別段、人には話さないけれど
枕がいささか気になるタチである。
いったいもう、どれだけの枕と寝たことだろう。
別れた枕たちがいまどこで何をしているかは、しらない。
眠れない夜、ふといま寝ている枕とは違う枕のことを
考えたりすることが、ないわけでもない。 こともない。
ぼくはわりとどの枕とも一緒に眠れるようで、
そのせいだろうか、港の数だけ枕があったものだ。
おもえば不義理なオトコである。
ひとつの枕と一生添い遂げる人だっているだろうに。
そんなぼくにも、枕が原因で眠れない時期があった。
頭の下でなく、腕の中に抱いて眠った。
朝になると、どこかへ行ってしまうのが枕だった。
枕にも、若気の至りというのがあるのかもしれない。
人生の3分の1〜4分の1は眠っている。
おそらくそのとき、枕も共にあることだろう。
だのにひとは、枕にあまりにも無頓着ではなかったか。
自分の身体に合わせて作る世界でひとつだけの枕。
人生に必要なのは、そのような「マイ枕」であると思う。
ぼくのように、港ごとに枕を変えていてはダメなのだ。
さて、そのひとにとって「よい枕」とはどんな枕なのだろうか?
ポイントは背骨。
正常な背骨を横から見ると、S字を逆にしたようなカーブがある。
これを「生理的弯曲(せいりてきわんきょく)」という。
「よい枕」とは、この生理的弯曲を維持できる枕である。
枕が高すぎれば肩がこり、低すぎればこんどは顔がむくむ。
「枕がどこかへいっちゃう」ころのぼくは、
朝起きて鏡を見れば、たいてい顔がむくんでいた。
通常頭は心臓よりも高くしておかないと、血の巡りが悪くなる。
というわけで「マイ枕」。
なにも高いお金を出して作ることばかりが能じゃない。
タオルを使ってカンタンに作ることもできるようである。
「タオル枕」のつくりかた 【日経WOMAN Online】
これなら、ホテルで一夜限りの夜であっても
自分好みの枕と添い寝できちゃいそうである。 このエッチ。
男は腕枕で女は膝枕なのはなぜだろう?
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