あなたがそうであるように、
ぼくにも苦手なものがいくつかある。
いくつもある、といったほうがいいかもしれない。
得意なものと苦手なもの、多いのは後者だった。
苦手なもののほうが多い人生はなにかと生き辛い。
そうでないひともいるだろうけど、
少なくてもぼくはそういうタイプである。
苦手なものは、ぼくから行動力を奪い、元気を奪う。
または、エクスキューズを増やす。そう気づいたのだ。
だから、
人生も半分を過ぎたころあたりから、
苦手なものを減らそうと決めた。
好きなものに囲まれていたい、とまでは思わないまでも
嫌いなものに囲まれていたい、とは思わない。
まず苦手な人を減らし、苦手な食べ物を減らした。
食べず嫌い、というのもある。
案外いい人だった、ということも。
それから習慣の中で、苦手なものを減らした。
早起き、がまずそうである。これを克服した。
いまでは毎朝5時には起きる。早いときは4時。
一日にやれることが、これだけでずいぶん増えた。
道具を替えることで、苦手でなくなるものもあった。
アイロン、もそのひとつである。
アイロンだけは大の苦手であった。
だから毎日着るシャツも全部クリーニングに出していた。
けれども毎回クリーニングではシャツが持たない。
シャツは損傷が激しく、ズボンはすぐにテカテカに。
クリーニング代は月6000円、使い道は他にあるかもしれない。
そこで奮起し、パナソニックのコードレスアイロンを購入。
アイロン台は大きめ、人型をしたスタンドタイプのもの。
コードがなく、船のように両端が尖っている。底がやや丸い。
おかげで信じられないくらいかけやすい。
▲ これがそれ。アイロンも知らない間にずいぶん進化したんですね。
自分にもアイロンがかけられるんだ、と素直に感動した。
弘法でない人は、筆を選べばいいんだなと思う。
今では日曜日の夕方になると、身体が自然とアイロン台に向く。
▲ アイロンは立ってするほうがずっとらくちん。アイロンをかけていると、不思議とものごとに前向きになりますね。さあ一週間がんばるぞって気になります。
苦手がゆえ、
これまでずっと避けていたものもある。
「家計簿をつける」という習慣もそのひとつ。
仕事であれば、数字が頭から離れることはないのに
プライベートなことになると、とたんに怠慢になる。
おおよその収入は知っていても、支出があいまいなのだ。
何にいくら使っているのか、確信がない。
投資なのか、消費なのか、はたまた浪費だったのか。
出て行くお金の定義がされず、目標に意思がない。
これではいけないと、家計簿をつけることにした。
『ネット家計簿 ココマネ』というWEBサービス。
試しにと1年前から使い始めたが、これが意外といい。
日々の現金出納帳から、複数の口座管理を一括で扱える。
複数の口座や複数のクレジットカードが同時に管理でき、
毎月の締め日や引き落としを自動でやってくれる。
家計簿が続かないのは、入力がめんどうだからでもある。
こういうのは、おおざっぱでいいのだ。
食費、生活費、教育趣味、その他、くらいのシンプルな項目。
もちろん、ネギ一本何十円、みたいなこともできる。
おおよそ何にいくら使ったか、というのがわかり
いつ、いくら引き落とされる、というのがわかり、
どの口座にいくらあり、どう増え、減ったのかがわればいい。
それがわかれば、資産が組み立てられる。
▲ ネット家計簿ココマネの画面。明らかに女性向けのデザインだけど、内容はしっかり考えて作られている。
このままの生活だと、5年後、10年後はどうなるか?
的な資産シミュレーションもやってくれる。
自分は何歳で破綻するか、なんて楽しいことも分かる。
みんなどのくらいで生活しているんだろう?なんてのもわかる。
同じ年収、家族構成でも、それぞれ違いがあるようだ。
こういうのもネットサービスならではである。
▲ 他のお宅はどうなのよ?ってなかたに便利。グラフは赤が自分、緑が世帯平均。先月は交際費と趣味系にだいぶ使いました。
これはただの家計簿ではない。資産管理ソフトである。
我が家の数字、これを視覚化しておくことは重要だ。
よけいな不安を払拭し、前向きになるためにも。
これだけできて、なんと無料(ケータイ版は有料)。
ココマネさん、ふとっ腹である。
おかげで、苦手だった家計簿を難なく克服。
ただ、主婦を意識してかデザインがピンクで可愛らしいのが
おじさんとしては、ちょっと恥ずかしいのだけど。
▲ 入力は帰宅途中にiPhoneでちょいちょい、と。シンプルなのがいい。
アイロンと家計簿を「主婦のするもの」と決めつけてはいけない。
ぼくは昔はそう思っていたふしがある。
だから堂々と「ニガテ」などとうそぶいていたのだ。
必要なことなのに。
というわけで、
今年、あとどれだけ苦手なものがなくなるか
自分でも、わりと楽しみなのである。
最近のコメント