エコポイントが半減するとかで、駆け込み需要たけなわの家電量販店。 液晶テレビ売り場では対応受付だけで、なんと2時間待ちだったとか!?
つくづく日本の経済を支えているのはこんな辛抱強い消費者なんだなあ、と感慨ひとしおといった感じだけど、まあすこし冷静になったほうがいいかもしんない。
テレビのニュースで「来月からポイント半減」などと、まるで急き立てるように現場中継しているのは、見事に液晶テレビ売り場ばっかりである。 実際には、液晶テレビよりも冷蔵庫やエアコンのほうが前月売上対比で上回ってるんだけど、とにかく強調するのは液晶テレビばかり。
これはもうただの「地デジ化促進」報道である。
出来レースもここまでくると、あまりにも露骨すぎて見ているこっちが恥ずかしくなるほどだ。 まあ、それに踊らされて売り場に殺到するお客さんも相当お恥ずかしいのだけど。
「今が一番お買い得」なんてセリフはもうすっかりおなじみだけど、もちろんうそっぱちである。 大型液晶テレビなんてのは毎月ちょっとずつ値段が下がるのがお約束。 たいていの家電製品は、今よりも来月、来月よりも再来月のほうがお買い得なのだ。 メーカーも数カ月ごとに新モデルを出すから、旧モデルの値崩れはいっそう激しい。 同じモデルが半年で数万円安くなってたなんてのもザラである。 ちなみに我が家のテレビはREGZAの37インチで2年前に激安店で17万円で買った。 いま最新の37インチ液晶テレビは9万円台が主流である。
アナログ放送終了まで、まだあと8ヶ月もある。
エコポイントで還元される以上に安くなっていることは明らかだ。 そもそも、ほおっておけば安くなっていく価格の一部を、貴重な税金で補填していいのか? という問題がある。 だったら単に消費税を控除するなどの方法でいいじゃないかと。
まだ使える古いものを捨てさせ、新しいものを買わせるこれのどこが「エコ」なんだろう? しかも大型のもの、結果としてより消費電力の高いものがエコポイントが高いというのも、やっぱり矛盾している。 はたして資源を使えといっているのか、使うなといっているのか。
地球温暖化が進んでいるとして、それが地球をひどく傷めつけ希少動植物を死滅させているとして、その原因が化石燃料を燃やし、二酸化炭素を増やすことが事実だとして、ぼくたちがこれを憂い、なんとかそうならないよう対策を打つのならばハナシはカンタンだ。
電気をとめ、車を走らせなければいい。
まあそういうわけにもいかないだろうから、代替案として、電気代に多くの税金をかけ、ガソリン税を上げてみるのはどうだろう? すこし前にガソリンがリッター200円になったとき、みんなして運転を控えようとしなかっただろうか。 少なくともあの時期、だいぶ交通事故が減ったといわれている。
電気代にガス代といった光熱費に高い税金をかければ、ものぐさなぼくたちもあるいは節電にもっとはげむかもしれない。 政府としてはこれの増税分は生活弱者に還元してもいいし、この国の子孫への借金をいささか減らす努力をしてもいい。 副産物として、自家発電ブームが起こり太陽発電機や風力発電装置が売れるかもしれない。 だとしたらこんなひとたちにこそエコポイントを付与するべきだ。
それなのにこの国がしているのは、電化製品やクルマの購入時にエコポイントをつけちゃってるのだ。 どうにも目的と手段がからみあわない。
たぶん「エコポイント」なるものは、その人が経済活動に貢献してくれたことにたいして国が「不況にもかかわらず、よくお金を使ってくれました」と与えられるごほうびなのだろう。 それなら話がわかる。 ならば、一時的に消費税をぜんぶなくしてみるとか、そういう思い切った政策のほうが、なんだか気持ちがいいではないか。
少なくとも、エコだの、地球にやさしいだの、
そんなネタバレのキレイごとを繰り返すよりは。
エコポイントについてはこちらにも記事があったりします。
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