ぼくの考える「なくしたい時間」はふたつある。
ひとつは行列に並ぶ時間、もうひとつはモノを探す時間だ。
友人にそのことを話すと「信じられない!」という。
彼に言わせると「行列」があるとそこに並びたくなり、欲しいものを「探す時間」は至福のひとときなのだと。世の中いろんな解釈がある。
日本では意外と行列に並ぶことが多い。
忍耐強いのは民族性なのかもしれないが、それにしても病院のあの待ち時間はどうかと思う。それから人気店。人気スポット。おそらく待つ時間も含めて価値なのだろうが、ぼくにはちょっと耐えられない。たぶんぼくの前世は、行列に並んでいるときに馬車にはねられたのだろう。あるいはドミノ倒しが原因で死んだのかもしれないが。
行列はともかくとしても、「探す時間」については科学技術のおかげでずいぶんと短縮された。インターネットの検索エンジンもそのひとつだ。キーワードにちょっとした工夫を加えれば、たちどころに欲しい情報が見つかる。探せない情報なんてないんじゃないか?とも思う。久しく連絡を取っていなかった旧友だって見つかる。おかげで昔の恋人とよりを戻したカップルも少なくない(たぶん)。
ぼくはどちらかといえば「貧乏性」である。
なかなかモノを捨てられない性分だ。もらった手紙やプレゼントもとってあるし、古いCDも思い出がありすぎて捨てられない。こういう性格だと、たいていは家中モノであふれることになる。そして折り重なるモノがじゃまして、必要なモノが見つかりにくくなる。見つからなくて同じモノを再び買ってしまうこともある。そのことで悔やみもする。
貧乏性は、だから貧乏なのだ。
書類もまた、そうだ。
クレジットカードの明細、レシート、電気料金使用明細書、申し込み用紙控え、領収書、案内状、投資信託目論見書、製品保証書、ユーザー利用規約書、旅行チケットの控え、博物館の半券、なんやらかんやら・・。
いざというときに必要だったらどうしよう?という根拠のない不安から、捨てられずにいるさまざまな書類。こういうのが机の中や本棚にあふれる。狭いスペースがよけい狭くなる。
でもこんな書類の山をとっておいたところで、探すのにきっとひと苦労するはずだ。見つからないだろうし、見つけたところで今度はあと片付けがたいへんだ。かといって、ポケットフォルダーや書類ボックスの類いで整理する気にもならない。
インターネットのようにキーワード検索で一発で見つけるようにできないものか?
そんなわけで一発奮起。
念願のドキュメントスキャナーの登場である。
▲ ScanSnap S1100 アマゾンで14,500円。小型で電源ユニット要らず.
紙ものを全部、電子ファイル化してしまえば、探すのもらくちんである。これで安心して書類を全部捨てられる。「あとで必要になったらどうしよう?」などと迷うこともなくなる。
スキャンしたデータはすべて一元管理。
エバーノートに全部ぶち込んでしまう。このクラウドサービス、使うほどにますます便利だ。なんと、スキャンした書類に書かれた文字列まで検索してくれる。これなら細かなフォルダ分けやタグづけする必要がない。
▲ 読み取り速度は実用レベル。しっかり紙送りされている感じがする。
▲ レシートを読ませれば付属の家計簿ソフトで自動集計してくれる(Windowsのみ)
おまけにデータはすべてクラウド上に保存される。
持ち歩かずとも、必要に応じてiPhoneで開いたり、違うパソコンで確認し、その場で印刷したりもできる。
▲エバーノートに保存すれば自動的に文字認識してくれ、キーワード検索すれば文書内の文字を探して表示してくれる
探す時間の激減どころか、部屋にある紙モノも激減だ。
引っ越しでなくす心配もない。
時間とスペースとストレスを減らしてくれる一品。
わりとおすすめです。
紙って、なくなるとホントすっきりしますね!
髪は、なくなると残念ですけど。
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