と。メディア・リテラシーって大事ですね。
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    はてなさん、
    80年代終わりごろ、そのうち我が国はどこもかしこも日本人だらけになっちゃうんじゃないか!?とアメリカ人に警戒されたことがありました。いま日本人が中国人に対してそう思っているかもしれません。経済戦略はもちろんですが、違いは中国は軍事戦略を含むこと。同時に海洋資源の確保もあるかもしれませんね。
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    阿智胡地亭さん、初コメントありがとさまです。
    米当局がこの度のことが、共同通信など日本の左派マスコミによるやらせであることは百も承知だと思います。メア氏はジョン・ルース駐日米大使に「直ちに抗議文を」と要請しています。ルース大使は日米間の「2プラス2」教義の直前ということもあって、メア氏の更送と引換に沈静化を急いたのではとぼくは見ています。外交は常にデリケートで、それは米国を以てしても同じということでしょうか。

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    なおきんプロフィール:最初の職場はドイツ。社会人歴の半分を国外で過ごし、日本でサラリーマンを経験。今はフリーの立場でさまざまなビジネスにトライ中。ドイツの永久ビザを持ち、合間を見てはひとり旅にふらっとでるスナフキン的性格を持つ。1995年に初めてホームページを立ち上げ、ブログ歴は10年。時間と場所にとらわれないライフスタイルを めざす。