連日の佑ちゃん報道。
これにうんざりしているのはぼくだけではないと思う。
ある朝テレビをつけてみたら、大勢人が集まっている風景があった。エジプトかな?と思ったら、斎藤佑樹投手の練習風景を見にきたという群衆なのだった。その数1200人。これだけ慌ただしい世の中でどんだけ暇なんだろう、と思っていたら、このうち400人は報道関係者なのだときいて、失禁しそうになった。
それにしてもアフガニスタンはどうなったんだろうと思う。
メディア各社も裕ちゃん報道(しかもたかが練習風景に)に400人も送り込めるんだったら、その1%でも2%でもいいからカブールに飛ばせないものだろうか。
いまではほとんど米国の自作自演だったことがバレている911同時多発テロの行く末がどうなっているのか、現地からレポートして欲しい。あのテロを口実に米国が始めた戦争がもたらした戦費はイラク戦争に7,473億ドル(約63兆円)、アフガン戦争は2,990億ドル(約24兆円)にものぼる。あまりにも多くの人たちが死に、傷ついた。多くの町が廃墟になり、産業が破壊された。戦争はまだ終わっていないが、そもそもこんなことでいったい誰がハッピーになったのか、総括の前に日本のマスコミも事実関係をきちんと報道すべきだし、ぼくたちももっと関心を持つべきだと思う。ていうか、そろそろ戦場カメラマンは戦場に帰してあげよう。斎藤投手には練習に専念させてあげよう。マスコミは少し静かにしていよう。
アフガニスタンといえばアヘン生産量世界No.1で有名だ。
1980年代、全世界のアヘン生産量は1000〜2000トン。それがいまでは8000トンを超える。このうちの9割はアフガニスタン産だというから圧倒的な占有率である。うんざりするほどに。
アフガニスタンではなかなか産業が育たない。
国民の85%は農業従事者、アヘンの原料であるケシの栽培は他の作物より相場がいいので農民はこれを栽培したがる。苦労が同じなら稼ぎの多いほうを選ぶのも人の性なのだろう。
だがそれは多くの依存症を生む原因にもなっている。
この国のアヘン中毒患者は220万人。廃人も同然だ。
ケシは育つとぷっくりとした丸い果実を茎の先端につける。
▲ ケシの実
この果実にナイフで切れ目をいれれば、傷口から褐色の乳液がたらりと出る。この液体を一晩かけて集め乾燥すれば生アヘンの完成だ。農家たちはこれをキロ単位で市場に持ちこみ、食料やお金と交換する。相場はキロあたり7000円。家族を養うに十分である。
生アヘンはその後どこへいくか?
その大半は非合法な麻薬組織へと流れる。やがてそこで得た資金がタリバンへと流れる。金額にして3000億円。タリバンはその資金で武器を買い、駐留する米軍やヨーロッパ軍兵士を攻撃する。多くの血が流され、洗い終わらないうちに次の血が流れる。
タリバンはアヘン栽培を禁止したこともある。2000年のことだ。
前年アフガニスタンでは4000トンものアヘンが生産されていた。これが2000年には3000トンまで減り、2001年には数百トンレベルまで激減したのだ。このままケシ畑はなくなるかと思いきや、同年9月、例の911が起こった。これをきっかけに、アメリカがアフガニスタンに空爆。戦争が始まった。するとふたたびアヘンが栽培されはじめたのだ。
これだけを取り上げれば、アメリカはまるでタリバンにアヘン栽培を再開させるために戦争を起こしたようにも見える。多くの犠牲者はニューヨークにも出たが、カブールやバグダットで死んだアメリカ人も多い。自国民を犠牲にしてまで、いったい「何のため」の自作自演だったのか、そもそも「だれ」による自作自演だったのか?
多くの説がある。
同時に誰かがそのことを忘れさせようとしている。
だがぼくは真実が知りたいのだ。あなたと同じように。
カルザイ傀儡政権はエジプトのムバラク政権にそっくりではないか。
これもまたアヘン戦争なのではなかったか?
・・
ちなみにタリバンが使用している武器は中国製だそうです。19世紀の亡霊を見る気がしてきますね。
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