全世界人口の約2%の日本人。だが電気消費量は4%を占める。
世界平均のちょうど倍、使用しているということだ。
東北・関東では計画停電が施行されたり、そうでなくてもそれぞれエアコンを消したり営業時間を短くするなどして、なんとか福島原発を失ったぶんを補っている。大勢の努力で20%程度の節電、それでもピーク時には10%を切る程度。どうやったって、やはり限度があるのだ。
しかも、いまは3月下旬。
年間でもっとも電気消費量の多い月は7月だ。
だいたい3月の1.2倍は使う。ということは、いまよりさらに20%も節電しなくちゃならないことになる。首都圏は電車の本数はさらに減り、計画停電は23区の中心部にも及ぶだろう。エアコンは贅沢品となり、近年まれに見る暑さが日本を襲うはずだ。
▲ 年代別月毎の電力消費量【出典:「原子力・エネルギー」図面集 2007 1-21】
さてここで疑問がある。
計画停電のことだ。
あれはほんとうに必要なのだろうか?
資源エネルギー庁のデータをみていて驚いた。
なんと
日本の電力は余っていたのである。
日本の火力発電総量は約1.4億キロワット。水力発電と原子力は、それぞれ0.4億キロワットと0.5億キロワット。合わせて2.4億キロワットもある。これに対し、日本全国の消費量はピークの7月でも1.5億キロワット。
じゅうぶんではないか。
福島原発の6基どころか、日本中にある55基すべての原発をとめても、夏のピーク時の需要に応じられるだけの発電量があるのだ。
事実、2007年の中越沖地震では柏崎刈羽原発7基があわやの事故で停止したが、瞬時たりとも停電していない。さらにさかのぼって2002年には東京電力の持つ原発17基すべてが停止したが、やはり停電はなかった。
事故は公表されず、隠蔽しようとしていた痕跡は見られるが。
平時では火力発電の半分と水力発電の8割を休止させ、原発ばかりをフル稼働(80%)させている理由はどうしたことだろう?
この普段は休止させている水発と火発のいくつかを動かせば、計画停電などしてわざわざ首都圏を混乱させることもないのではないか。
未曽有の大震災、日本人誰しも無傷では済まない。
そのことは百も承知である。
だが計画停電のおかげで、被災地に物資を運ぶなどの、あるいはその物資を生産することが阻まれているとすれば、これは明らかに人災である。
これについては、もう少し調べてみたい。
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