いまでは笑い話の一つになってしまった
アル・ゴア元大統領候補の『不都合な真実』。
だがその影響を勘案すれば、とても笑えない。
地球温暖化を脅しに使い、バイオエタノール燃料の必然性を唱え、石油から転化させるための補助金をばらまいてしまった。おかげで人間が食べるはずのトウモロコシは自動車に食べられてしまい、そのことで世界は恒常的な食糧高騰の原因のひとつになっている。
この男、あとになって「あれは失敗だった」としれっと言う。
早い話が大統領選挙勝利のためのエサだったのだ。そんな落選男のたわごとのために、いまだに地球温暖化を本気で信じている環境保護団体は世界中にゴマンといる。
原子力発電をクリーンエネルギーと崇め、広められたのも、火力発電が地球温暖化を促進させる「悪い発電」という触れ込みのためだった。だから福島第一原発事故以降、「地球温暖化」という言葉が新聞やテレビから消え去った。放射能はまだ消えないが。
▲ アル・ゴア元米副大統領 ノーベル平和賞も受賞(2007)
ひるがえってみれば世界は大騒ぎである。
穀物高騰による食品の値上げがチュニジアの『ジャスミン革命』を勃発させ、あれよあれよとエジプトなど中東・北アフリカを席巻し、リビアでは内戦まで起こってしまった。どさくさに紛れて火事場泥棒的に石油利権を狙う欧米の姿はとても醜い。
補助金目当てのバイオ燃料増産、食料を燃料にしたおかげで食糧は高騰。これじゃ食ってけない、と怒った民衆が暴動を起こし政権転覆させるどさくさに、ひっそりと傀儡政権を狙う欧米諸国。石油価格も高止まりで、世界はインフレにまみれ失業者もうなぎのぼり。さらに暴動。以後繰り返し。
さて日本では「円高不況」などと、深刻さをアピール。
こういっちゃなんだけど、不況は円高がもたらしたものではない。
むしろ円安になったほうが深刻な不況になるおそれがある。
いまや円高のおかげで輸入される食料が安く買え、資源も安く買えている。世界のあちら側では毎日のパンが1週間で2倍になりながら、日本のパンは値段据え置きである。同じ場所でとれた小麦粉を使っておきながらこの差は、円高のおかげである。なぜかこのメリットについては報道されないが。
たいへんだ!円高だ。下げないと!と日銀が円売り介入などしているが、早い話が円を売り、米ドル債を買いまくっているわけだ。すでに破綻している米経済、暴落してもおかしくないドルを買い支えているのが実情なのである。こうなるともう、日銀が救っているのは日本じゃなく米国としか思えない。
新首相の野田さん。
得体はしれないが、声はいい。
だが日本の対米従属度は、3倍増しである。
それがどういうことになるか、あとでわかる。
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